活動報告

研究活動

基礎・臨床研究で得られた成果は、積極的に国内外の精神神経薬理学、神経科学および医療薬学関連の学会や研究会にて報告し、世界を見据えて広く社会に発信しています。また、招待講演やシンポジウムなどにおいても多数発表を行っています。

2025年3月26日~29日

日本薬学会第145年会(福岡)

「日本薬学会第145年会」が、「薬学エコシステムの推進:異分野連携で拓く未来のイノベーション」をテーマに、福岡国際会議場、マリンメッセ福岡B館、福岡サンパレスで開催されました。本年会では、異なる部会、学会、国、業種、研究手法、世代などの様々な垣根を超え、お互いの情報を交換し、お互いをよく理解し、お互いの繋がりを強く・深くすることで、従来の垣根を超えたさらなる異分野連携を推進することを目的としています。8,000名を超える参加者があり、活発な討論・議論が行われ、盛会裏に終了しました。

当室からは野田幸裕教授、学部5年の井指孝一が一般演題(ポスター)にて発表を行いました。いずれの発表でも発表時間の終了まで多数の質問を受け、大変盛況でした。井指は今回初めて学会に参加し、精神科病棟に勤務する薬剤師や保険薬局の薬剤師から研究成果の解釈や今後の展望について多くのご意見をいただくことができました。特に、将来の医療従事者となる薬学生に対する教育プログラム(例: 認知行動療法の技法を取り入れたロールプレイなど)の具体案について、意見交換を行うことができました。一方で、他研究室の同期との交流も新たな刺激となり、お互い励まし合う機会となりました。

一般口頭発表(医療系)の「薬物治療学⑤(臨床)」では、新たな知見としてクロザピン服用による流涎の量と頻度には、服用量、期間や精神症状との関連性よりも、服用方法が強く関連していることが報告されました。特に「夜間のみに服用」することで流涎が有意に減少し、症状が緩和される傾向があることが示されました。実際に発表を聞く中で、臨床研究におけるClinical QuestionやPICOの設定、対象選定、主要評価項目の明確化、統計手法の選択など、研究デザインの具体的なイメージを膨らませる機会となりました。

本年会で得られた知見を今後の研究・臨床活動に活かし、より一層精進したいと思います。

(報告者:井指孝一)


【一般演題(ポスター)】

野田幸裕(3月28日)「2023年度薬学共用試験OSCEの解析結果と2024年度OSCEの結果速報、および薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)に対応したOSCEへの取組」

井指孝一(3月28日)「薬学生、薬剤師や精神疾患患者における精神疾患に対するスティグマに関する調査」

2025年3月17日(月)~19日(水)

APPW2025(第130回日本解剖学会/第102回日本生理学会/第98回日本薬理学会合同大会)(千葉)

「APPW2025(第130回日本解剖学会/第102回日本生理学会/第98回日本薬理学会合同大会)」が「協奏の未来へ~生命を探る・解く・護る~」をテーマとして、幕張メッセにて開催されました。本合同大会は生命を構造・機能面から探り、新たな治療法を開拓することを目的に、基礎医学領域の発展の場として提供されていります。

当室からは博士課程1年の加納正暉が一般演題(ポスター)およびshort talkにて「The mutant of Pcdh15, a gene associated with bipolar disorders (BD) induces BD-like behavioral and synaptic transmission abnormalities in mice」と題して発表を行いました。英語でのshort talkは初めてであり、とても貴重な経験となりました。ポスターでは多くの研究者から質問を頂き、モデルマウスの妥当性や病態生理について活発に議論を行うことができました。

シンポジウム:「ストレス研究の新潮流:ストレス応答と病態形成メカニズムの解明へ」では統合失調症やうつ病などの精神疾患には脳内のサイトカイン濃度の変化の他に、脂質異常が関与する可能性があるという新たな知見を得ることができました。

なお本会におきまして加納正暉はGraduate Student Presentation Awardを受賞しました。この受賞は、今後の研究の活力となり、益々研究活動に精進していきたいと思います。

(報告者:加納正暉)

【一般演題(ポスター)・short talk】
「The mutant of Pcdh15, a gene associated with bipolar disorders (BD) induces BD-like behavioral and synaptic transmission abnormalities in mice」

2025年3月16日

第34回神経行動薬理若手研究者の集い

「第34回神経行動薬理若手研究者の集い」が「ひらく」をテーマとして、お茶の水女子大学にて開催されました。本会は若手研究者の育成を目的に、基礎生物学研究と行動薬理研究を融合させることにより高次生命現象やそのシステム破綻による疾患発症を理解し、各神経精神疾患の治療薬開発に貢献するための議論の場として提供されています。

当室からは博士課程1年の加納正暉が一般演題にて「双極症関連遺伝子であるPcdh15遺伝子変異がマウスの精神行動やシナプス伝達に与える影響」と題して口頭発表を行いました。発表後には脳内モノアミンやアミノ酸変化と行動変容との関連性など、多数の質問を頂くことができました。

シンポジウムでは「モデルマウスを用いたタウ蛋白代謝におけるオートファジーの役割の解明」について拝聴しました。オートファジーはリン酸化タンパク質の分解に関与しており、オートファジーの阻害がアルツハイマー病の病因であるリン酸化タウタンパク質を増加することからアルツハイマー病の発症に関与する可能性を学ぶことができました。

本会を通して神経・精神疾患の機序の解明には行動薬理学を含め、種々の実験手法を融合することでより詳細な検討を行うことができ、融合研究の重要性について学ぶことができました。本会で得た多角的な視点を今後の研究活動に活かし、より努力していきたいと思います。

(報告者:加納正暉)

【一般口頭演題】
加納正暉(3月16日)
「双極症関連遺伝子であるPcdh15遺伝子変異がマウスの精神行動やシナプス伝達に与える影響」

2024年11月2日~4日

第34回 日本医療薬学会年会(千葉)

「第34回 日本医療薬学会年会」が、「未来の医療をデザインする薬学・薬剤師の視点」をテーマに、幕張メッセおよびTKP東京ベイ幕張ホールを主会場とした現地開催とWEB開催を併用したハイブリッド形式で開催されました。本年会は医薬品開発に必要なデータ解析や臨床研究、医薬品の適正使用を推進する取り組みから、薬剤師の質を担保する教育研修までの幅広い領域の薬学・薬剤師の視点をもった研究者が一同に会し、活発な討論・議論が行われ、盛会裏に終了しました。

当室からは野田幸裕教授がシンポジウム46「向精神病薬と自動車運転-エビデンスの社会実装と適切な薬剤指導-」においてオーガナイザー・座長/趣旨説明を務められました。向精神病薬添付文書では、副作用が少ない標準的治療薬でも運転禁止が規定されていますが、精神疾患の社会復帰や就労を考える際に、運転業務を必須とする場合は少なくありません。向精神病薬がどの程度、自動車運転に影響を与えるかは、客観的に明確にされていませんが、運転シミュレーターを用いて運転の横揺れの程度を測定することで、向精神病薬の服用により自動車運転に及ぼす影響を評価する方法を学びました。向精神病薬の服用による自動車運転への影響を科学的に理解し、適切な服薬指導を行うことで有効・安全な向精神病薬の服用に繋げられるよう学んでいきたいと思います。

博士課程1年の加納正暉先輩および学部6年の加藤朱莉が一般演題(ポスター)にて発表を行いました。いずれの発表でも多くの臨床薬剤師や研究者からご質問をいただき、臨床への還元方法や各病院の問題点などの意見交換を行うことができました。シンポジウム3「医療薬学×臨床検査医学 臨床検査のアップデートによる薬物治療の革新」では、治療抵抗性統合失調症に用いるクロザピンの血中濃度測定において、クロザピン濃度の個人差、コストおよび検査にかかる時間など実臨床での現実的な問題点を知りました。薬剤師が血中濃度測定の必要性を理解し、体制構築へ働きかけることがクロザピンの服用に重要であると実感しました。

本年会で得られた知見を今後の研究・臨床活動に活かし、より一層精進したいと思います。

(報告者:加藤朱莉)

【オーガナイザー・座長/趣旨説明】
野田幸裕(11月3日)
シンポジウム46「向精神病薬と自動車運転-エビデンスの社会実装と適切な薬剤指導-」
【一般演題(ポスター)】
加納正暉(11月3日)
「地域薬局におけるコロナ禍での気管支喘息患者における吸入指導の現状:感染症拡大状況での適切な吸入指導に向けて」
加藤朱莉(11月3日)
「統合失調症入院患者の有効かつ安全な減薬・減量の確立に向けて:名古屋大学医学部附属病院における処方の実態調査」

2024年9月21日~22日

第8回日本精神薬学会総会・学術集会(東京)

「第8回 日本精神薬学会総会・学術集会」が、昭和大学上條記念会館にて「無限の可能性を求めて創る精神科薬薬連携~さぁ、Next Stageへ~」をテーマに開催されました。全国より精神薬学を専門とする薬局・病院の臨床薬剤師や大学・企業の基礎研究者・教員・学生が493名参加し、熱心な討論が交わされました。

当室からは学部6年の加藤朱莉、加藤拓真がポスター発表を行いました。いずれの発表でも発表時間の終了まで多数の参加者から質問をいただき、大変好評でした。今回初めて精神薬学を専門とする学会に参加し、臨床薬剤師・研究者それぞれの視点から細胞を用いた研究やモデルマウスを用いた研究の妥当性や解釈、今後の臨床への還元方法など、多くのご意見を頂くことが出来ました。学部2年生の薬学生には結果の説明だけではなく、行動学的・神経化学的検討で得られた結果の捉え方や、どのような疾患のモデルマウスを使用し、どのように薬剤を選択したのかなど、基本的な内容についても丁寧に解説をしました。本会に参加したことで、精神疾患に対する薬学的介入について様々な研究発表や講演を聴講し、知識を深め、自己研鑽することの重要性を改めて学びました。

なお、本会において、加藤朱莉および加藤拓真が日本精神薬学賞を受賞しました。

 

2025年度は北里大学白金キャンパス(東京)で「虹色に輝く未来に 心に届く薬を届けよう」をテーマに開催される予定です。

(報告者:加藤拓真)

【ポスター発表】
加藤朱莉(9月21日)
「HL-60細胞でのクロザピンによる血液毒性に対するリチウムの作用」
加藤拓真(9月21日)
「プロトカドヘリン15(Pcdh15)遺伝子変異マウスにおける高次脳機能と脳内アミノ酸神経の変容」

2024年9月15~16日

The 9th Nagoya / Gifu / Nanjing / Shenyang Symposium of Pharmaceutical Sciences(名古屋)

「The 9th Nagoya / Gifu / Nanjing / Shenyang Symposium of Pharmaceutical Sciences」が、名古屋市立大学大学院薬学研究科 田辺通キャンパスにて開催されました。本薬学学術シンポジウムは、名城大学が学術協定を結ぶ中国薬科大学および瀋陽薬科大学との学術交流を目的として開催されました。2日間で、基礎から臨床研究まで多岐にわたる口頭発表33演題、ポスター発表74演題があり、演題ごとに活発な討論が行われました。

当室からは野田幸裕教授が名城大学実行委員として、座長を務められました。当室より𠮷見 陽准教授、研究員の中村真理子先生、博士課程1年の加納正暉先輩、学部6年の加藤朱莉、深見彩乃、雄谷拓海、川合竣也、五十住優弥、森川和那、木村天音および加藤拓真の計11名がポスター発表を行いました。いずれの発表においても、発表終了後まで実験方法や結果の質疑ならびに研究の考察について意見交換があり、大変貴重な交流をすることが出来ました。

中国薬系大学の口頭発表では、非アルコール性脂肪肝炎モデルマウスを用いた薬剤の有効性を検討した発表を拝聴しました。モデルマウスを作製して病態生理や治療薬の有効性を検討するという当室の研究と共通した研究発表であり、興味深く拝聴することができました。国際的な視野を持った研究の必要性を再認識するきっかけとなりました。日中間の幅広い薬学系分野の研究発表を聴講することで、当室とは違う研究分野・デザインについて触れ、視野も広げることができ大変有意義な機会となりました。

(報告者:雄谷拓海)

【座長】
野田幸裕(9月15日)
「Oral session 8」
【ポスター発表】
𠮷見 陽(9月15日)
「Spatial brain proteomic analysis using a schizophrenia-like model mouse treated with clozapine」
中村真理子(9月15日)
「Involvement of serotonin transporter in chronic orofacial pain with depressive symptoms before and after duloxetine treatment」
加納正暉(9月15日)
「Inhalation therapy for patients with bronchial asthma during the COVID-19 pandemic: appropriate instructions amidst infectious disease spread」
深見彩乃(9月15日)
「Involvement of adrenaline beta2 receptors in clozapine-induced lipid droplet accumulation in 3T3-L1 cells」
五十住優弥(9月15日)
「Involvement of TNF-α/TNFR1 signaling in microglia and glutamatergic neurotransmission of mice exposed to social defeat stress as juveniles」
加藤朱莉(9月15日)
「Effect of lithium on hematopoietic toxicity induced by clozapine in HL-60 cells」
加藤拓真(9月15日)
「Mice with deficiency in Pcdh15, a gene associated with bipolar disorders (BD), exhibit BD-like behaviors and monoaminergic properties」
川合竣也(9月15日)
「Effect of clozapine on cognitive behaviors function and neurotransmitters in a schizophrenia-like mouse model」
木村天音(9月15日)
「Influence of environment adversity during neurodevelopment on future behavioral responses and neuromorphogenesis in astrotactin2 (ASTN2) heterozygous mice」
森川和那(9月15日)
「Involvement of nicotinic acetylcholine receptor α7 subunit in the impairment of social behaviors in mice exposed to social defeat stress as juveniles.」
雄谷拓海(9月15日)
「Comprehensive gene expression analysis of lymphoblastoid cell lines from schizophrenia patients and blood and brain samples from a schizophrenia-like mouse model.」

2024年8月17日~18日

第9回日本薬学教育学会大会

「第9回日本薬学教育学会大会」が、東京薬科大学にて「薬学教育におけるプロフェッショナリズムとは?」をテーマに開催されました。薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)では、従来の「薬剤師としての心構え」と「患者・生活者本位の視点」が「プロフェッショナリズム」として発展されました。医療プロフェッショナリズムでは何をどう教えるか、大学や医療現場からその取り組みがシンポジウムや一般演題にて多く報告されていました。1日目は、大型で猛烈な台風7号の影響で、前日の首都圏をはじめ各地で鉄道の運休、新幹線各線の計画運休などにより、オンラインでの発表もありましたが、薬学教育に関わる参加者との交流や、薬学教育・研究についての討議を行う貴重な情報交換の機会でありました。

当室からは、シンポジウム8「これからの多職種連携教育の学修プログラムと課題を共に考える」にて、野田幸裕が「医療系学部を有さない薬学部における多職種連携教育:他施設との共同による段階的なプログラム」について発表しました。各専門職からの発表後には、情報共有・交換として総合討論が行われました。多職種が連携するチーム医療教育の課題が再確認され、学部教育だけでなく、医療現場での教育連携・協力体制やプラットフォームの構築が必要であると思いました。

(報告者:野田幸裕)

【シンポジウム】
シンポジウム8:これからの多職種連携教育の学修プログラムと課題を共に考える
野田幸裕(8月18日)シンポジスト
「医療系学部を有さない薬学部における多職種連携教育:他施設との共同による段階的なプログラム」

2024年7月6日~7日

医療薬学フォーラム2024/第32回クリニカルファーマシーシンポジウム(熊本)

「医療薬学フォーラム2024/第32回クリニカルファーマシーシンポジウム」が、熊本市民会館シア
ーズホーム夢ホール/熊本市国際交流会館にて開催されました。医薬品開発や臨床業務を含む
医療において、人工知能(AI)やデジタル化(DX)などの導入により、医療環境は大きく変化してい
ます。日本の医療薬科学の歴史と伝統のある本フォーラムでは、『継続と変革の融合 ~新たな絆
で築く、地域社会に貢献する医療薬学~』をテーマに、医療薬科学・薬剤師の継続と変革につい
て議論を交わし、情報交換できた大会でした。
当室からは、野田幸裕がシンポジウム8『薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)
に対応した薬学共用試験OSCEのあり方』のオーガナイザー・座長を務め、同セッションにて発表
を行いました。多数の各専門分野の研究者や薬剤師、学部学生・大学院生がそれぞれの新しい
視点から、意欲的で対面ならではの熱気に満ちた発表と活発な議論が交わされていました。すっ
かり、コロナ禍から脱出した実りある対面での学術集会の場でした。

(報告者:野田幸裕)

【オーガナイザー・座長】
野田幸裕
シンポジウム8「薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)に対応した薬学共用試
験OSCEのあり方」』
野田幸裕
「OverView:新しいコアカリに対応した薬学共用試験 OSCE」

2024年7月6日

第70回日本薬学会東海支部総会・大会(名古屋)

「第70回日本薬学会東海支部総会・大会」が金城学院大学薬学部にて開催されました。本会では、化学系薬学、生物系薬学、物理系薬学、医療系薬学等に関する研究者が130名以上参加し、いずれのセッションでも活発に討論されていました。

当室からは学部6年の木村天音が一般演題(口頭発表)「Astn2遺伝子変異マウスの幼若期における社会的敗北ストレス負荷による高次脳機能と神経発達への影響」と題して発表を行いました。発表後の質疑とコメントでは、社会的敗北ストレスモデルマウスの作製方法やAstn2の機能について質問をいただき、自身の研究の本質について再考する貴重な機会となりました。

本会で得られた知見を今後の研究活動に活かせるよう、より一層の研鑽を積んでまいります。

(報告者:木村天音)

【口頭発表】
木村天音
「Astn2遺伝子変異マウスの幼若期における社会的敗北ストレス負荷による高次脳機能と神経発達への影響」

2024年3月20日

第144回日本薬理学会近畿部会(大阪)

「第144回日本薬理学会近畿部会」が、大阪医科薬科大学・薬学部(阿武山キャンパス)にて開催されました。午前中は「令和6年学術評議員会・通常総会」、「第17回江橋節郎賞授賞式・受賞講演」、午後からは「第39回学術奨励賞授賞式・受賞講演」がWebとの同時開催で行われました。

当室からは、野田幸裕が一般演題(口頭)中枢神経系(1)のセッションにおいて座長を務め、同セッションにて発表を行いました。190名を超える学部学生・大学院生や若手研究者がそれぞれの専門分野での新しい視点から、意欲的で対面ならではの熱気に満ちた発表と活発な議論が交わされていました。なお、本部会にはオンライン参加者(約170名)と合わせて、約360名が参加し、盛会のうちに終了しました。

日本薬理学会近畿部会は、薬理学会地方部会の中でも歴史と伝統ある最も身近な学会であります。第143回の名古屋-第144回の大阪-第145回の広島での対面での開催を経て、コロナ禍から脱出した実りある対面での学術集会の場となっていくと思います。

(報告者:野田幸裕)

【座長】
野田幸裕
「一般演題(口頭)中枢神経系(1)」
【口頭発表】
野田幸裕
「フェンシクリジン連続投与マウスの社会性および認知行動におけるニコチン性アセチルコリン受容体の役割」

2023年12月15日

第97回日本薬理学会年会/第44回日本臨床薬理学会学術総会(神戸)

第97回日本薬理学会年会/第44回日本臨床薬理学会学術総会が、神戸(神戸国際会議場・神戸国際展示場)にて「いのちと科学を薬でむすぶ」をテーマに同時期開催されました。

当室からは、野田幸裕が一般演題(口頭) 中枢神経系(2)のセッションにおいて座長を務めました。1,700名を超える基礎・臨床薬理学研究者が一堂に会し、いずれのセッションでも活発な討論が行われました。日本薬理学会年会では、これら薬を取り巻く幅広い分野の研究者が一堂に会し、討論・意見交換し、さらに最新の研究に関する情報を提供することによって、融合領域を含む薬理学のさらなる発展に寄与することを目指しています。現在の研究テーマである脳炎症と精神疾患に関する分子生物学や臨床医学の最新の情報、また、日本臨床薬理学会主催の演題から、基礎と臨床の間のギャップを埋めるためのトランスレーショナル・リバーストランスレーショナルリサーチの現状について学ぶことができました。

(報告者:野田幸裕)

【座長】
野田幸裕(12月15日)
一般演題(口頭) 中枢神経系(2)

2023年12月6日

第16回日地域連携薬剤管理指導研究会(ONLINE)

「第16回地域連携薬剤管理指導研究会」が「精神科領域(せん妄、うつなどの薬物治療、薬薬連携について)」をテーマにオンライン開催されました。本研究会は地域連携薬剤管理指導研究会、愛知県薬剤師会、特定非営利活動法人 医薬品適正使用推進機構、およびMeiji Seika ファルマ株式会社の共催、愛知県薬剤師会および名古屋市薬剤師会の後援で行われました。

当室の野田幸裕教授が地域連携薬剤管理指導研究会の世話人代表として、開催の挨拶と講演①と②の座長を務められました。講演①では地方都市の単科精神科病院の地域医療連携、講演②では大学病院におけるせん妄対策、講演③では薬剤師が知っておくべきうつ・不安症の薬物療法と、地域連携や薬物選択方法についてわかりやすく解説され、大変興味深いものでした。普段の研究室生活では関わることのない、より専門的な臨床現場でご活躍される先生方のご講演を拝聴することは、自身の「耳学」へと繋がり大変刺激になりました。コロナ禍を経てオンライン開催が普及した現状を上手く活用しながら、多くの「耳学」を積極的に取り入れていきたいと思います。

(報告者:中村真理子)

【座長】
野田幸裕

2023年9月16~17日

第7回日本精神薬学会総会・学術集会(岡山)

「第7回日本精神薬学会総会・学術集会」が『薬と心と社会をつなぐ精神科薬物療法』をテーマに、岡山大学の創立五十周年記念館および一般教育棟にて開催されました。COVID-19の流行により過去3年間のWEB開催を経て、本会は「晴れの国 岡山」にて現地開催されました。全国より精神薬学を専門とする薬局・病院の臨床薬剤師や大学・企業の基礎研究者・教員・学生が一堂に集い、熱心な討論が交わされました。

当室からは、シンポジウム1「精神科薬物治療におけるポリファーマシーのマネージメント」において野田幸裕教授がオーガナイザー・座長を務め、野田幸裕教授は「精神科薬物療法におけるポリファーマシー:概要」として、日本の精神疾患に対する薬物療法が海外に比べてポリファーマシーの処方率が高いことを紹介しました。肥田裕丈研究員は「うつ病治療におけるポリファーマシーを整理する」と題して、抗うつ薬のポリファーマシー対策と適正使用について発表しました。各講演後には多数の質疑応答がありました。向精神薬の効能を正しく理解すること、ポリファーマシーでは治療効果と副作用を注意深く監視し、有益性を確保すること、向精神薬の減量は適切に行うことの重要性を共有しました。

吉見 陽はワークショップ1「PCP研究会企画 より良い薬物治療を考えよう―「症例検討」うつ病―」の演者を務めました。当日に追加の参加者があり、日本精神薬学会の鍋島俊隆顧問がファシリテーターを快く引き受けてくださり、6グループ(36名)にて『糖尿病治療中のうつ病』の治療について活発な議論が交わされました。薬局・病院で働く精神科薬剤師が、提示症例の問題点に対して治療指針(ガイドライン)やエビデンス(薬理学的・薬物動態学的特徴、忍容性・安全性プロファイルなど)に基づいた介入プランを立案しました。日常臨床で遭遇する症例の治療について、薬剤師の視点から他の職種(医師や看護師など)と協議する際に、どのような根拠に基づくものか再確認・整理しておくことにより、自信を持って意見を提案することができるようになると考えています。

2024年度は昭和大学上條記念館(東京)で「無限の可能性を求めて創る精神科薬薬連携〜さあ、Next Stageへ〜」をテーマに開催される予定です。今回は懇親会の開催が見送られましたが、次回は学術集会での活発な討論の後に懇親会でリラックスした雰囲気の中で歓談できることを楽しみにしています。

(報告者:吉見 陽)

【オーガナイザー・座長】
野田幸裕(9月16日)
シンポジウム1「精神科薬物治療におけるポリファーマシーのマネージメント」
【シンポジウム】
野田幸裕(9月16日)シンポジスト(シンポジウム1)
「精神科薬物療法におけるポリファーマシー:概要」
肥田裕丈(9月16日)シンポジスト(シンポジウム1)
「うつ病治療におけるポリファーマシーを整理する」
【ワークショップ】
吉見 陽(9月16日)演者(ワークショップ1)
「PCP研究会企画 より良い薬物治療を考えよう―「症例検討」うつ病―」

2023年7月20日

令和4年度助成研究発表会(東京)

2023年7月20日、京王プラザホテルにて、「令和4年度助成研究発表会」が開催されました。

ストレス関連疾患のひとつであるうつ病患者では、認知機能障害が認められます。この障害は、うつ病治療薬による抑うつ症状の寛解後も残存し、患者の社会復帰に影響を与えます。当室からは、野田幸裕が幼若期社会的敗北ストレスマウスを用いた社会性行動障害の発現機序に関する研究成果について発表いたしました。また、「喫煙と精神機能・行動 D-1」のセッションの座長も務めました。当室の研究成果の発表後には、社会性行動障害におけるニコチン受容体α7とα4β2サブユニットの役割の相違について質疑応答があり、熱心に聴き入る参加者の姿が見受けられました。幼少期でのストレス負荷後に認められる成長後の不安やうつ様症状は、成体期でのストレス負荷後に認められるうつ様症状とは臨床的に異なることを助言頂きました。実験の妥当性や信頼性、治療薬の作用機序や特性などを吟味し、今後の研究活動に繋げたいと思いました。

(報告者:野田幸裕)

【口頭発表】
野田幸裕「ストレスとレジリエンスを制御するニコチン関連分子・神経回路」

【座長】
野田幸裕「喫煙と精神機能・行動D-1」

2023年6月25日

第143回日本薬理学会近畿部会 市民公開講座(名古屋)

「第143回日本薬理学会近畿部会 市民公開講座」が、名城大学八事キャンパス ライフサイエンスホールにて、特定非営利活動法人医薬品適正使用推進機構(NPO J-DO)の後援を得て開催されました。

講師として加藤雅士教授(名城大学情報センター・農学部)をお招きし、「愛知の発酵食品の魅力:健康と美食と文化から考える」と題して、愛知県が誇る多様な発酵食品の魅力を健康と美食、文化の観点からご講演いただきました。講演には100名近い地域の方々が参加され、愛知県の特産品である味噌や酒、醤油、味醂、酢などの発酵食品についてのお話に熱心に聞き入っていました。特に、「薬学では敵とされる微生物も農学の分野ではなくてはならないものである」という言葉が印象に残り、微生物が日本の伝統文化の一つである和食と日本人の健康を陰から支えていることを知りました。

講演の前後には、加藤教授が手掛けた名城大学オリジナルブランド清酒である「華名城(はなのしろ)」の試飲会が行われ、参加者の方々は3種類の味の違いを楽しんでいました。薬剤師として薬だけでなく、食生活の面からも健康をサポートすることの重要性を改めて感じるきっかけとなりました。

(報告者:若原和生)

2023年6月24日

第143回日本薬理学会近畿部会(名古屋)

「第143回日本薬理学会近畿部会」が、ウインクあいち(愛知県産業労働センター)にて開催されました。

当室の野田幸裕教授が部会長、吉見 陽准教授が事務局長を務められた本部会では、東海地区の地域薬局や医療系企業の協賛、特定非営利活動法人医薬品適正使用推進機構(NPO J-DO)の後援を頂き、開催されました。近畿地区の薬理学研究者を中心に250名以上が参加し、計79題の演題が各セッションにて発表され、活発な討論が行われました。

当室からは学部6年の小野舞子、片田ひかり、川島菜月、黒田純輝、若原和生が学生口演にて発表を行いました。当室の学生が発表したいずれの演題も多くの薬理学研究者の方々からご質問やコメントがあり、大変盛況でした。統合失調症様モデルマウスの血漿におけるクロザピン反応性タンパク質の同定に関する若原の発表では、クロザピンによる免疫機能障害の発生機序や無顆粒球症患者における罹患しやすい感染症に関する質疑をいただき、クロザピンの副作用発現に関わる研究の重要性を改めて感じました。口演終了後には情報交換会も開催され、100名以上が参加し、歓談も交えながら研究成果について積極的に意見交換を行うことで、新たな知見を得る機会となりました。本学会に参加したことで、病態や薬物の作用機序を解明するためには、多角的な視点から検討していくことが重要であることを学び、今後の研究課題も見つけることができました。本学会で学んだことを研究活動に活かし、さらに努力していきたいと思います。

なお、本部会において、川島菜月および片田ひかりが第143回日本薬理学会近畿部会優秀発表賞を受賞しました。

(報告者:若原和生)

【口頭発表】
小野舞子
「レット症候群モデル神経細胞表現型スクリーニングから見出された候補化合物の連続投与マウスの行動学的特徴」
片田ひかり
「幼若期社会的敗北ストレス負荷による社会性行動障害発現におけるミクログリアとTNF-αの関与」
川島菜月
「幼若期社会的敗北ストレス負荷マウスの社会性行動障害におけるニコチン関連化合物の影響」
黒田純輝
「Astn2 遺伝子変異と新生仔期免疫活性化の複合曝露による高次脳機能への影響」
若原和生
「統合失調症様モデルマウスの血漿におけるクロザピン反応性タンパク質の同定」

2023年5月26日~28日

第16回日本緩和医療薬学会年会:The 16th Annual Meeting of Japanese Society for Pharmaceutical Palliative Care and Sciences(神戸)

「第16回日本緩和医療薬学会年会」が『持続可能な発展に向けた緩和医療薬学の未来予想図を描く』をテーマに、神戸の神戸国際会議場および神戸商工会議所会館にて開催されました。緩和医療は、がん疾患だけではなく生命を脅かすあらゆる疾患に苦悩する患者や家族の生活の質の向上を目指すものです。本学会は、『日本において益々高まる緩和医療の重要性を鑑み、保険薬局薬剤師、病院薬剤師、薬学研究者の連携強化を図り、緩和医療における薬物療法の推進と充実、さらに大学での教育研究と企業での開発・学術研究の進捗発展を目的とする』学術団体です。2007年の設立から15年で会員数は4000名規模となり、本邦の緩和医療を牽引する組織の一つとなっています。本会は4年ぶりの全面的な対面開催で、どこの会場も立ち見で、会場に入室できないほどの参加者でした。

当室からは、野田幸裕教授がシンポジウム14「がん患者のトータルペインに迫る精神科的アプローチ」、博士課程4年の中村真理子が一般演題(口頭)にて発表を行いました。拝聴した山口重樹先生(獨協医科大学 麻酔科学講座)の教育講演1「緩和薬物治療の現在標準と将来展望:適切な痛みの薬物療法を再考する」では、慢性疼痛は薬物治療が慢性化しやすいように思われがちですが、『慢性薬物治療』ではないこと、慢性疼痛におけるアドヒアランス不良は単に飲み忘れではなく、疼痛症状の改善による場合が多いため、『アドヒアランス』を適切に考える必要があることを認識した講演でした。緩和医療領域への学会参加は今回が初めてでしたが、緩和医療の根本的な考え方から社会環境まで、幅広く知見を深める機会となりました。野田教授のご発表にもあったように、まずは向精神薬を通して緩和医療の臨床現場へも足を踏み入れられるよう精進します。

(報告者:中村真理子)

【シンポジウム】
野田幸裕(5月28日)
「がん医療における向精神薬の適正使用」
【一般演題(口頭)】
中村真理子(5月27日)
「がん疼痛治療におけるオキシコドンの薬物動態学的多様性に基づく効果的な疼痛管理」

2023年5月7日~10日

第34回国際神経精神薬理学会:34th CINP World Congress Neuropsychopharmacology(CINP 2023)(モントリオール)

「34th CINP World Congress Neuropsychopharmacology(CINP 2023)」が最新の研究の発展や新しい治療法、新しい臨床ニーズや問題点について学び、世界中の研究者とコミュニケーション・協力・ネットワークを築くことをテーマに、カナダ モンテリオールのFairmont The Queen Elizabethにて開催されました。COVID-19の影響で本会は3年間のバーチャル開催を経て、今回ようやく対面開催が実現し、大盛会でした。

当室からは、野田幸裕教授と博士課程4年の中村真理子が一般演題(ポスター)にて発表を行いました。国際学会に対面で参加するのは初めてであり、国際学会の華やかさや世界中の研究者と直接討論できることに感銘し、何ものにも代え難い経験となりました。拝聴した講演発表と議論を通し、精神疾患の病態の解明やその治療薬の開発の目的は患者の社会復帰であり、これは世界共通であると実感しました。

なお、本会において中村真理子はCINP 34th Congress Student Encouragement AwardおよびJSNP Excellent Presentation Award for CINP 2023を受賞しました。この受賞は、今後の研究の活力になり、世界共通語である英語のスキル向上に益々精進していきたいと思います。

(報告者:中村真理子)

【一般演題(ポスター)】
Yukihiro Noda(5月9日)
「Dual Role of Nicotine in Therapeutic and Addictive Effect in Schizophrenia: A Convergent Approach Based on Clinical and Basic Researches」
Mariko Nakamura(5月8日)
「Potential of Serotonin Transporter as a Biomarker in Chronic Orofacial Pain with Depressive Symptoms Before and After Duloxetine-treatment」

2023年3月25日~28日

日本薬学会第143年会(札幌)

「日本薬学会第143年会(札幌)」が『ファーマサイエンス:つながる・つきぬける』をテーマに北海道大学札幌キャンパスを主会場とした現地とWEBでのハイブリッド形式で開催されました。本年会は物理系、化学系、生物系、医療系、臨床系などの多様な学術領域の研究者が一堂に会し、研究成果を発表し議論することで、革新的な医薬品・治療法の創出へ繋げることを目的としています。本年会は実に4年ぶりの現地開催であり、8000名を超える参加者のもと、盛会のうちに終了しました。

当室からは野田幸裕教授、博士課程3年の中村真理子先輩、学部5年の加納正暉が一般演題(ポスター)にて発表を行いました。いずれの発表でも発表時間の終了まで多数の質問を受け、大変盛況でした。今回初めて学会に参加し、臨床薬剤師・研究者それぞれの視点から研究成果の解釈や臨床への還元方法など、多くのご意見をいただくことができました。特に、患者の認知機能に応じ、患者本人だけでなくご家族に対しても吸入指導を行う必要性や患者の治療への不安や意欲がコロナ禍における気管支喘息症状のコントロールに与える影響について、意見交換を行うこともできました。また、領域融合シンポジウム「神経障害性の痛みにおける新しい慢性化メカニズム」では、神経障害性疼痛に対し、中枢における免疫担当細胞が寛解や再発において密接に関与している可能性があるなど新たな知見を得ることができました。

本学会で得られた知見を今後の研究活動や薬剤師外来での吸入指導へ活かせるように努めたいと思います。

(報告者:加納正暉)

【一般ポスター発表】
野田幸裕(3月27日)
「2021年薬学共用試験OSCEの結果解析報告と2022年度OSCE結果の速報」
中村真理子(3月26日)
「クロザピン服用患者におけるCYP2D6遺伝子多型とクロザピンおよびその代謝物の血中濃度や臨床効果・副作用発現との関連性」
加納正暉(3月27日)
「コロナ禍における気管支喘息患者の吸入療法の現状:地域薬局でのアンケート調査」

2022年11月30日〜12月3日

第96回日本薬理学会年会/第43回日本臨床薬理学会学術総会(Japan Basic and Clinical Pharmacology Week:JPW2022, 横浜)

第96回日本薬理学会年会/第43回日本臨床薬理学会学術総会が、パシフィコ横浜にて「つなげよう、つながろう」をテーマに開催されました。本会は、2学会の連携をコアとして基礎から臨床に至る幅広い学問領域に渡る学会との連携を深め、本邦の創薬研究基盤の確立への貢献を目指すため、Japan Basic and Clinical Pharmacology Week(日本薬理学関連学会週間)として開催されました。2,000名を超える基礎・臨床薬理学研究者が一堂に会し、いずれのセッションでも活発な討論が行われました。

当室からは、博士課程2年の吉田樹生が、「幼若期社会的敗北ストレス負荷が脳内免疫系および神経形態に与える影響」と題してポスター発表を行いました。近年、統合失調症や大うつ病性障害など、様々な精神疾患の病態に脳内の免疫系の活性化や神経炎症が関与していることが報告されており、精神疾患の神経炎症仮説が大きな注目を集めています。幼少期におけるストレス曝露が脳内免疫系や神経形態に影響を及ぼす可能性を報告した本発表は、示説の時間の終了後も多数の研究者から質問を受け、大盛況でした。本発表に際し、多数の薬理学研究者とディスカッションでき、貴重なコメントもいただくことができ、今後の研究を客観的に見つめ直すことができました。

本会は、薬理学会及び臨床薬理学会の合同年会であったこともあり、基礎・臨床の両視点から、病態解明や新規治療ターゲットの探索、さらには創薬を目指した研究成果の発表を多数拝聴することができました。このような機会から基礎と臨床の間のギャップを埋めるための橋渡し研究(トランスレーショナル研究・リバーストランスレーショナル研究)の重要性を再確認しました。患者へ研究成果が届けられることを目指して、日々奮闘していきたいと思います。

(報告者:吉田樹生)

【一般ポスター発表】
吉田樹生(12月1日)
「Exposure to social defeat stress as juveniles leads to activated brain immune systems and impaired neuronal morphology」