活動報告

研究活動

基礎・臨床研究で得られた成果は、積極的に国内外の精神神経薬理学、神経科学および医療薬学関連の学会や研究会にて報告し、世界を見据えて広く社会に発信しています。また、招待講演やシンポジウムなどにおいても多数発表を行っています。

2019年4月27~29日

第30回日本医学会総会2019中部(名古屋)

「第30回日本医学会総会2019中部」が名古屋国際会議場/名古屋学院大学白鳥学舎およびウインクあいちにて「医学と医療の深化と広がり~健康長寿社会の実現をめざして~」をテーマに開催されました。本学会は、132の分科会を擁する日本医学会が日本医師会と協力して、4年に一度開催する我が国最大の学会であります。

当室からは野田幸裕教授が薬薬連携シンポジウムのシンポジストとして「薬剤師外来(喘息・COPD吸入療法外来)を通した医療連携」と題して発表しました。発表後の総合討論では、発行された吸入治療連絡せんを実際に患者がどれだけ地域薬局に持ち込み、吸入指導を受けているかについてなど、病院と地域薬局を繋ぐ1つのツールとしての有用性について意見が交わされました。

市民公開講座では、精神科、産婦人科、小児科の専門家による「母子のこころの問題」について最新の研究成果を拝聴しました。日本は急速に高齢化社会を迎えつつあり、その背景には少子化の問題があります。近年、子どもへの虐待がマスメディアで取り上げられ、妊産婦が安心して出産でき、子どもを健やかに育むことのできる体制整備が求められています。少子化時代の妊産婦や不妊・流産女性の心に寄り添いケアすること、家族など周囲の方の理解と協力を得ながら社会全体で子どもを育て守ることの重要性について学ぶことができました。本学会を通して、日本の社会問題やグローバル化する医療に対してどのように多職種で連携していくべきか、薬剤師としてどのようにこれらの問題に立ち向かうべきかを考える良い機会となりました。

(報告者:内田美月)

【シンポジウム】
野田幸裕(4月28日)シンポジスト(薬薬連携シンポジウム):地域包括ケアシステムにおける医療連携の果たす役割~薬剤師の視点から~
「薬剤師外来(喘息・COPD吸入療法外来)を通した医療連携」

2019年3月20日

平成30年度 実務実習教科担当教員会議(東京)

「平成30年度 実務実習教科担当教員会議」が慶應義塾大学薬学部 芝共立キャンパス 1号館地下1階 マルチメディア講堂にて開催されました。

当室の野田幸裕教授が委員長を務められました本会議は、薬学教育協議会が主宰し、講義と実習の内容についての情報交換の場、教科間の壁をこえて教科担当者間で話し合う場として設けられています。また、質の高い授業(講義と実習)の実施に積極的に関わることを目的として開催されています。本会議では、全国から臨床薬学教育や実務実習に関わる80名以上の臨床系職員が一堂に会し、臨床薬学教育・実務実習の現状および臨床系教員に求められている臨床薬学教育や研究・学術活動における課題について活発な議論が交わされました。特に、2月から改訂薬学教育モデルコア・カリキュラムに準拠した実務実習が開始され、その近況と今後の展望について認識することができました。本会議を通じて、臨床系教員が実務実習における質と安全の保証を共通認識することの重要性や薬学生の育成の在り方について見識を深めることができました。

(報告者:内田美月)

次第
(1) 開催の挨拶 
名城大学 野田幸裕
(2) 第103回 薬剤師国家試験問題検討委員会「実務」部会報告
北海道科学大学 佐藤秀紀先生
(3) 講演1「実務実習において学びたい医療安全」 
名古屋大学医学部附属病院 医療の質・安全管理部 梅村 朋先生
(4) 講演2「大学主導型の実務実習の在り方を考える」  
帝京大学 小佐野博史先生
(5) 次回開催案内 
名城大学 野田幸裕
(6) 閉会の挨拶 
名城大学 野田幸裕

2019年3月20~23日

日本薬学会第139年会(千葉)

「日本薬学会第139年会」が、幕張メッセ及びホテルニューオータニ幕張にて「智の継承、そして発展」をテーマに開催されました。

本年会は、薬学の幅広い分野からの参加者が、薬学の教育・研究についての討議を行う貴重な情報交換の場となっています。また、薬学の先人の智を継承し、薬学を新たに発展することに寄与する場でもあります。

当室からは野田幸裕教授が口頭発表の座長を務め、博士課程1年の内田美月は参加体験型学習による児童への薬物乱用防止教育の実践に関するポスター発表を行いました。発表時には、体験実験の具体的な方法と内容や、小学生以外を対象とした薬物乱用防止教育の実施などについて、多数の質疑・ご助言を頂くことができました。薬物乱用は社会的な問題であり、未成年のうちから薬物乱用を事前に防止することが重要です。本年会では薬物乱用防止に関する発表も多数あり、薬物乱用防止への関心の高さを実感しました。今回初めて基礎研究以外の「教育」に関する発表を行い、広い視野と知識を持ったファーマシスト・サイエンティストの第一歩として貴重な経験となりました。

(報告者:内田美月)

【座長】
野田幸裕(3月21日)生物系薬学:中枢・神経系①
【一般学術発表(ポスター)】
内田美月(3月22日)
「参加体験型学習による児童への薬物乱用防止教育の実践」


2019年3月14~16日

第92回日本薬理学会年会(大阪)

「第92回日本薬理学会年会」が、大阪国際会場にて『創造と協奏~薬理学の新たな地平を拓く~』をテーマに開催されました。

本学会は、国際的・学際的・産学的の協奏のなかで未来の薬理学を創生していくための新たな出発点となる重要な位置付けにあります。また、国際社会の中で生命科学の諸分野との連携や産学官の共同体制をもとに医療の充実と発展に寄与する学会でもあります。

当室からは野田幸裕教授は日本毒性学会との共催シンポジウムのシンポジストとして、発達期の神経障害に伴う精神行動障害の発現機序に関する発表を行いました。博士課程1年の内田美月と学部4年の吉田樹生は、学部生、大学院生や若手研究者に運営を委ねた研究発表会である学生セッションにて口頭発表し、吉田樹生は一般演題でのポスター発表も行いました。ストレス疾患モデルマウスの社会性行動障害におけるニコチン性アセチルコリン受容体を介する分子機序に関する内田の発表では、モデルマウスの作製方法や社会性行動における海馬の役割などについて、多数の質疑・ご意見を頂くことができました。幼若期社会的敗北ストレス負荷マウスの社会性行動障害におけるグルタミン酸受容体に関する吉田の発表では、幼若期と成体期のストレス負荷におけるグルタミン酸受容体の機能変化の相違などについて、多数の質疑を頂くことができました。次世代の薬理学の分野を担う若き研究者の研究成果や質疑応答を拝聴し、大変貴重で有意義な学会となりました。今回受けた刺激をもとに、自己の研究および薬理学の分野の発展を目標として、今後も研究に精進していきたいと思います。

(報告者:内田美月)

【共催シンポジウム】
野田幸裕(3月14日)
「Developmental mechanism of psychiatric disorders: psychobehavioral impairments according to neurodevelopmental abnomalities」
【学生セッション】
内田美月(3月14日)
「Involvement of nicotinic acetylcholine receptor-signaling in the impairment of social behavior in the stressed mice」
吉田樹生(3月14日)
「Involvement of glutamate receptors in the impairment of social behaviors induced by social defeat stress exposure as juveniles」
【一般演題(ポスター)】
吉田樹生(3月16日)
「Involvement of glutamate receptors in the impairment of social behaviors induced by social defeat stress exposure as juveniles」

2019年3月13日

第28回神経行動薬理若手研究者の集い(兵庫)

「第28回神経行動薬理若手研究者の集い」が、兵庫医科大学にて「行動表現をひも解く神経基盤と解剖学的アプローチ」をテーマに開催されました。

本会は「第92回薬理学会年会」のサテライト研究会であり、神経薬理学の先端的な成果と行動薬理学的な手法を結びつけた研究をプロモートし大きく育てる場です。また、臨床病態での脳機能異常を脳内伝達物質の動態と相互作用から解明し、生理機構の解明と創薬に役立つ研究の討論の場を提供するとともに若手研究者の育成を目的としています。

当室からは、学部4年の吉田樹生が一般演題にて、幼若期社会的敗北ストレス負荷による社会性行動障害に対するグルタミン酸受容体の関与について口頭発表を行いました。発表後には、幼若期に社会的敗北ストレスを負荷した場合の成体期での変化や、抗うつ薬としてケタミンを使用した場合の予想される副作用などについて、多くのご質問を頂くことができました。本会では、神経活動や脳活動のイメージングの手法や食品、漢方が神経機能に与える影響など幅広い分野について見聞を深めることができました。今回経験したことを今後の研究活動の糧として、より一層努力していきたいと思います。

なお、本会口頭発表において、吉田樹生は優秀発表賞を受賞しました。

(報告者:吉田樹生)

【口頭発表】
吉田樹生
「幼若期社会的敗北ストレス負荷による社会性行動障害に対するグルタミン酸受容体の関与」

2018年12月1日

第23回グリア研究会(名古屋)

第23回グリア研究会がミッドランドスクエア オフィスタワー5F「ミッドランドホール」にて開催されました。神経細胞の10倍以上も脳内に存在するグリア細胞は、神経細胞の脇役とされてきました。近年、研究技術の向上により、受容体の発現やシナプスの構築など様々な機能が解明されています。こうしたグリア研究において日本は世界でもトップクラスに位置しており、その支えにはこうした研究会による研鑽があります。本研究会では、グリア細胞に関する基礎研究ならびに臨床研究の研究報告が行われました。

当室からは、博士課程4年の長谷川章と博士課程2年の伊藤貴博、博士課程1年の内田美月が口頭発表を行いました。発表後の討論では、グリアを専門に研究されている先生方から発表内容に対する質疑だけではなく、研究に対するアドバイスやコメントなどを頂き、活発な意見交換ができました。グリア細胞と神経細胞の相互作用が脳の可塑的変化のカギを握ると神経科学の分野において明らかとなってきました。神経変性疾患だけでなく、精神疾患の発症機序におけるグリア細胞の役割が注目されていますが、グリア細胞は神経新生の観点からも重要な役割を果たしています。本研究会を通して、グリア細胞の再生能を利用した精神疾患の治療への応用や神経細胞の発生・変性に与える影響について学ぶことができました。今後はグリア細胞にも着目した研究に着手していきたいと思いました。

(報告者:内田美月)

 

【口頭発表】
Session 2 “Astrocyte 1”
内田美月
「Involvement of glial glutamate transporter in psychobehavioral abnormalities of mice administered phencyclidine repeatedly」
伊藤貴博
「Astrotactin2, a glial-guided neuronal migration-related molecule regulates emotional and cognitive functions」
Session 3 “Astrocyte 2, Others”
長谷川章
「Deficient glial glutamate transporter in neurodevelopment cause memory impairment associated with morphological changes」

2018年11月25日

ロナセン10周年記念講演会 最新の精神薬理アワー(東京)

「ロナセン10周年記念講演会 最新の精神薬理アワー」が、フォーシーズンズホテル東京にて開催されました。講演会は、ロナセンの発売10周年を記念して開催され、開発、臨床に関わった関係者が多数参加していました。当室からは野田幸裕教授が招待講演として、「第二世代抗精神病薬のブロナンセリンの創薬と最新の知見」と題して講演を行いました。探索研究から開発・誕生までの経緯と最新の知見を紹介しました。

(報告者:野田幸裕)

【招待講演】
野田幸裕(11月25日)招待演者1
「第二世代抗精神病薬のブロナンセリンの創薬と最新の知見」

2018年11月24~25日

第13回医療の質・安全学会学術集会(名古屋)

 

「第13回医療の質・安全学会学術集会」が、名古屋国際会議場にて「クリニカル・ガバナンスの確立を目指して-質・安全学を基軸とする医療への移行-」をテーマに開催されました。本集会では患者安全を一歩前進させるために、クリニカル・ガバナンスの考え方を鮮明にすることを目的としていました。

当室からは野田幸裕教授がシンポジウムK-24のシンポジストとして、「薬学生における医療安全教育としての医療シミュレーション教育の実践」と題して発表しました。発表後には、学部教育で行った多職種連携教育やシミュレーション教育のアウトカムについて質疑がありました。学部での多職種連携教育やシミュレーション教育によって、職種間の障壁が緩和されること、医療安全への意識が高まることを紹介しました。他のシンポジストからは、「院内急変対応に関するPDCAサイクル」「教育の質向上、質を担保するためのインストラクショナルデザイン」「看護教育におけるシミュレーション教育」「リカレント教育プログラム」について、医療安全の担保の視点から紹介されました。一方、先日の第28回日本医療薬学会年会でも取り上げられていました睡眠薬による転倒・転落やせん妄について、多数の一般演題がありました。これらの発表から、医療現場での医療の質・安全の重要性を知る良い機会となりました。

(報告者:野田幸裕)

【シンポジウム】
野田幸裕(11月25日)シンポジスト(シンポジウムK-24)
シンポジウムK-24:医療の質向上、安全性担保のためのシミュレーション教育
「薬学生における医療安全教育としての医療シミュレーション教育の実践」

2018年11月23~25日

第28回日本医療薬学会年会(兵庫)

「第28回日本医療薬学会年会」が、神戸国際会議場・神戸国際展示場・神戸ポートピアホテル本館にて、「医療薬学の持続的進化のための新たなパラダイムの構築~教育・臨床業務・研究~」をテーマに開催されました。医療現場の高度化に伴い、薬剤師の役割が大きく変革し、薬物治療の安全性・有効性に寄与する必要があります。こうした背景の中で本大会は、医療薬学領域での研究成果を上げることができる次世代を担う人材を育成し、薬剤師の未来を築くことを目的としています。

当室からは、野田幸裕教授と学部5年の蛯江裕美が、一般演題においてポスター発表を行いました。「精巣胚細胞腫瘍に対する低用量シスプラチン分割投与におけるアプレピタントによる制吐療法の有効性に関する調査」の発表では、臨床薬剤師の方々から多くのご質問を頂きました。催吐性リスクの異なる抗がん剤の組み合わせによる悪心・嘔吐に差はあるのか、シスプラチン分割投与における体内蓄積性による悪心・嘔吐なのかどうかなど、今後の研究内容を見つめ直す良い機会となりました。その他、オランザピンの使用状況調査やアプレピタントの相互作用など制吐支持療法に関する演題が多く、今後の臨床活動のみならず、将来、臨床薬剤師として行う臨床活動の参考となる大変有意義な学会になりました。

(報告者:蛯江裕美)

【ポスター発表】
野田幸裕「カテゴリー:薬学教育(その他)」(11月23日)
「医療系学部を有さない薬学部における多職種連携教育の実践:段階・継続的教育プログラム」
蛯江裕美「カテゴリー:がん化学療法(制吐支持療法)」(11月24日)
「精巣胚細胞腫瘍に対する低用量シスプラチン分割投与におけるアプレピタントによる制吐療法の有効性に関する調査」

2018年11月23日

第134回日本薬理学会 近畿部会(兵庫)

「第134回日本薬理学会 近畿部会」が、神戸学院大学ポートアイランドキャンパスにて開催されました。本部会では、大学の薬理学、薬物治療学、臨床薬学教室および病院の薬剤師部の先生方はもとより、薬理学に興味をお持ちの企業研究者、医療関係者が参加していました。

当室からは、学部5年の高須光平が一般演題にて口頭発表を行いました。周産期や幼若期の環境的要因暴露による精神疾患発症のprostaglandin E₂の関与に関する発表では、prostaglandin E₂の末梢投与が中枢における影響や機序はどのようなものを考察しているか、周産期や幼若期のprostaglandin E₂発現量上昇は成体期においても持続した影響があるかなど、多くのご質問を頂くことができました。本学会では、自分の研究とは異なる様々な分野の研究について触れることで見聞を広げることができました。本学会で経験したことを今後の研究の糧にして、今後さらに努力していきたいと思います。

(報告者:高須光平)

【口頭発表】
高須光平
「周産期や幼若期の環境的要因暴露により惹起される精神行動異常におけるprostaglandin E₂の関与」

2018年11月14~16日

第28回日本臨床精神神経薬理学会・第48回日本神経精神薬理学会 合同年会(東京)

「第28回日本臨床精神神経薬理学会・第48回日本神経精神薬理学会 合同年会」が、東京ドームホテルにて「精神神経薬理学のイノベーション創出」をテーマに開催されました。

患者が望む社会生活や主観的満足感の改善を目指した個別化医療の実現には、従来の疾患あるいは治療評価方法だけでなく、患者の望む治療目標に合わせたアウトカムメジャーの開発やレギュラトリーサイエンスの推進が必要不可欠となります。このような患者アンメットニーズに応えていくために、基礎と臨床が協同して新たなイノベーションを創出していく、これが本合同年会の目的として様々なプログラムが企画されておりました。

本合同年会において、研究員の肥田裕丈先生が口頭発表を、博士課程2年の伊藤貴博と学部6年の平松愉加がポスター発表を行いました。いずれの発表においても活発な討論がなされており、発表終了後までも実験方法や結果の質疑や、研究の考察について意見交換があり、大変盛況でした。

精神神経疾患の病態解明や診断方法、治療方法の確立を目指した各シンポジウムにおける発表は大変エキサイティングでした。例えば、数えきれないほど存在する精神神経疾患関連遺伝子のプロファイルを数学的に解析することで、患者個人ごとでの詳細な病態像を把握する技術の確立や、レーザー顕微鏡を用いて時空間的にミクログリアを捉えることによる新たな生理機能の発見など、既存の技術をアイデアで新しいものに変えていく発想がありました。こうした発想力を生んだ根源として、先人の定説や実験技術への深い理解や考察がありました。新しいものを世界に発信するために必要な「発想力」、これを磨くために、まずは現時点で持ち合わせている情報・技術を見つめ直すことが重要であることを再認識しました。なお、本大会ポスター発表にて、伊藤貴博が優秀プレゼンテーション賞を受賞しました。

(報告者:伊藤貴博、平松愉加)

【口頭発表】
肥田裕丈(11月16日)
「統合失調症様モデルマウスの社会性行動障害に対するブロナンセリンの作用:ドパミンD3受容体の関与」

【ポスター発表】
平松愉加(11月16日)
「ストレス負荷による社会性行動障害の発現におけるプロテインキナーゼCによるセロトニン伝達制御機構」
伊藤貴博(11月16日)
「情動・認知機能におけるグリア誘導性ニューロン移動関連分子のアストロタクチン2の役割」

2018年10月27~28日

第34回日本ストレス学会学術総会(名古屋)

「第34回日本ストレス学会学術総会」が、名城大学ナゴヤドーム前キャンパスにて「ストレスの多面的解釈に向けて~基礎からマネジメントまで~」をテーマに開催されました。本学会では、心身医学領域、精神科領域、心理学領域、およびコメディカル領域からの疑問と基礎研究の知見を統合して、適切なストレスマネジメントに繋げること、ストレスとは何かを多面的に知ることを目的としていました。

当室からは野田幸裕教授がシンポジウム1の座長とシンポジウム7のシンポジストとして、「ストレスに関連する生物学的マーカーの探索と生物学的マーカーに対する向精神薬の影響」と題して発表しました。発表後の総合討論では、自動車運転における適度なストレスの必要性について、向精神薬服用後の自動車運転がどこまで規制されるべきかについてなど、患者の社会復帰を考えた上での問題点を踏まえた活発な討論が行われました。一方、教育セミナー2では、ストレスと睡眠の関係について拝聴しました。多くの精神障害で頻発する睡眠障害は、認知機能や情動、耐糖能、心循環系、免疫機能に悪影響を及ぼします。実症例を挙げた講演では、睡眠・覚醒サイクルを整えるための生活習慣の見直し方や睡眠衛生面のアドバイスの方法について学ぶことができました。ストレスは現代社会のライフスタイルと切り離すことのできないものであり、ストレスマネジメントの重要性を知る良い機会となりました。

(報告者:内田美月)

【シンポジウム】
野田幸裕(10月27日)座長(シンポジウム1)
「もっと知りたい!医療統計」
野田幸裕(10月28日)シンポジスト(シンポジウム7)
シンポジウム7:職域のメンタルヘルスにおける現状と課題:ストレス健診法制化や自動車事故新法施行後の状況を踏まえて」
「ストレスに関連する生物学的マーカーの探索と生物学的マーカーに対する向精神薬の影響」

2018年9月15~16日

第2回日本精神薬学会総会・学術集会(名古屋)

「第2回日本精神薬学会総会・学術集会」が、名城大学八事キャンパス薬学部にて「基礎と臨床知識から薬を使い育てる精神科薬剤師~多職種との相互理解を深める~」をテーマに開催されました。

当室の野田幸裕教授が大会長、吉見 陽助教が事務局長を務められた本総会・学術集会は、東海地区の大学病院・地域病院や地域薬局との協働、医療系や出版企業の協賛、多数の医・薬学系学会の後援によって開催されました。2日間を通して、薬剤師を中心に、医師や精神保健福祉士、薬学生500名以上が参加し、各セッションにおいて活発な討論が行われました。

本総会・学術集会において、野田幸裕教授がランチョンセミナー3の座長やワークショップ1、およびワークショップ2の企画運営者を、吉見 陽助教がシンポジウム2、研究員の宮崎雅之先生がシンポジウム1の座長、研究員の加藤博史先生が口頭発表(学生)2の座長を務められました。また、研究員の岸 里奈先生と宮崎雅之先生が、精神科以外の他領域における向精神薬の適正使用をテーマに行われたシンポジウム1において妊婦授乳婦やがん化学療法、緩和薬物療法における向精神薬の適正使用について、吉見 陽助教と研究員の肥田裕丈先生が、精神科薬剤師による臨床・教育・研究をテーマにしたシンポジウム3において、精神科薬剤師によるトランスレーショナルリサーチや基礎研究への取り組みについて発表しました。さらに、野田幸裕教授、吉見 陽助教、肥田裕丈先生、博士課程1年の内田美月先輩、学部6年の磯村優希、田代侑子、学部5年の中村真理子、溝口莉菜がポスター発表、博士課程4年の長谷川章先輩、博士課程2年の伊藤貴博先輩、学部6年の添田光輝、平松愉加、村川依代、林 千裕、髙木修平(衛生化学研究室アドバンスト学生)が口頭発表を行いました。

本総会・学術集会では、基礎・臨床における最新の知見を学ぶだけでなく、臨床現場で積極的に精神科医療に介入・支援できるようなワークショップも企画されていました。向精神薬や睡眠薬の適正使用の重要性や、入院患者の地域移行支援における薬剤師の役割について、臨床現場で活躍されている薬剤師をはじめ、医師や精神保健福祉士など多職種の講演も拝聴でき、多角的に知識を広げることができました。近い将来に到来するAI(人工知能)時代では、現在の薬剤師の業務の約3分の2がAIにとって代わることが予想されています。知識を得るだけでなく、薬を使い育てることをテーマとした本総会・学術集会は、薬剤師の未来の存在意義を創りだす大きな一歩になりました。

なお、本総会・学術集会において、吉見 陽助教と肥田裕丈先生が精神科領域で活躍する薬剤師の研究支援を目的に新たに設けられた2018年度鍋島学術奨励賞と2018年度日本精神薬学賞、磯村優希、平松愉加、および中村真理子が2018年度日本精神薬学賞、伊藤貴博先輩、内田美月先輩、田代侑子、林 千裕、村川依代、および髙木修平が第2回日本精神薬学会総会・学術集会優秀発表賞を受賞しました。

(報告者:桒名諒美、城間由奈、山口修外)

 

【ランチョンセミナー】

野田幸裕(9月15日)座長(ランチョンセミナー3)

「睡眠障害に着目した精神障害の診断と治療」

 

【シンポジウム】

吉見 陽(9月15日)座長(シンポジウム2)

「睡眠障害を知って適切な治療を考える」

宮崎雅之(9月15日)座長/シンポジスト(シンポジウム1)

シンポジウム1:精神科以外の他領域(老年・がん・妊婦・小児など)における向精神薬の適正使用

「がん化学療法および緩和薬物療法における向精神薬の適正使用」

岸 里奈(9月15日)シンポジスト(シンポジウム1)

シンポジウム1:精神科以外の他領域(老年・がん・妊婦・小児など)における向精神薬の適正使用

「妊婦・授乳婦における向精神薬の適正使用」

吉見 陽(9月16日)シンポジスト(シンポジウム3)

シンポジウム3:精神科薬剤師による臨床・教育・研究

「精神科薬剤師による基礎・臨床の架け橋となる取り組み」

肥田裕丈(9月16日)シンポジスト(シンポジウム3)

シンポジウム3:精神科薬剤師による臨床・教育・研究

「精神科薬剤師による基礎研究への取り組み」

 

【ワークショップ】

野田幸裕(9月15日)企画/運営

「ワークショップ1:第2回 向精神薬の減薬・減量ガイドライン構築のためのワークショップ」

野田幸裕(9月16日)企画/運営

「ワークショップ2:精神疾患患者さんの声を聞こう!~偏見をなくすために~」

 

【ポスター発表】

磯村優希(9月15日)

「統合失調症様モデルマウスにおける社会的認知行動の評価」

肥田裕丈(9月15日)

「統合失調症様モデル動物の認知機能障害に対するドパミンD2/D3およびセロトニン5-HT2A受容体拮抗薬ブロナンセリンの作用」

内田美月(9月15日)

「グルタミン酸トランスポーター(GLAST)と認知機能の関連」

吉見 陽(9月15日)

「プロテオーム解析による統合失調症の末梢バイオマーカーの探索と臨床応用性の検証」

田代侑子(9月15日)

「クロザピン反応性代謝物の細胞毒性における酸化ストレスによるグルタチオン代謝」

中村真理子(9月15日)

「クロザピン服用患者における血漿中濃度とCYP2D6遺伝子多型との関連解析」

野田幸裕(9月15日)

「ドライビングシミュレータを用いた運転課題によるストレス負荷や向精神薬服用が血漿中脳由来神経栄養因子(BDNF)濃度に与える影響」

溝口莉菜(9月15日)

「向精神薬のSCAP法を用いた減薬・減量に関するワークショップの有用性に関するアンケート調査」

 

【口頭発表】

加藤博史(9月16日)座長(口頭発表(学生)2)

「統合失調症・抗精神病薬・その他」

添田光輝(9月16日)

「統合失調症様モデルマウスにおける精神行動に与えるニコチン投与の影響」

伊藤貴博(9月16日)

「グリア誘導性ニューロン移動関連分子のアストロタクチン2の情動性における役割」

長谷川章(9月16日)

「幼若期社会的敗北ストレス負荷による治療抵抗性の社会性行動障害におけるモノアミン作動性神経系の機能異常」

平松愉加(9月16日)

「ストレス負荷マウスの社会性行動障害におけるプロテインキナーゼCを介したセロトニントランスポーター制御機構の関与」

村川依代(9月16日)

「うつ病患者のリンパ芽球様細胞株および治療抵抗性ストレスモデルマウスの脳と血液の検体種横断的な網羅的遺伝子発現解析による診断・治療ターゲット分子の探索」

林 千裕(9月16日)

「名古屋大学医学部附属病院精神科病棟における統合失調症入院患者の多剤併用状況に関する実態調査」

髙木修平(9月16日)

「HPLC-ECD法によるモノアミン神経伝達物質およびその代謝物の血漿中濃度同時定量系の確立」

2018年9月8~10日

第53回日本アルコール・アディクション医学会学術総会(京都)

「第53回日本アルコール・アディクション医学会学術総会」が、国立京都国際会館にて「依存症研究―生命医科学への展開―」をテーマに開催されました。

本学会は、飲酒、喫煙、および薬物依存について最新の研究成果を多彩な視点から討論し、社会に広く情報発信する役割を担っています。当室からは、学部6年の添田光輝が一般演題にて口頭発表を行いました。統合失調症様モデルマウスにおける精神行動に与えるニコチン連続投与の影響に関する発表では、前頭前皮質や側坐核におけるニコチン性アセチルコリン受容体の発現機序に関する質問や、ニコチン性アセチルコリン受容体α5サブユニットとセルフメディケーションの関連についての質問や意見を頂き、新たな知見を得ることができました。本学会では、依存に関する幅広い分野の発表から多くのことを学ぶことができ、大変有意義な機会となりました。

(報告者:添田光輝)

【口頭発表】
添田光輝(9月10日)
「統合失調症様モデルマウスにおける精神行動に与えるニコチン連続投与の影響」

2018年9月1~2日

第3回日本薬学教育学会大会(東京)

第3回日本薬学教育学会大会が、昭和大学旗の台キャンパスにて「教育で“未来”を創る」をテーマに開催されました。

本学会では、薬学教育に携わる会員の情報発信・共有の場を提供し、サイエンスとしての「薬学教育学」の確立、薬学教育に関する研究の発展・充実、そして薬学教育のさらなる向上を目指しています。本大会では教育を通じてどのような“未来”を創造するか、講演・シンポジウム・一般演題・ワークショップを通じて参加者が議論を交わす場となっていました。

当室からは、野田幸裕がシンポジウム2「多職種連携教育」のシンポジストとして、「医療系学部を有さない薬学部における多職種連携教育の実践:他の医療系学部との連携」と題して発表しました。発表後と総合討論では、ファシリテターの役割やIPEを構築するまでに苦労したことなど、多数の質問を頂きました。今後の多職種連携教育に活かして、薬剤師として高い専門性を発揮しながら、目的と情報を他の医療職と共有し、患者の状況に的確に対応した医療を提供できるような薬学生を育成していきたいと思います。

(報告者:野田幸裕)

【シンポジスト】
野田幸裕(9月1日)
シンポジウム2:多職種連携教育
「医療系学部を有さない薬学部における多職種連携教育の実践:他の医療系学部との連携」

2018年8月23~24日

生体機能と創薬シンポジウム2018(福岡)

「生体機能と創薬シンポジウム2018」が福岡大学病院 福大メディカルホールにて開催されました。本学会は日本薬学会の中で、薬理学系薬学の振興と推進のために、部会員の研究発表、情報交換および国内外の関連学協会との連携を推進し、疾患治療、健康維持、医療の向上に寄与することを目的に創設された学会であります。

当室からは博士課程1年の内田美月がポスター発表を行いました。脳発達期におけるグルタミン酸トランスポーターの機能異常が認知機能に及ぼす影響に関する発表では、GLASTノックアウトマウスにはどのような行動異常が認められるのか、本研究が今後の創薬にどのように貢献すると考えているのかなど、多くのご質問を頂くことができました。特別講演では、病院薬剤師の業務内容の変化と今後求められるチーム医療における薬剤師の在り方について拝聴しました。2010年に厚生労働省から「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」が通知され、2012年の病棟薬剤師業務実施加算により病棟業務に重点を置いた全入院患者への薬学的介入が推進されました。また、臨床研究の実施や学位の取得は、医師などの他職種と論理的に議論する場合や薬学教育に携わる場合、非常に重要であることがより明確になりました。今年度から大学院に進学し、基礎研究をベースに行っておりますが、臨床研究など幅広く様々な知識を習得しつつ、専門性を持った薬剤師になれるよう日々精進したいと思いました。

(報告者:内田美月)

【ポスター発表】
内田美月(8月23日)
「脳発達期におけるグルタミン酸トランスポーターの機能異常が認知機能に及ぼす影響」

2018年7月24日

第33回 平成29年度助成研究発表会(東京)

「平成29年度助成研究発表会」が、京王プラザホテルにて開催されました。

精神疾患と喫煙には非常に密接な関係がありますが、喫煙から摂取するニコチンは精神神経機能の促進と抑制という二極性の急性作用を示すことから、精神神経機能に与える作用機序の解明が多数行われています。当室からは、野田幸裕教授が「喫煙と精神機能・行動」のセッションにて平成29年度の研究成果を発表し、同セッションの座長も務められました。発表後には、作成した2種類のストレス疾患モデル動物における既存抗うつ薬への反応性の違いについて質問を頂きました。基礎研究で得られた結果が臨床所見とは必ずしも一致するとは限らないため、モデル動物がどの病状を表現しているのか、また、病態の進行度によって症状が変化するため、臨床と基礎における研究結果の乖離をどのように考察するのか、学ぶことができました。今回の研究発表会に参加によって得た知識を今後の研究に活かしていきたいと思います。

(報告者:内田美月)

【喫煙と精神機能・行動】
野田幸裕 口頭発表(演題番号145)
「気分障害の神経精神機能におけるニコチン関連分子の探索-基礎と臨床研究からのアプローチ-」
野田幸裕 座長(演題番号136~142)

2018年7月1~6日

第91回日本薬理学会年会・第18回国際薬理学・臨床薬理学会議(京都)

「第91回日本薬理学会年会・第18回国際薬理学・臨床薬理学会議」が、国立京都国際会館にて『Pharmacology for the Future -Science, Drug Development and Therapeutics-』をテーマに開催されました。

本学会は、基礎から臨床、薬物開発まで薬理学に関する最新の研究成果の国際的な発表と情報交換の場として、世界中の薬理学研究者との交流を推進するとともに、日本の薬理学の水準と活動を世界に示す場でもあります。

当室からは研究員の肥田裕丈と博士課程1年の内田美月が一般演題のポスター発表を行いました。ストレス負荷マウスにおけるうつ様行動に対するニコチンの作用に関する発表では、着目したニコチン性アセチルコリン受容体サブユニットの機能や発現部位、うつ様行動の緩解に関与する神経系についてなど、国内外の多くの薬理学研究者から質疑・ご意見を頂くことができました。プレナリーレクチャーでは、京都大学の山中伸弥教授による再生医療用iPS細胞ストックプロジェクトにおける現状とiPS細胞の有用性についての講演を拝聴し、難治性疾患患者に革新的な治療法を提供するためのiPS細胞ベースの科学の進歩について学ぶことができました。今回初めて国際学会に参加し、関連分野の海外の研究者と交流を深めることができ、また最先端の科学と知識を学ぶことできました。言葉の壁を感じることもありましたが、とても有意義で刺激を受けた学会であり、これを機により一層勉学に励み、今後も国際的な場で発表出来ればと思います。

(報告者:内田美月)

【ポスター発表】
肥田裕丈(7月4日)
「The perinatal mice administered prostaglandin E2 develop psychobehavioral and neuronal impairments in adults」
内田美月(7月4日)
「Nicotine modulates depression-like behaviors via regulating nAChR/Akt signaling in stressed mice」

2018年6月30日

第27回神経行動薬理若手研究者の集い(岡崎)

「第27回神経行動薬理若手研究者の集い」が、自然科学研究機構 生理学研究所にて「行動を制御する神経機構の解明を目指して」をテーマに開催されました。

本大会は、神経薬理学における先端的な成果と行動薬理学的な手法を結びつけた研究をプロモートし、臨床病態での脳機能異常を脳内伝達物質の動態と相互作用から解明し、生理機構の解明と創薬に役立つ研究の討論の場を提供すること、また若手研究者の育成を目的として行われました。

当室からは、学部6年の桒名諒美と平松愉加が一般演題にて口頭発表を行いました。強制水泳ストレス負荷マウスのうつ様行動におけるα7ニコチン性アセチルコリン受容体の関与に関する発表では、ニコチン性アセチルコリン受容体の発現分布と他の神経系との相互作用、強制水泳試験で認められたストレス負荷マウスのうつ様行動に対するニコチンの効果について、質問や助言を頂きました。一方で、ストレス負荷マウスの社会性行動におけるセロトニントランスポーター制御機構の関与に関する発表では、プロテインキナーゼC活性がシナプス後膜のシグナル伝達分子に与える影響、マウスのうつ様行動評価の妥当性について、質問や貴重な意見を頂きました。神経行動薬理学分野の若手研究者との交流や研究発表から、病態や薬物作用機序を解明するためには、多角的な視点から様々な手法を用いて遂行することが重要であることを学ぶことができ、大変有意義な機会となりました。本大会で学んだことを今後の研究活動の糧にして、さらに努力していきたいと思います。なお、本大会口頭発表において、桒名諒美と平松愉加は優秀発表賞を受賞しました。

(報告者:桒名諒美、平松愉加)

【口頭発表】
桒名諒美
「強制水泳ストレス負荷マウスのうつ様行動におけるα7ニコチン性アセチルコリン受容体の関与」
平松愉加
「ストレス負荷マウスの社会性行動におけるセロトニントランスポーター制御機構の関与」

2018年6月30日

第64回日本薬学会東海支部総会・大会(名古屋)

「第64回日本薬学会東海支部総会・大会」が、金城学院大学 W2棟 W3棟にて開催されました。

当室からは、学部6年の村川依代と髙木修平(衛生学研究室アドバンスト学生)が一般講演にて口頭発表を行いました。治療抵抗性ストレスモデルマウスの脳と血液を用いた網羅的遺伝子発現解析による診断・治療ターゲット分子の探索の発表では、抗うつ薬治療抵抗性ストレスモデルマウスの作製方法や治療抵抗性でないうつ病モデルでの検討について、質問や貴重な意見を頂きました。一方、シスプラチンベースのがん化学療法におけるハイドレーションと有害反応や事象との関連調査の発表では、過去の報告の詳細やどのような患者にショートハイドレーションが選択されるべきなのかについて、質問や助言を頂きました。「地球温暖化と胎児・新生児の二酸化炭素」と題した特別講演では、胎児・新生児によくみられる一過性徐脈や脳室周囲白質軟化症に低炭酸ガス血症が関与していることが考えられており、炭酸ガスの治療薬としての可能性を学びました。本学会では、自分の研究に関わる発表を聴講することによって幅広い知識・考え方が身に付くことができました。自分の研究とは異なる様々な分野の研究にも触れることで基礎・臨床薬学に関する見聞が広まり、今後の活動に活かしていきたいと思いました。

(報告者:村川依代、髙木修平)

【口頭発表】
村川依代
「治療抵抗性ストレスモデルマウスの脳と血液を用いた網羅的遺伝子発現解析による診断・治療ターゲット分子の探索」
髙木修平
「シスプラチンベースのがん化学療法におけるハイドレーションと有害反応や事象との関連調査」