活動報告

研究活動

基礎・臨床研究で得られた成果は、積極的に国内外の精神神経薬理学、神経科学および医療薬学関連の学会や研究会にて報告し、世界を見据えて広く社会に発信しています。また、招待講演やシンポジウムなどにおいても多数発表を行っています。

2015年11月21~23日

第25回日本医療薬学会年会(横浜)

「第25回日本医療薬学会年会」が、パシフィコ横浜にて、「医療薬学の進歩と未来-次の四半世紀に向けて-」をテーマに、開催されました。

当部門からは野田幸裕教授がシンポジウム10のオーガナイザー/座長とシンポジストおよび一般演題の座長を、博士課程4年の肥田裕丈がシンポジウム3のシンポジストを務めました。博士課程4年の椿井 朋と2年の後藤 綾が一般演題のポスター発表を行いました。多職種連携教育(IPE)に関するポスター発表では、薬学生が習得すべきチーム医療や卒業後のIPEの実用性について、実務実習生や薬剤師の教育に携わる臨床現場最前線の先生方から貴重なご意見を頂くことができ、新たな知見を見出すことができました。本年会より会期が3日間へと延長され、医療薬学の課題と展望についてより活発な議論がなされており、薬剤師としての研究資質の向上に繋がる大変有意義な学会でした。

(報告者:後藤 綾)

【シンポジウム】
野田幸裕(11月21日)オーガナイザー/座長/シンポジスト
シンポジウム10:新しい薬学教育モデル・カリキュラムにおける実務実習
「新しい薬学教育モデル・カリキュラムにおける実務実習:趣旨説明」
肥田裕丈(11月21日)シンポジスト
シンポジウム3:研究成果を科学論文として発表するためのknow-how -倫理審査・利益相反から医療薬学・JPHCSへの投稿まで- 
「初めての論文投稿に向けた取り組み」
【一般演題】
野田幸裕(11月23日)座長
一般演題57:薬学教育(実務実習)
【ポスター発表】
後藤 綾(11月21日)
「チーム医療の実践に向けた多職種連携教育(Interprofessional Education; IPE)の有用性」
椿井 朋(11月22日)
「病院実務実習における糖尿病療養指導に関する知識習得効果について」

2015年10月29~30日

第25回日本臨床精神神経薬理学会(東京)

「第25回日本臨床精神神経薬理学会」が、京王プラザホテルにて、「精神科薬物治療の最適化」をテーマに、開催されました。

当部門からは野田幸裕教授が、シンポジウム9の座長を務められ、一般演題では博士課程2年の後藤 綾がポスター発表を行いました。発表時には、クロザピンによる顆粒球様細胞減少作用の特異性や他剤との比較、臨床への応用など、多くの先生方からご質問・ご意見を頂くことができ、私見を深めることができました。また、難治性精神疾患の薬物治療に関する薬理遺伝学的解析とその症例報告、慢性疼痛のメカニズムと精神疾患の関連など多岐にわたる貴重な講演を拝聴し、基礎から臨床まで絶え間ない研究が「精神科薬物理療の最適化」のために重要であることを改めて感じる有意義な機会となりました。

(報告者:後藤 綾)

【シンポジウム】
野田幸裕 座長
シンポジウム9:「精神科薬物治療をめぐる精神科医と薬剤師のコミュニケーションギャップ」
【口頭発表】
後藤 綾
「HL60細胞を用いたクロザピンによる顆粒球様細胞の減少作用におけるヒスタミンH4受容体の関与」

2015年10月11~13日

平成27年度アルコール・薬物依存関連学会合同学術総会:第50回日本アルコール・薬物医学会、第37回日本アルコール関連問題学会、第27回日本依存神経精神科学会

平成27年度アルコール・薬物依存関連学会合同学術総会:第50回日本アルコール・薬物医学会、第37回日本アルコール関連問題学会、第27回日本依存神経精神科学会が、神戸国際会議場にて「温故知新~アルコール・薬物研究 50年の歩みと未来への展望~」をテーマに、開催されました。

この3学会は日本のアルコール・薬物依存関連問題の中心となる学会であり、本合同学術総会においても基礎医学、臨床医学、心理学、精神保健、リハビリテーション、地域や自助グループの支援者など多くの領域の専門家が一同に会して、活発な討議が行われました。アルコール・薬物依存関連研究の全般を網羅する教育講演やシンポジウム、社会問題になっている危険ドラッグに関する企画が複数ありました。当部門からは、野田幸裕が一般演題の口演発表の座長と演者を務めました。モデル動物を用いた研究の臨床的意義についての質問を受け、現在の課題を深めることができ、大変有意義でした。今後の研究活動に活かしていきたいです。

なお、日本依存神経精神科学会は日本アルコール・薬物医学会と統合し、来年度は第51回日本アルコール・アディクション医学会学術総会として、東京にて開催されます。

(報告者:野田幸裕)

【一般演題】
野田幸裕 座長
セッション1:依存の分子神経生物学
【口演発表】
野田幸裕(10月12日)
「統合失調症様モデル動物における精神行動障害に対するニコチンの緩解作用と依存との関連性」

2015年9月24~26日

第45回 日本神経精神薬理学会・第37回日本生物学的精神医学会合同年会(東京)

「第45回 日本神経精神薬理学会・第37回 日本生物学的精神医学会合同年会」が、タワーホール船堀にて、「精神・神経疾患におけるトランスレーショナルリサーチの実践と展開」をテーマに、開催されました。

当部門からは博士課程1年の長谷川章がポスター発表を行い、発表時には幼若期におけるストレス負荷の日数による障害の相違についてなど、多数の質問・意見を頂くことができ、現在の研究活動の進捗について私見を深めることができました。また、野田幸裕教授が、精神科専門薬剤師精神医学セミナーにおいて、司会とともに、口頭発表を行いました。基礎と臨床のそれぞれの立場において精神・神経疾患研究に携わっている専門家が一同に会した本合同年会では、お互いに活発な研究発表と議論が多数あり、研究活動や医療現場に還元できる多くの成果を得ることができました。特に、統合失調症のガイドラインの概要やその作成の根拠となった引用文献の解説などがあり、臨床活動における知見も深めることができました。今後の精神疾患における基礎研究と臨床活動に活かしていきたいと思います。

(報告者:長谷川章)

【ポスター発表】
長谷川章(9月24日)
「幼若期社会的敗北ストレス負荷による社会性行動障害におけるNMDA受容体の関与」
【セミナー】
野田幸裕(9月26日)司会/演者
精神科専門薬剤師精神医学セミナー:精神科薬物療法における薬剤師の処方設計
「向精神薬の適正化:アドヒアランス向上、多剤併用の解消」

2015年7月18~19日

第37回日本中毒学会総会・学術集会(和歌山)

「第37回日本中毒学会総会・学術集会」が、和歌山県民文化会館にて、「今まさに正しい中毒医療が求められている!-紀の国からの発信-」をテーマに、開催されました。

本中毒学会総会・学術集会では、救急医のみならず、DIの提供を行う薬剤師、分析を行う臨床検査技師、精神科医、基礎医学者、法医学者、薬学研究者、警察医など多くの専門家が一同に会して活発に討論します。当部門からは野田幸裕が、シンポジウムⅠの座長を新潟市民病院の広瀬保夫先生と務めました。各シンポジストからは、危険ドラッグの現状、測定方法の開発、血液濃度と臨床像、臨床経過と剖検例などについて報告してもらい、総合討論にて、今後の規制強化と対処法や治療について終始活発な質疑応答・意見交換が行われ、大変盛況でした。また、教育講演4の講演を行いました。近年、危険ドラッグによる中毒・依存が多発しています。これは中毒等の起因化合物が毎年数多く合成され、乱用されているためです。それに伴い、病態や治療、処置、化合物を同定する分析法なども十分に確立していません。益々注目される分野であると考えられますので、今後の薬学教育、社会活動や研究活動に活かしていきたいです。

(報告者:野田幸裕)

【シンポジウム】
野田幸裕(7月18日)座長
シンポジウムⅠ「危険ドラッグ-その現況と対策-」
【教育講演】
野田幸裕(7月19日)
教育講演4「危険ドラッグ:依存・中毒症状の発現機序」

2015年7月4~5日

第23回クリニカルファーマシーシンポジウム/医療薬学フォーラム2015(名古屋)

「第23回クリニカルファーマシーシンポジウム 医療薬学フォーラム2015」が、名古屋国際会議場にて、「創薬と育薬に貢献する医療薬学」をテーマに、開催されました。

当部門からは野田幸裕教授が、シンポジウム4のオーガナイザーと総合討論のコメンテーターを務められ、一般演題では学部6 年の大口裕美がポスター発表を行いました。発表時には、症状や肺機能に対する吸入デバイスの影響や吸入指導時の特に注意する点など、多数の質問・意見を頂くことができ、大変盛況でした。本フォーラムでは多数の医療薬学に関する発表が行われ、現在の研究活動について私見を深めることができただけでなく、今後の臨床現場に応用可能な知識を得る有意義な機会となりました。

(報告者:大口裕美)

【シンポジウム】
野田幸裕(7月4日)オーガナイザー/総合討論のコメンテーター
シンポジウム4:「今後の不眠を考える ―ベンゾジアゼピン系薬剤の功罪―」
【ポスター発表】
大口裕美(7月5日)
「慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者における症状と吸入操作との関連性」

2015年7月4日

第61回日本薬学会東海支部総会・大会(名古屋)

「第61回日本薬学会東海支部総会・大会」が名古屋市立大学大学院薬学研究科(田辺通キャンパス)にて開催されました。

当部門からは、博士課程2年の後藤 綾先輩、1年の長谷川章先輩、学部6年の三宅裕里子が口頭発表を行いました。発表時には、幼若期と成体期での障害脆弱性の相異について質問・意見を頂くことができ、現在の研究活動の進捗について私見を深めることができました。精神疾患に関する研究活動の進捗についての私見ばかりでなく、在宅医療において患者ニーズに対応した薬剤師業務を実践するための課題についてなど医療薬学での知見も深めることができ、大変有意義な機会となりました。今後の基礎研究と臨床に活かしていきたいと思います。本口頭発表にて、長谷川章先輩が学生優秀発表賞を受賞しました。

(報告者:三宅裕里子)

【口頭発表】
後藤 綾
「クロザピンによる無顆粒球症発症の機序:ヒスタミンH4受容体との関連」
長谷川章
「脳発達過程におけるGLASTの機能異常が高次機能に及ぼす影響」
三宅裕里子
「幼若期社会的敗北ストレス負荷による社会性行動におけるモノアミン作動性神経の関与と抗うつ薬の反応性」

2015年6月20日

第12回DS-Conference in Sapporo(札幌)

「第12回DS-Conference in Sapporo」が、札幌グランドホテルにて開催されました。

DS-Conferenceでは、精神科領域におけるドパミンやセロトニンに関する症例、トピックや治療薬について、札幌近辺にて活躍している精神科医が一同に会して活発に討論します。当部門からは、野田幸裕が「特別講演」として講演しました。30名以上の参加者があり、終始活発な質疑応答・意見交換が行われ、大変盛況でした。症例報告では、抗精神病薬の変薬により、月経が再来した症例、および母子への心理教育への介入方法など、精神科領域での治療方法を深めることができ、大変有意義でした。今後の薬学教育や研究活動に活かしていきたいです。

(報告者:野田幸裕)

 

 

【特別講演】
野田幸裕
「前頭前皮質ドパミンD3受容体を介する認知機能の調節:統合失調症様モデル動物を用いた検討」

2015年3月26~28日

日本薬学会第135年会(神戸)

「日本薬学会第135年会」が、神戸学院大学、兵庫医療大学、神戸サンボーホールならびにデザイン・クリエイティブセンター神戸にて、「薬学が拓く、健康と未来」をテーマに、開催されました。

当部門からは野田幸裕教授、毛利彰宏助教、博士課程3年の椿井 朋先生、博士課程1年の後藤 綾先輩、学部5年の山本文哉がポスター発表を行い、博士課程3年の肥田裕丈先輩が大学院生シンポジウムGS03にてシンポジストを務めました。ポスター発表時には、薬剤の臨床への応用や現在未検討の分子やその検討方法について多数の質問や意見、指導を頂くことができ、一時間半の発表時間が非常に短く感じました。本年会では基礎研究から臨床研究まで幅広い分野の研究内容が発表されており、私見を深めることができるとともに、薬剤師としての研究資質の向上に繋がる大変有意義な機会となりました。

(報告者:山本文哉)

 

【ポスター発表】
野田幸裕(3月26日)
「医薬連携を活かしたチーム医療教育:多職連携教育の実践」
椿井 朋(3月26日)
「3T3-L1細胞(前駆脂肪細胞)を用いたクロザピンによるレプチン分泌抑制機序」
後藤 綾(3月26日)
「日本人を対象としたがん化学療法に伴う悪心・嘔吐に関連する遺伝子多型の解析」
毛利彰宏(3月28日)
「末梢血中におけるセロトニントランスポーターのユビキチン化による代謝調節と気質・性格との関連」
山本文哉(3月28日)
「ストレス負荷によって惹起されるうつ様行動におけるセロトニントランスポーターのリン酸化制御の関与」
【シンポジウム】
肥田裕丈(3月27日)シンポジスト
大学院生シンポジウムGS03:臨床を反映した動物モデルを用いた病態解明の最前線
「周産期環境要因暴露による精神疾患モデル動物の確立と評価」

2015年3月18~20日

第88回日本薬理学会年会(名古屋)

「第88回日本薬理学会年会」が、名古屋国際会議場にて、「医薬科学立国への革新」をテーマに、開催されました。

当部門からは、毛利彰宏助教がシンポジウム13において、シンポジストを務めました。博士課程3年の肥田裕丈先輩は口頭発表、そして博士課程1年の後藤 綾先輩、学部6年の森健太郎および長谷川章はポスター発表を行いました。また、野田幸裕教授がシンポジウム13および口頭発表 中枢⑫の座長を務められました。発表時には、臨床知見に基づいた精神疾患モデルの妥当性、当室が注目している精神疾患の発症リスク因子と他の因子との相互関係、抗精神病薬使用時の重篤な副作用のin vitroにおける評価系について、多数の質問・意見を頂くことができ、大変盛況でした。今後の研究活動に繋がる大変有意義な機会となりました。

(報告者:長谷川章)

【シンポジウム】
野田幸裕(3月18日)座長
シンポジウム13:グリア-神経相関による精神疾患の発症と病態
毛利彰宏(3月18日)シンポジスト
シンポジウム13:グリア-神経相関による精神疾患の発症と病態
「統合失調症モデル動物におけるグリアを介した精神発達・伝達の調節機構」
【口頭発表】
肥田裕丈(3月18日)
「プロスタグランジンE2は精神疾患様の神経発達および行動学的異常を惹起する」
【ポスター発表】
後藤 綾(3月18日)
「クロザピンによる無顆粒球症の評価系の確立」
森健太郎(3月18日)
「フェンシクリジンにより誘発される精神行動異常の形成機序:GLAST変異マウスを用いたアプローチ」
長谷川章(3月18日)
「脳神経発達過程におけるグルタミン酸トランスポーターの機能異常が認知機能に及ぼす影響」
【一般演題】
野田幸裕(3月18日)座長
口頭発表 中枢⑫:神経変性

2015年3月17日

第24回神経行動薬理若手研究者の集い(名古屋)

「第24回神経行動薬理若手研究者の集い」が、名城大学名駅サテライト(MSAT)にて、「Generation Shift:from molecular to systems~時代の変遷:分子から回路へ~」をテーマに、開催されました。

当部門からは、5年の山本文哉と三宅裕里子が、一般演題セッションにて口頭発表を行いました。発表後には活発な質疑が行われ、今後の研究活動を促進する知見を得る事ができました。同世代の研究者と研究成果について討論することで、今後の研究へのモチベーションを高めることができ、大変有意義な機会となりました。

(報告者:三宅裕里子)

【口頭発表】
山本文哉
「ストレス負荷が惹起するうつ様行動に対するPKCリン酸化制御の関与」
三宅裕里子
「幼若期社会的敗北ストレス負荷による社会性行動障害におけるモノアミン作動性神経の関与」