活動報告

研究活動

基礎・臨床研究で得られた成果は、積極的に国内外の精神神経薬理学、神経科学および医療薬学関連の学会や研究会にて報告し、世界を見据えて広く社会に発信しています。また、招待講演やシンポジウムなどにおいても多数発表を行っています。

2024年3月20日

第144回日本薬理学会近畿部会(大阪)

「第144回日本薬理学会近畿部会」が、大阪医科薬科大学・薬学部(阿武山キャンパス)にて開催されました。午前中は「令和6年学術評議員会・通常総会」、「第17回江橋節郎賞授賞式・受賞講演」、午後からは「第39回学術奨励賞授賞式・受賞講演」がWebとの同時開催で行われました。

当室からは、野田幸裕が一般演題(口頭)中枢神経系(1)のセッションにおいて座長を務め、同セッションにて発表を行いました。190名を超える学部学生・大学院生や若手研究者がそれぞれの専門分野での新しい視点から、意欲的で対面ならではの熱気に満ちた発表と活発な議論が交わされていました。なお、本部会にはオンライン参加者(約170名)と合わせて、約360名が参加し、盛会のうちに終了しました。

日本薬理学会近畿部会は、薬理学会地方部会の中でも歴史と伝統ある最も身近な学会であります。第143回の名古屋-第144回の大阪-第145回の広島での対面での開催を経て、コロナ禍から脱出した実りある対面での学術集会の場となっていくと思います。

(報告者:野田幸裕)

【座長】
野田幸裕
「一般演題(口頭)中枢神経系(1)」
【口頭発表】
野田幸裕
「フェンシクリジン連続投与マウスの社会性および認知行動におけるニコチン性アセチルコリン受容体の役割」

2023年12月15日

第97回日本薬理学会年会/第44回日本臨床薬理学会学術総会(神戸)

第97回日本薬理学会年会/第44回日本臨床薬理学会学術総会が、神戸(神戸国際会議場・神戸国際展示場)にて「いのちと科学を薬でむすぶ」をテーマに同時期開催されました。

当室からは、野田幸裕が一般演題(口頭) 中枢神経系(2)のセッションにおいて座長を務めました。1,700名を超える基礎・臨床薬理学研究者が一堂に会し、いずれのセッションでも活発な討論が行われました。日本薬理学会年会では、これら薬を取り巻く幅広い分野の研究者が一堂に会し、討論・意見交換し、さらに最新の研究に関する情報を提供することによって、融合領域を含む薬理学のさらなる発展に寄与することを目指しています。現在の研究テーマである脳炎症と精神疾患に関する分子生物学や臨床医学の最新の情報、また、日本臨床薬理学会主催の演題から、基礎と臨床の間のギャップを埋めるためのトランスレーショナル・リバーストランスレーショナルリサーチの現状について学ぶことができました。

(報告者:野田幸裕)

【座長】
野田幸裕(12月15日)
一般演題(口頭) 中枢神経系(2)

2023年12月6日

第16回日地域連携薬剤管理指導研究会(ONLINE)

「第16回地域連携薬剤管理指導研究会」が「精神科領域(せん妄、うつなどの薬物治療、薬薬連携について)」をテーマにオンライン開催されました。本研究会は地域連携薬剤管理指導研究会、愛知県薬剤師会、特定非営利活動法人 医薬品適正使用推進機構、およびMeiji Seika ファルマ株式会社の共催、愛知県薬剤師会および名古屋市薬剤師会の後援で行われました。

当室の野田幸裕教授が地域連携薬剤管理指導研究会の世話人代表として、開催の挨拶と講演①と②の座長を務められました。講演①では地方都市の単科精神科病院の地域医療連携、講演②では大学病院におけるせん妄対策、講演③では薬剤師が知っておくべきうつ・不安症の薬物療法と、地域連携や薬物選択方法についてわかりやすく解説され、大変興味深いものでした。普段の研究室生活では関わることのない、より専門的な臨床現場でご活躍される先生方のご講演を拝聴することは、自身の「耳学」へと繋がり大変刺激になりました。コロナ禍を経てオンライン開催が普及した現状を上手く活用しながら、多くの「耳学」を積極的に取り入れていきたいと思います。

(報告者:中村真理子)

【座長】
野田幸裕

2023年9月16~17日

第7回日本精神薬学会総会・学術集会(岡山)

「第7回日本精神薬学会総会・学術集会」が『薬と心と社会をつなぐ精神科薬物療法』をテーマに、岡山大学の創立五十周年記念館および一般教育棟にて開催されました。COVID-19の流行により過去3年間のWEB開催を経て、本会は「晴れの国 岡山」にて現地開催されました。全国より精神薬学を専門とする薬局・病院の臨床薬剤師や大学・企業の基礎研究者・教員・学生が一堂に集い、熱心な討論が交わされました。

当室からは、シンポジウム1「精神科薬物治療におけるポリファーマシーのマネージメント」において野田幸裕教授がオーガナイザー・座長を務め、野田幸裕教授は「精神科薬物療法におけるポリファーマシー:概要」として、日本の精神疾患に対する薬物療法が海外に比べてポリファーマシーの処方率が高いことを紹介しました。肥田裕丈研究員は「うつ病治療におけるポリファーマシーを整理する」と題して、抗うつ薬のポリファーマシー対策と適正使用について発表しました。各講演後には多数の質疑応答がありました。向精神薬の効能を正しく理解すること、ポリファーマシーでは治療効果と副作用を注意深く監視し、有益性を確保すること、向精神薬の減量は適切に行うことの重要性を共有しました。

吉見 陽はワークショップ1「PCP研究会企画 より良い薬物治療を考えよう―「症例検討」うつ病―」の演者を務めました。当日に追加の参加者があり、日本精神薬学会の鍋島俊隆顧問がファシリテーターを快く引き受けてくださり、6グループ(36名)にて『糖尿病治療中のうつ病』の治療について活発な議論が交わされました。薬局・病院で働く精神科薬剤師が、提示症例の問題点に対して治療指針(ガイドライン)やエビデンス(薬理学的・薬物動態学的特徴、忍容性・安全性プロファイルなど)に基づいた介入プランを立案しました。日常臨床で遭遇する症例の治療について、薬剤師の視点から他の職種(医師や看護師など)と協議する際に、どのような根拠に基づくものか再確認・整理しておくことにより、自信を持って意見を提案することができるようになると考えています。

2024年度は昭和大学上條記念館(東京)で「無限の可能性を求めて創る精神科薬薬連携〜さあ、Next Stageへ〜」をテーマに開催される予定です。今回は懇親会の開催が見送られましたが、次回は学術集会での活発な討論の後に懇親会でリラックスした雰囲気の中で歓談できることを楽しみにしています。

(報告者:吉見 陽)

【オーガナイザー・座長】
野田幸裕(9月16日)
シンポジウム1「精神科薬物治療におけるポリファーマシーのマネージメント」
【シンポジウム】
野田幸裕(9月16日)シンポジスト(シンポジウム1)
「精神科薬物療法におけるポリファーマシー:概要」
肥田裕丈(9月16日)シンポジスト(シンポジウム1)
「うつ病治療におけるポリファーマシーを整理する」
【ワークショップ】
吉見 陽(9月16日)演者(ワークショップ1)
「PCP研究会企画 より良い薬物治療を考えよう―「症例検討」うつ病―」

2023年7月20日

令和4年度助成研究発表会(東京)

2023年7月20日、京王プラザホテルにて、「令和4年度助成研究発表会」が開催されました。

ストレス関連疾患のひとつであるうつ病患者では、認知機能障害が認められます。この障害は、うつ病治療薬による抑うつ症状の寛解後も残存し、患者の社会復帰に影響を与えます。当室からは、野田幸裕が幼若期社会的敗北ストレスマウスを用いた社会性行動障害の発現機序に関する研究成果について発表いたしました。また、「喫煙と精神機能・行動 D-1」のセッションの座長も務めました。当室の研究成果の発表後には、社会性行動障害におけるニコチン受容体α7とα4β2サブユニットの役割の相違について質疑応答があり、熱心に聴き入る参加者の姿が見受けられました。幼少期でのストレス負荷後に認められる成長後の不安やうつ様症状は、成体期でのストレス負荷後に認められるうつ様症状とは臨床的に異なることを助言頂きました。実験の妥当性や信頼性、治療薬の作用機序や特性などを吟味し、今後の研究活動に繋げたいと思いました。

(報告者:野田幸裕)

【口頭発表】
野田幸裕「ストレスとレジリエンスを制御するニコチン関連分子・神経回路」

【座長】
野田幸裕「喫煙と精神機能・行動D-1」

2023年6月25日

第143回日本薬理学会近畿部会 市民公開講座(名古屋)

「第143回日本薬理学会近畿部会 市民公開講座」が、名城大学八事キャンパス ライフサイエンスホールにて、特定非営利活動法人医薬品適正使用推進機構(NPO J-DO)の後援を得て開催されました。

講師として加藤雅士教授(名城大学情報センター・農学部)をお招きし、「愛知の発酵食品の魅力:健康と美食と文化から考える」と題して、愛知県が誇る多様な発酵食品の魅力を健康と美食、文化の観点からご講演いただきました。講演には100名近い地域の方々が参加され、愛知県の特産品である味噌や酒、醤油、味醂、酢などの発酵食品についてのお話に熱心に聞き入っていました。特に、「薬学では敵とされる微生物も農学の分野ではなくてはならないものである」という言葉が印象に残り、微生物が日本の伝統文化の一つである和食と日本人の健康を陰から支えていることを知りました。

講演の前後には、加藤教授が手掛けた名城大学オリジナルブランド清酒である「華名城(はなのしろ)」の試飲会が行われ、参加者の方々は3種類の味の違いを楽しんでいました。薬剤師として薬だけでなく、食生活の面からも健康をサポートすることの重要性を改めて感じるきっかけとなりました。

(報告者:若原和生)

2023年6月24日

第143回日本薬理学会近畿部会(名古屋)

「第143回日本薬理学会近畿部会」が、ウインクあいち(愛知県産業労働センター)にて開催されました。

当室の野田幸裕教授が部会長、吉見 陽准教授が事務局長を務められた本部会では、東海地区の地域薬局や医療系企業の協賛、特定非営利活動法人医薬品適正使用推進機構(NPO J-DO)の後援を頂き、開催されました。近畿地区の薬理学研究者を中心に250名以上が参加し、計79題の演題が各セッションにて発表され、活発な討論が行われました。

当室からは学部6年の小野舞子、片田ひかり、川島菜月、黒田純輝、若原和生が学生口演にて発表を行いました。当室の学生が発表したいずれの演題も多くの薬理学研究者の方々からご質問やコメントがあり、大変盛況でした。統合失調症様モデルマウスの血漿におけるクロザピン反応性タンパク質の同定に関する若原の発表では、クロザピンによる免疫機能障害の発生機序や無顆粒球症患者における罹患しやすい感染症に関する質疑をいただき、クロザピンの副作用発現に関わる研究の重要性を改めて感じました。口演終了後には情報交換会も開催され、100名以上が参加し、歓談も交えながら研究成果について積極的に意見交換を行うことで、新たな知見を得る機会となりました。本学会に参加したことで、病態や薬物の作用機序を解明するためには、多角的な視点から検討していくことが重要であることを学び、今後の研究課題も見つけることができました。本学会で学んだことを研究活動に活かし、さらに努力していきたいと思います。

なお、本部会において、川島菜月および片田ひかりが第143回日本薬理学会近畿部会優秀発表賞を受賞しました。

(報告者:若原和生)

【口頭発表】
小野舞子
「レット症候群モデル神経細胞表現型スクリーニングから見出された候補化合物の連続投与マウスの行動学的特徴」
片田ひかり
「幼若期社会的敗北ストレス負荷による社会性行動障害発現におけるミクログリアとTNF-αの関与」
川島菜月
「幼若期社会的敗北ストレス負荷マウスの社会性行動障害におけるニコチン関連化合物の影響」
黒田純輝
「Astn2 遺伝子変異と新生仔期免疫活性化の複合曝露による高次脳機能への影響」
若原和生
「統合失調症様モデルマウスの血漿におけるクロザピン反応性タンパク質の同定」

2023年5月26日~28日

第16回日本緩和医療薬学会年会:The 16th Annual Meeting of Japanese Society for Pharmaceutical Palliative Care and Sciences(神戸)

「第16回日本緩和医療薬学会年会」が『持続可能な発展に向けた緩和医療薬学の未来予想図を描く』をテーマに、神戸の神戸国際会議場および神戸商工会議所会館にて開催されました。緩和医療は、がん疾患だけではなく生命を脅かすあらゆる疾患に苦悩する患者や家族の生活の質の向上を目指すものです。本学会は、『日本において益々高まる緩和医療の重要性を鑑み、保険薬局薬剤師、病院薬剤師、薬学研究者の連携強化を図り、緩和医療における薬物療法の推進と充実、さらに大学での教育研究と企業での開発・学術研究の進捗発展を目的とする』学術団体です。2007年の設立から15年で会員数は4000名規模となり、本邦の緩和医療を牽引する組織の一つとなっています。本会は4年ぶりの全面的な対面開催で、どこの会場も立ち見で、会場に入室できないほどの参加者でした。

当室からは、野田幸裕教授がシンポジウム14「がん患者のトータルペインに迫る精神科的アプローチ」、博士課程4年の中村真理子が一般演題(口頭)にて発表を行いました。拝聴した山口重樹先生(獨協医科大学 麻酔科学講座)の教育講演1「緩和薬物治療の現在標準と将来展望:適切な痛みの薬物療法を再考する」では、慢性疼痛は薬物治療が慢性化しやすいように思われがちですが、『慢性薬物治療』ではないこと、慢性疼痛におけるアドヒアランス不良は単に飲み忘れではなく、疼痛症状の改善による場合が多いため、『アドヒアランス』を適切に考える必要があることを認識した講演でした。緩和医療領域への学会参加は今回が初めてでしたが、緩和医療の根本的な考え方から社会環境まで、幅広く知見を深める機会となりました。野田教授のご発表にもあったように、まずは向精神薬を通して緩和医療の臨床現場へも足を踏み入れられるよう精進します。

(報告者:中村真理子)

【シンポジウム】
野田幸裕(5月28日)
「がん医療における向精神薬の適正使用」
【一般演題(口頭)】
中村真理子(5月27日)
「がん疼痛治療におけるオキシコドンの薬物動態学的多様性に基づく効果的な疼痛管理」

2023年5月7日~10日

第34回国際神経精神薬理学会:34th CINP World Congress Neuropsychopharmacology(CINP 2023)(モントリオール)

「34th CINP World Congress Neuropsychopharmacology(CINP 2023)」が最新の研究の発展や新しい治療法、新しい臨床ニーズや問題点について学び、世界中の研究者とコミュニケーション・協力・ネットワークを築くことをテーマに、カナダ モンテリオールのFairmont The Queen Elizabethにて開催されました。COVID-19の影響で本会は3年間のバーチャル開催を経て、今回ようやく対面開催が実現し、大盛会でした。

当室からは、野田幸裕教授と博士課程4年の中村真理子が一般演題(ポスター)にて発表を行いました。国際学会に対面で参加するのは初めてであり、国際学会の華やかさや世界中の研究者と直接討論できることに感銘し、何ものにも代え難い経験となりました。拝聴した講演発表と議論を通し、精神疾患の病態の解明やその治療薬の開発の目的は患者の社会復帰であり、これは世界共通であると実感しました。

なお、本会において中村真理子はCINP 34th Congress Student Encouragement AwardおよびJSNP Excellent Presentation Award for CINP 2023を受賞しました。この受賞は、今後の研究の活力になり、世界共通語である英語のスキル向上に益々精進していきたいと思います。

(報告者:中村真理子)

【一般演題(ポスター)】
Yukihiro Noda(5月9日)
「Dual Role of Nicotine in Therapeutic and Addictive Effect in Schizophrenia: A Convergent Approach Based on Clinical and Basic Researches」
Mariko Nakamura(5月8日)
「Potential of Serotonin Transporter as a Biomarker in Chronic Orofacial Pain with Depressive Symptoms Before and After Duloxetine-treatment」

2023年3月25日~28日

日本薬学会第143年会(札幌)

「日本薬学会第143年会(札幌)」が『ファーマサイエンス:つながる・つきぬける』をテーマに北海道大学札幌キャンパスを主会場とした現地とWEBでのハイブリッド形式で開催されました。本年会は物理系、化学系、生物系、医療系、臨床系などの多様な学術領域の研究者が一堂に会し、研究成果を発表し議論することで、革新的な医薬品・治療法の創出へ繋げることを目的としています。本年会は実に4年ぶりの現地開催であり、8000名を超える参加者のもと、盛会のうちに終了しました。

当室からは野田幸裕教授、博士課程3年の中村真理子先輩、学部5年の加納正暉が一般演題(ポスター)にて発表を行いました。いずれの発表でも発表時間の終了まで多数の質問を受け、大変盛況でした。今回初めて学会に参加し、臨床薬剤師・研究者それぞれの視点から研究成果の解釈や臨床への還元方法など、多くのご意見をいただくことができました。特に、患者の認知機能に応じ、患者本人だけでなくご家族に対しても吸入指導を行う必要性や患者の治療への不安や意欲がコロナ禍における気管支喘息症状のコントロールに与える影響について、意見交換を行うこともできました。また、領域融合シンポジウム「神経障害性の痛みにおける新しい慢性化メカニズム」では、神経障害性疼痛に対し、中枢における免疫担当細胞が寛解や再発において密接に関与している可能性があるなど新たな知見を得ることができました。

本学会で得られた知見を今後の研究活動や薬剤師外来での吸入指導へ活かせるように努めたいと思います。

(報告者:加納正暉)

【一般ポスター発表】
野田幸裕(3月27日)
「2021年薬学共用試験OSCEの結果解析報告と2022年度OSCE結果の速報」
中村真理子(3月26日)
「クロザピン服用患者におけるCYP2D6遺伝子多型とクロザピンおよびその代謝物の血中濃度や臨床効果・副作用発現との関連性」
加納正暉(3月27日)
「コロナ禍における気管支喘息患者の吸入療法の現状:地域薬局でのアンケート調査」

2022年11月30日〜12月3日

第96回日本薬理学会年会/第43回日本臨床薬理学会学術総会(Japan Basic and Clinical Pharmacology Week:JPW2022, 横浜)

第96回日本薬理学会年会/第43回日本臨床薬理学会学術総会が、パシフィコ横浜にて「つなげよう、つながろう」をテーマに開催されました。本会は、2学会の連携をコアとして基礎から臨床に至る幅広い学問領域に渡る学会との連携を深め、本邦の創薬研究基盤の確立への貢献を目指すため、Japan Basic and Clinical Pharmacology Week(日本薬理学関連学会週間)として開催されました。2,000名を超える基礎・臨床薬理学研究者が一堂に会し、いずれのセッションでも活発な討論が行われました。

当室からは、博士課程2年の吉田樹生が、「幼若期社会的敗北ストレス負荷が脳内免疫系および神経形態に与える影響」と題してポスター発表を行いました。近年、統合失調症や大うつ病性障害など、様々な精神疾患の病態に脳内の免疫系の活性化や神経炎症が関与していることが報告されており、精神疾患の神経炎症仮説が大きな注目を集めています。幼少期におけるストレス曝露が脳内免疫系や神経形態に影響を及ぼす可能性を報告した本発表は、示説の時間の終了後も多数の研究者から質問を受け、大盛況でした。本発表に際し、多数の薬理学研究者とディスカッションでき、貴重なコメントもいただくことができ、今後の研究を客観的に見つめ直すことができました。

本会は、薬理学会及び臨床薬理学会の合同年会であったこともあり、基礎・臨床の両視点から、病態解明や新規治療ターゲットの探索、さらには創薬を目指した研究成果の発表を多数拝聴することができました。このような機会から基礎と臨床の間のギャップを埋めるための橋渡し研究(トランスレーショナル研究・リバーストランスレーショナル研究)の重要性を再確認しました。患者へ研究成果が届けられることを目指して、日々奮闘していきたいと思います。

(報告者:吉田樹生)

【一般ポスター発表】
吉田樹生(12月1日)
「Exposure to social defeat stress as juveniles leads to activated brain immune systems and impaired neuronal morphology」

2022年11月4日~6日

第44回日本生物学的精神医学会年会/第32回日本臨床精神神経薬理 学会年会/第52回日本神経精神薬理学会年会/第6回日本精神薬学会総会・学術集会 合 同年会(BPCNPNPPP4学会合同年会)(東京)

「第44回日本生物学的精神医学会年会/第32回日本臨床精神神経薬理学会年会/第52回日本神経精神薬理学会年会/第6回日本精神薬学会総会・学術集会 合同年会」が『「心」につながる基礎と臨床の架け橋』をテーマに、都市センターホテルおよびシェーンバッハ・サボーを主会場とした現地とオンラインでのハイブリッド形式で開催されました。本合同年会では、「心」の病に対する薬物療法を始めとする治療法や診断法に関する基礎研究から臨床研究まで幅広く、精神神経疾患の原因解明、診断法および薬物療法などの治療の進歩につながる研究発表が行われました。本合同年会において、野田幸裕教授がワークショップ3「抗精神病薬の減薬・減量のワークショップ」のコーディネーターを務められました。2020年度と2021年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりオンライン開催でしたが、実に3年ぶりの対面での開催となりました。今回初めて参加させていただき、現場で働く薬剤師の先生方の討論を拝聴して減薬・減量を行う上での着眼点や症状を多面的に診る重要性など、多くのことを学ぶ機会となりました。本ワークショップが、薬剤師主導での抗精神病薬に関する減薬・減量ガイドライン作成の繋がればと思います。博士課程3年の中村真理子先輩、博士課程2年の吉田樹生先輩、および学部5年の吉原 希が一般演題(ポスター)にて発表を行いました。名古屋大学医学部附属病院における統合失調症入院患者の減薬・減量状況の実態調査に関する吉原の発表では、Safety correction of high-dose antipsychotic polypharmacy(SCAP)法と比較した減量速度の速さについてご指摘をいただき、対象を入院患者に限った減薬・減量法の確立の必要性を感じました。また、拝聴したシンポジウム22の「クロザピン治療に対する薬剤師の関わりについて考える」では、クロザピン治療に注力する病院の地域連携やクロザピン血中濃度に影響する因子について、知見を深めることができました。本学会で得られた知見を今後の研究・臨床活動に活かし、より一層精進したいと思います。
(報告者:吉原 希)

【ワークショップ3】
野田幸裕(コーディネーター)、吉見 陽(ファシリテーター)、肥田裕丈(ファシリテーター)、堀田彰悟(ファシリテーター)、中村真理子(ファシリテーター)、吉田樹生(ファシリテーター)、吉原 希(アシスタント) (11月6日)
「抗精神病薬の減薬・減量のワークショップ」
【一般演題(ポスター)】
中村真理子(11月5日)
「うつ症状を併存する口腔内慢性疼痛患者における血小板セロトニントランスポーターの関与」
吉田樹生(11月4日)
「グリア誘導性ニューロン移動関連分子アストロタクチン2(ASTN2)の欠失が高次脳機能と神経構築に与える影響」
吉原 希(11月4日)
「名古屋大学医学部附属病院における統合失調症入院患者の減薬・減量状況の実態調査:有効かつ安全な減薬・減量法の確立に向けて」

2022年10月8日

第87回医療薬学公開シンポジウム

「第87回医療薬学公開シンポジウム」が「がんと在宅医療−ポストコロナを見据えた薬薬学連携−」をテーマに名城大学八事キャンパス薬学部のライフサイエンスホールにてWEB開催(ライブ配信)されました。本シンポジウムは名城大学総合研究所クリニカルオミクス基盤TRセンターと共催で行われました。
当室の野田幸裕教授がシンポジウムの座長を務められ、シンポジストとして「がん医療の問題点と現状:Overview」と題した発表もなされました。シンポジストは薬学部教員に加えて、病院薬剤師や薬局薬剤師がそれぞれの立場でがん医療への参画について講演されました。がん疾患に対して高度な医療が薬薬学連携によって提供できることを実感し、今後さらに発展すべき取り組みであることを再認識しました。
特別講演では、名古屋大学腫瘍病理学の榎本 篤先生より最先端のがん研究に関する講演がありました。「ファーマシスト・サイエンティスト」には、現場での臨床・学術的な研究、どちらの知識・技術も不可欠であり、改めて妥協せず、取り組んでいきたいと奮起する機会となりました。
(報告者:中村真理子)

【座長】【シンポジウム】
野田幸裕
「がん医療の問題点と現状:Overview」

2022年9月23日〜25日

第32回日本医療薬学会年会

「第32回日本医療薬学会年会」が「知の融合で織りなすSociety 5.0の医療薬学」をテーマにGメッセ群馬・高崎芸術劇場を主会場とした現地開催とWEB開催を併用するハイブリッド形式で開催されました。当室からは、野田幸裕がシンポジウム49「精神科薬物療法の処方適正化による患者支援~精神科領域の薬薬連携によるポリファーマシー対策に向けて~」にて「多角的な視点で捉えるポリファーマシー対策:教育におけるポリファーマシー対策」と題して発表しました。
発表では、ポリファーマシーに伴う薬物相互作用や有害事象リスクの上昇の問題を回避するために、治療効果や副作用を薬剤の薬理学的特性から考慮し、向精神薬の適正使用とポリファーマシーの是正の進展に寄与する必要があることを概説しました。今後の精神科薬物療法に対する薬学教育が果たすべき役割について質問があり、学部教育・卒後教育で向精神薬の効果と副作用を多角的に理解し、医療スタッフと連携に努める重要性を学ぶことであると回答しました。
本学会は病院薬剤師、薬局薬剤師、薬系大学の教員や学生など、参加者は多岐に渡っていたことから、さまざまな視点からどのように医療薬学の分野において先進技術を用いて医療へ還元しているのか・していくのかについて興味深く拝聴できました。
(報告者:野田幸裕)

【シンポジウム】
野田幸裕(9月24日)
シンポジウム49「多角的な視点で捉えるポリファーマシー対策:教育におけるポリファー
マシー対策」

2022年7月23日〜24日

医療薬学フォーラム2022/第30回クリニカルファーマシーシンポジウム

「医療薬学フォーラム2022/第30回クリニカルファーマシーシンポジウム」が北陸大学薬学キャンパス 薬学別館(アネックスファーム)にて「枝葉が伸び、花が咲き続ける医療を支える根幹たる医療薬学の新たな挑戦」をテーマに開催される予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の再拡大により現地開催を中止し、WEB開催へ変更となりました。

当室からは、野田幸裕教授がシンポジウム3「アカデミアと臨床薬剤師との連携:リバーストランスレーショナル研究の展開」にて「クリニカルオミクスとrTR研究」と題して発表し、シンポジウム12「認知症の研究・治療から地域医療における薬剤師の役割」の座長も務められました。シンポジウム3の発表では、「教育」・「研究」・「臨床」のそれぞれに知識・技術の偏重がない医療人である「ファーマシスト・サイエンティスト」の育成についての質問があり、2006年の当室開設以来、野田教授が尽力して構築されてきた環境や体制について概説しました。

本学会は病院薬剤師、薬局薬剤師、薬系大学の研究者や学生、および製薬会社の研究・開発・医薬品情報担当者など、参加者は多岐に渡っていたことから、さまざまな視点からどのように医療へ還元しているのか・していくのかについて興味深く拝聴できました。どのような立場であっても、研究者マインドを忘れずに医療に貢献できる薬剤師でありたいと奮起しました。

(報告者:中村真理子)

【シンポジウム】
野田幸裕(7月23日)
シンポジウム3「クリニカルオミクスとrTR研究」
【座長】
野田幸裕(7月24日)
シンポジウム12:「認知症の研究・治療から地域医療における薬剤師の役割」

2022年7月1日

第141回日本薬理学会近畿部会(香川)

「第141回日本薬理学会近畿部会」は新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し、オンラインでの開催となりました。今回は一般演題(口演)のみのプログラムであり、オンライン開催のメリットを活かし、第146回関東部会(2022年6月18日開催予定)との共催で、両部会の聴講が可能でした。そのため、関東部会や近畿部会の多数の薬理学、薬物治療学、臨床薬学の大学、企業、あるいは医療関係の研究者が参加していました。

当室からは、野田幸裕が一般演題-1「中枢」(口頭)のコメンテーターを務め、研究員の肥田裕丈が優秀発表賞候補演題-1「中枢1」(口頭)にて「新生仔期プロスタグランジンE2投与による若年・成体期の情動性・情報処理機能と遺伝子発現に及ぼす影響」と題して発表しました。70名以上が視聴者しており、遺伝子発現変化とシナプス形成やグルタミン酸作動性神経に関連した神経化学的異常との間には相関性は認められたのか、精神行動障害が発現したメカニズムとして脳内のどの細胞の関与を考えているのかなどの多くの質問を頂きました。本学会で発表することで、研究の課題が見つかり、今後の研究に活かしていきたいと思います。

(報告者:肥田裕丈)

【コメンテーター】
野田幸裕(7月1日)
一般演題-1「中枢」(口頭)

【一般演題(口頭)】
肥田裕丈(7月1日)
「新生仔期プロスタグランジンE2投与による若年・成体期の情動性・情報処理機能と遺伝子発現に及ぼす影響」

2022年6月30日(木)〜7月3日(日)

第45回日本神経科学大会/第65回日本神経化学会大会/第32回日本神経回路学会大会:NEURO2022(沖縄)

「第45回日本神経科学大会/第65回日本神経化学会大会/第32回日本神経回路学会大会:NEURO2022」が沖縄方言で助け合いを意味する「ゆいまーる ― つながる脳科学 ―」をテーマに、沖縄コンベンションセンター・宜野湾市立体育館・ラグナガーデンホテルでの現地とオンラインでのハイブリッドで開催されました。発表言語が英語であることに加え日本を代表とするリゾート地での開催であることから、アジアや欧米からの参加者も見受けられました。

当室からは、吉見 陽がシンポジウム1S03m「異分野融合による精神神経疾患の新規治療標的に基づいた創薬研究」にて「オミックス技術による統合失調症の病態関連分子の探索とバイオマーカー開発」と題して発表しました。発表後には、リンパ芽球様細胞株のプロテオーム解析で同定された統合失調症マーカーの候補分子が神経系にどのように影響するのか、中枢神経系における局在について検討しているのかなど、多くの質問がありました。予備検討において細胞質や小胞体に局在するMX1タンパク質の過剰発現がERストレス応答を介した細胞脆弱性に関与することから、中枢神経系細胞(ニューロン、グリア)において同様の機能的変化を示す可能性があり、細胞培養系や動物モデルを用いた機能解析と病態生理との関連解析が重要であることを説明しました。

神経・精神疾患の病態解明・創薬に関する先端研究が数多く報告されており、精神医学、神経化学、および薬理学のみならず、タンパク構造解析学やケミカルバイオロジーなどの専門家が活発な議論を交わしていました。日本においても異分野融合による多面的・多角的な研究が進められていることを知る良い機会となり、今後の研究に活かしていきたいと思います。

(報告者:吉見 陽)

【シンポジウム】
吉見 陽(6月30日)
「オミックス技術による統合失調症の病態関連分子の探索とバイオマーカー開発」

2022年6月30日〜7月2日

第49回日本毒性学会学術年会(札幌)

「第49回日本毒性学会学術年会」が「One Healthと毒性学」をテーマに札幌コンベンションセンターにて開催されました。毒性学はさまざまな専門家やステークホルダーの集うトランスディシプリナリティの領域であり、ヒトの健康の実現のために、ヒト、動物、環境/生態系の健康を一つの健康として捉えるOne World One Healthの概念で多数のシンポジウムがありました。

当室からは、野田幸裕がシンポジウム 44「毒性試験では検出が困難な臨床副作用―非臨床からの新たなアプローチ その2(各論)」にて、「行動薬理学から自殺企図を考える:向精神薬との関連性」と題して発表しました。発表後には、向精神薬の有効性だけでなく、オフターゲット作用の評価についてはどのように考えたらよいか、向精神薬による自殺関連行動の予測にはモデル動物への影響を検討する必要があるのかなど、多くの質問がありました。自殺関連行動として衝動性がひとつの指標となると思われるため、正常動物での衝動性に対する化合物の影響を検討し、その後、モデル動物において衝動性が増強されるかどうか検討することが重要であることを説明しました。

北海道は初夏に入り、とてもさわやかな気候でした。本学会で発表する機会から、新たな研究の課題も見つかり、今後の研究の発展に活かしていきたいと思います。

(報告者:野田幸裕)

【シンポジウム】
野田幸裕(7月2日)
「行動薬理学から自殺企図を考える:向精神薬との関連性」

2022年6月9日~13日

第33回国際神経精神薬理学会:The International College of Neuropsychopharmacolgy(CINP2022)(台北)

「第33回国際神経精神薬理学会:CINP2022」が台北での現地とオンラインでのハイブリッドで開催されました。日本とは1時間の時差がありますが、日本からのオンライン参加も容易でもあり、学会後にはオンデマンド視聴も可能でした。最新のテクノロジーを利用して仮想視聴者にプレゼンテーションをライブストリーミングすることで、すべての参加者にすばらしい機会が提供されていました。

当室からは、野田幸裕が一般演題(e-ポスター発表)「Nicotinic acetylcholine receptor subtypes regulate social and cognitive behaviors in mice administered phencyclidine repeatedly」と題して、博士課程2年の吉田樹生が一般演題(e-口頭発表)「The ameliorating effect of memantine on the impairment of social behaviors induced by single social defeat stress as juveniles via regulating the GluN2–ERK1/2 signaling pathway」と題して発表を行いました。オンライン上ではありますが海外の研究者も閲覧しており、研究内容の説明なども行いました。台湾デジタル大臣で新型コロナウイルス感染症の蔓延を見事に抑えられたオードリ・タン大臣の基調講演も楽しく視聴し、精神科医、薬理学者、その他の基礎科学者、および研究心理学者など2,000名以上の参加がありました。

2023年度はカナダのモントリオールで、2024年には東京で開催されますが、次回は海外の研究者と対面で活発な討論ができる日を楽しみにしていきたいと思います。

なお、本学会において、博士課程2年の吉田樹生がJSNP Excellent Presentation Award for CINP
を受賞しました。

(報告者:野田幸裕)

【一般演題(e-ポスター発表)】
Yukihiro Noda
「Nicotinic acetylcholine receptor subtypes regulate social and cognitive behaviors in mice administered phencyclidine repeatedly」
【一般演題(e-口頭発表)】
Mikio Yoshida
「The ameliorating effect of memantine on the impairment of social behaviors induced by single social defeat stress as juveniles via regulating the GluN2–ERK1/2 signaling pathway」

2022年3月26日~28日

日本薬学会第142年会(名古屋)

「日本薬学会第142年会(名古屋)」は、主管校として名城大学薬学部が担当し、東海地区での11年ぶりの開催となりました。「創薬イノベーションが切り拓く新時代の医療」をテーマに名古屋国際会議場で開催予定でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い全面オンライン形式にて開催されました。本年会は創薬から医療にわたる最新の研究成果や急速に進展する革新的技術などについて情報を共有し、薬学領域の教育研究が貢献すべき次代の医療との関わりについて積極的に議論することを目的としています。本年会は、7,000名を超える参加者があり、盛会のうちに終了しました。

当室からは、野田幸裕教授、博士課程4年の内田美月先輩、博士課程1年の吉田樹生先輩、学部5年の松本あおい、平野結奈および内野里香が一般演題(ポスター)にて発表を行いました。全面オンライン形式での開催ではありましたが、バーチャル会場「oVice」を使用することにより実際に現地にいるような感覚で発表を行うことができました。発表後には、研究の成果をどのように臨床へ還元していけばよいかなど、多数の質問をいただき活発に意見交換を行うことができました。

ポスター発表において、現在の薬薬連携状況や連携するために不足している情報について、病院薬剤師・薬局薬剤師それぞれの立場からの意見を拝聴することができました。退院時にはおくすり手帳に患者の体表面積、薬剤を減量している場合にはその理由など、薬局薬剤師にも情報提供すべき内容をしっかり記載する必要性を学び、アドバンスト実習でも薬薬連携に繋げていけるように努めていきたいと思いました。

なお、本学会において博士課程4年の内田美月先輩と学部5年の内野里香が学生優秀発表賞(ポスター発表の部)を受賞しました。

(報告者:内野里香)

【ポスター発表】
野田幸裕(3月26日)
「2020年薬学共用試験OSCEの結果解析報告と2021年度OSCE結果の速報」
内田美月(3月26日)
「児童に対する薬物乱用防止への取り組み:参加体験型学習の学習効果」
吉田樹生(3月28日)
「脳内免疫系及び神経形態における幼若期の心理社会的ストレス負荷の影響」
松本あおい(3月26日)
「統合失調症入院患者における抗精神病薬の処方状況と減量・減薬の実態調査:多剤併用療法の解消に向けて」
平野結奈(3月27日)
「薬剤師外来における吸入療法の再指導を必要とする患者の特性」
内野里香(3月28日)
「がん化学療法に伴う消化器症状の発現と遺伝子多型の関連性」