活動報告
活動報告の紹介
- 研究活動
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基礎・臨床研究で得られた成果は、積極的に国内外の精神神経薬理学、神経科学および医療薬学関連の学会や研究会にて報告し、世界を見据えて広く社会に発信しています。また、招待講演やシンポジウムなどにおいても多数発表を行っています。
- 大学・研究室行事
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大学行事として、学生フォーラム、ソフトボール大会、オープンキャンパス、卒論発表や卒業式などが開催され、こうした行事には積極的に参加しています。研究室行事として、鶴舞公園での花見、ゼミ旅行、スポーツフェスティバル、新年会など、1年を通して楽しいイベントを開催し、メンバー同士の親睦を深めています。
- 国際交流活動
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名城大学薬学部 臨床薬学教育・研究推進センターは、学術交流協定を結んでいる米国をはじめとする海外の大学教員や臨床研修生を受け入れ、講義への参加、関連医療施設の見学、症例検討を通し、研究・教育の交流を行っています。 名古屋大学医学部附属病院での臨床研修は、名城大学薬学部 臨床薬学教育・研究推進センターサテライトセミナー室を拠点として、当部門のアドバンスト学生や配属学生が薬剤部と協力して実施しています。アドバンスト学生は病棟・薬剤師外来や関連医局での活動を中心に、臨床研修・症例や研究内容を英語で紹介します。また、日米の薬学教育や文化も紹介し、交流を深めています。
- 社会活動
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くすりを通じて社会を知ることで社会に貢献できる医療人の育成を目指して、地域での「くすり教室」や「研修」活動を積極的に実施・参加しています。中でも、特定非営利活動法人医薬品適正使用推進機構(NPO J-DO)は、国民にくすりを安全に安心して使っていただくために薬剤師や国民に対する教育講演や学会を開催しています。その活動の一つとして、小学生にもくすりのことを知ってもらう講義や体験実験(くすり教室)を行っています。2014年度からは、薬物依存に関連する講義や体験実験も行っています。
2017年11月3~5日
- 第27回日本医療薬学会年会(幕張)
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「第27回日本医療薬学会年会」が、幕張メッセ、アパホテル&リゾート東京ベイ幕張、ホテルニューオータニ幕張にて「医療薬学が切り拓く薬剤師力の深化・醸成~医療人としてより輝くために~」をテーマに開催されました。
当部門からは研究員の梅村 朋が、一般演題において「実務実習における常駐教員の取り組み:救急蘇生/生体情報モニター・聴診実習における症例基盤型学習の導入と改善」という演題で口頭発表を行いました。質疑を通じて、改訂薬学教育モデル・コアカリキュラムの内容に対応した課題へ改善することが必要であるが、医療現場のニーズに合わせた改善を図ることも必要であると思いました。また、当部門の野田幸裕教授が、一般演題において「薬剤師外来における吸入療法支援:吸入指導と評価方法の統一化」という演題でポスター発表、一般演題(口頭)37「精神科領域」の座長を務められました。本セッションでは、SCAP法(Safety Correction of Antipsychotics Poly-pharmacy and hi-dose)による抗精神病薬の減薬・減量に伴い、併用されている抗パーキンソン病薬、ベンゾジアゼピン系薬や気分安定薬の対応など、聴衆からもたくさんの質問があり活発なセッションでした。その他、せん妄に対するスボレキサントの影響、地域連携システムであるCMS(Content Management System)の活用、CYP2D6遺伝子多型と向精神薬の効果・副作用との関連性についての発表があり、精神科薬物療法の最適化について様々な視点から考察する良いきっかけとなりました。(報告者:梅村 朋)
【一般演題:(口頭)25「薬学教育/薬剤師教育」】
梅村 朋(11月3日)
「実務実習における常駐教員の取り組み:救急蘇生/生体情報モニター・聴診実習における症例基盤型学習の導入と改善」
【一般演題:(ポスター)】
野田幸裕(11月3~4日)
「薬剤師外来における吸入療法支援:吸入指導と評価方法の統一化」
【座長:一般演題(口頭)37「精神科領域」】
野田幸裕(11月4日)
2017年10月8~9日
- 第50回日本薬剤師会学術大会(東京)
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「第50回日本薬剤師会学術大会」が、東京国際フォーラムおよびJPタワー ホール&カンファレンスにて「Pharmacists Practicing with Pride~新たな時代に向けて、さらなる飛躍~」をテーマに開催されました。
当部門からは、学部6年の柳本佳南が一般演題のポスター発表を行いました。発表時には、当部門が主導となり実施している『講義形式の受動的学習と体験実験による能動的学習を組み込んだ薬物乱用防止教育』について、薬局・病院薬剤師や大学教員からの興味・関心を集め、多数の質問・意見を頂きました。「がん研究が導くゲノム医療」と題した特別講演では、肺腺がんにおいてEML4-ALK融合遺伝子が「essential growth driver(がん増殖に不可欠な遺伝子変異)」であり、ALK阻害剤であるクリゾチニブやアレクチニブが優れた治療効果を発揮していることを例に挙げて、がん治療におけるテーラーメイド医療の実現には網羅的なゲノム解析によるessential growth driverの同定が重要であることを学びました。海外では既に診断と治療選択を目的としてゲノム解析が実施されており、がん原因遺伝子の陽性患者に対する阻害剤の適正使用が現実的になっていました。日本においても、全国規模のゲノム解析の研究体制が整備されつつあり、今後の新規分子標的治療薬の開発に期待が寄せられています。本学会では、現場の薬剤師が如何に患者に対して最適な薬物療法を提供できるか、日々の臨床疑問を起点とした調査・研究が多数報告されており、将来、薬剤師としてどのように患者と向き合い、医療や社会に貢献できるか考える有意義な機会となりました。
(報告者:柳本佳南)
【ポスター発表】
柳本佳南(10月9日)
「児童参加体験型の薬物乱用防止教育の効果」
2017年9月28~30日
- 第39回日本生物学的精神医学会・第47回日本神経精神薬理学会合同年会(札幌)
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「第39回日本生物学的精神医学会・第47回日本神経精神薬理学会合同年会」が、札幌コンベンションセンターにて『脳と心のフロンティア〜「知」と「療」の連携』をテーマに開催されました。
当部門の野田幸裕教授が、一般演題において「認知機能におけるグルタミン酸トランスポーター(GLAST)の役割」という演題でポスター発表しました。脳神経細胞の解析方法、グルタミン酸作動性神経系に関与する新規治療薬の可能性についてなど、多数の質疑をいただきました。また、第47回日本神経精神薬理学会年会 精神科専門薬剤師 精神医学セミナー「精神科領域におけるジェネリック医薬品使用上の注意点について」の座長と総合討論を務めました。ジェネリック医薬品の使用促進は医療費の軽減が期待されていますが、品質への不安感もあります。オーソライズドジェネリックも登場していますが、正しい知識と情報収集を行いながらジェネリック医薬品の選択に関わる重要性について議論されました。本年会のテーマであります精神疾患の病態解明(「知」)と新たな治療薬の開発(「療」)に関する研究・臨床・教育の最前線のプログラムが多数ありました。両学会が協力しながら共通目標である「脳と心の科学の進歩と発展」を目指していることが実感できました。
(報告者:野田幸裕)
【一般演題:ポスター発表】
野田幸裕(9月28日)
「認知機能におけるグルタミン酸トランスポーター(GLAST)の役割」
【精神科専門薬剤師 精神医学セミナー:座長・総合討論】
野田幸裕(9月30日)
「精神科領域におけるジェネリック医薬品使用上の注意点について」
2017年9月23〜24日
- 第1回日本精神薬学会総会・学術集会(東京)
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「第1回日本精神薬学会総会・学術集会」が、昭和大学薬学部旗の台キャンパスにて「精神薬学の夜明け~新たなる薬剤師の挑戦」をテーマに開催されました。
当部門の野田幸裕教授が、大会長講演における吉尾隆先生の「精神薬学の夜明け」の座長、評議員会・総会の司会・進行、およびワークショップ2における「向精神薬の減薬・減量ガイドライン構築のためのワークショップ2」の企画運営者を務められ、研究員の梅村 朋先生が一般演題のポスター発表を行いました。日本精神薬学会設立一周年に当たる初めての本総会・学術集会でもあったことから、全国から350名あまりの精神科薬剤師が集い、各セッションにおいて活発な質疑・応答がなされました。本総会・学術集会を通じて、多職種協働による精神科チーム医療や地域医療の実践、および向精神薬の適正使用による副作用回避と有効な精神科薬物療法に関する新たな知識を得る機会となり、今後の薬剤師業務の実践と薬学教育に生かしていきたいと思います。
平成30年度には第2回総会・学術集会大会が、名城大学薬学部 八事キャンパスにて「基礎と臨床知識から薬を使い育てる精神科薬剤師:多職種との相互理解を深める」をテーマに、当部門の野田幸裕教授を大会長として開催されます。臨床・基礎・社会医学の領域で活躍する専門家との「相互理解」と「連携」を深め、精神科薬剤師の職能発展と精神科医療の向上に貢献することが期待されます。
(報告者:吉見 陽)
【座長】
野田幸裕(9月23日)座長
「大会長講演:精神薬学の夜明け」
【司会/進行】
野田幸裕教授(9月23日)司会/進行
「評議員会・総会」
【ワークショップ2】
野田幸裕(9月24日)企画/運営
吉見 陽・肥田裕丈・梅村 朋(9月24日)ファシリテーター
内田美月・竹内佐織(9月24日)運営補助
「ワークショップ2:向精神薬の減薬・減量ガイドライン構築のためのワークショップ」
【ポスター発表】
梅村 朋(9月24日)
「3T3-L1細胞における脂肪滴蓄積およびレプチンの分泌に対するクロザピンの作用」
2017年9月8~9日
- 第52回日本アルコール・アディクション医学会学術総会(横浜)
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「第52回日本アルコール・アディクション医学会学術総会」が、パシフィコ横浜にて「ポピュレーションリスクとしてのアルコール健康障害と依存症」をテーマに開催されました。本学会は、日本のアルコール・薬物・嗜癖行動関連問題研究の中心を担う学術総会であり、タバコや酒、危険ドラッグなどの精神依存形成を強く促す品目のみならず、ギャンブルやインターネットゲーム、塩分摂取に至るまで様々な嗜好に伴う問題について幅広く取り上げられておりました。
当部門からは、学部6年の山田將玖郎が一般演題のポスター発表を行いました。発表では、PCP連続投与マウスの統合失調症モデル動物としての妥当性とニコチン性アセチルコリン受容体発現変化の機序やニコチン性アセチルコリン受容体アゴニストの臨床応用の有無または可能性について質問をいただき、現在の研究活動の進捗および課題について見つめ直す良い機会となりました。本学会ではアルコールや喫煙、その他の現代社会特有の様々な依存症が与える健康影響やその対策について精神科、消化器内科、代謝内科、循環器内科、公衆衛生学、衛生学、法医学、薬理学、生理学、病理学、看護学等の研究者、病院や保健機関等に勤務する医師や看護職等のメディカルスタッフが集まって、様々な視点から討論が行われました。未だ詳細の解明されていない依存形成に関与する機序や分子の解明など、多数の新たな知見が得られたと同時に、本分野に、改めて奥深さや面白さを感じる学会となりました。
(報告者:山田將玖郎)【一般演題:ポスター発表】
山田將玖郎(9月9日)
「統合失調症様モデル動物における精神行動障害に対するニコチンの緩解作用と依存との関連性」
2017年9月7~9日
- 第60回日本神経化学会大会(仙台)
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「第60回日本神経化学会大会」が、仙台国際センターにて「神経・精神と化学の融合を目指して60年」をテーマに開催されました。
神経化学会は、高次脳機能と疾患とを物質レベルで追究することを特徴としております。また、各研究課題を徹底的に討論する発表スタイルやセミナーは、神経・精神機能を解明する若手研究者のスキルアップの場となっております。当部門からは、博士課程1年の伊藤貴博が若手道場にて口頭発表を行いました。発表後には、ストレス負荷モデルにおけるPKCシグナル伝達に関与する生理活性分子や受容体について、PKC活性化薬による行動薬理学的結果と神経化学的変化が相関しない理由についてなど多くのご質問をいただきました。本学会ではPET画像を用いた分子解析やCRISPR/Casを応用した最先端ゲノム編集技術などを応用した研究を目の当たりにすることができました。今回、新しい発見の多くに新しい技術を学び、得られた情報を基に自身の研究や当部門の発展に努めていきたいと思います。
(報告者:伊藤貴博)
【若手道場】
伊藤貴博(9月8日)
「Role of serotonin transporter phosphorylated by protein kinase C in depressive-like behaviors of the stressed mice」
2017年9月1日
- 平成29年度 実務実習教科担当教員会議(名古屋)
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「平成29年度 実務実習教科担当教員会議」が名城大学薬学部 八事キャンパス3号館にて開催されました。
当室の野田幸裕教授が委員長を務められました本会議は、薬学教育協議会が主宰し、講義と実習の内容についての情報交換の場、教科間の壁をこえて教科担当者間で話し合う場として設けられています。また、質の高い授業(講義と実習)の実施に積極的に関わることを目的として開催されています。本会議では、全国から実務実習に関わる80名あまりの大学教職員が一堂に会し、薬学教育を原点から見つめ、今後なすべき薬学教育や研究・学術活動について活発な議論が交わされました。本会議を通じて、薬学教育における実務実習の位置づけや重要性について見識を深めることができました。
(報告者:竹内佐織)
次第
(1)開催の挨拶 名城大学 野田幸裕
(2)アンケート集計報告および質疑応答 報告 名城大学 野田幸裕
(3)薬学臨床系教員連絡会からの報告 報告 金沢大学 松下 良 先生
(4)第102回 薬剤師国家試験問題検討委員会報告 報告 昭和大学 加藤裕久 先生
(5)講演「改訂モデル・コアカリキュラムに準拠した実務実習支援
WEBシステムの準備状況」 薬学共用試験センター 木津純子 先生
(6)本会議の今後の進め方および次年度以降の開催について 報告 名城大学 野田幸裕
(7)閉会の挨拶 名城大学 野田幸裕
2017年7月27日
- 第32回 平成28年度助成研究発表会(東京)
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「平成28年度助成研究発表会」が、京王プラザホテルにて開催されました。
気分障害患者ではニコチンの依存度が高く、うつ病の既往を有する患者では禁煙が困難であり、禁煙中の大うつ病エピソードを発症するリスクが高いことが報告されています。当部門からは、野田幸裕教授が「喫煙と精神機能・行動」のセッションにて平成28年度の研究成果を発表し、同セッションの座長も務められました。発表後には、ストレスモデルマウスにおいて社会的行動障害にストレス関連物質(グルココルチコイドなど)が関与しているのかどうかなど質問を頂きました。疾患におけるニコチン関連分子の役割やその生理作用の科学的解明のために基礎と臨床の両方から多岐にわたる研究発表が行われ、現在の研究の発展に繋げて行きたいと思います。
(報告書:内田美月)
【喫煙と精神機能・行動】
野田幸裕 口頭発表(演題番号101)
「気分障害の神経精神機能におけるニコチン関連分子の探索-基礎と臨床研究からのアプローチ-」
野田幸裕 座長(演題番号103~105)
2017年7月8日
- 第63回日本薬学会東海支部総会・大会(岐阜)
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「第63回日本薬学会東海支部総会・大会」が、岐阜薬科大学本部キャンパスおよび岐阜大学医学部教育・福利棟にて開催されました。
当部門からは、学部6年の浮貝真子が一般演題の口頭発表を行いました。発表時には、クロザピン反応性代謝物によるヒスタミンH4受容体を介した細胞毒性の発現機序や対照薬として用いた非定型抗精神病薬であるオランザピンのヒスタミンH4受容体に対する親和性について質問を頂きました。「救急医療最近の動向」と題した特別講演では、高齢化に伴い救急医療の需要が増加する一方で、受け入れ施設や医師の減少など供給不足が問題となっており、薬剤師は薬に関する情報提供のみならず、医療従事者として積極的に救急医療に関与する必要があることを学びました。本学会では、薬学に関する幅広い分野の発表から多くのことを学び吸収することができ、大変有意義でした。
(報告者:浮貝真子)
【口頭発表】
浮貝真子
「クロザピン反応性代謝物による細胞毒性におけるヒスタミンH4受容体の関与」
2017年7月1~2日
- 医療薬学フォーラム2017/第25回クリニカルファーマシーシンポジウム(鹿児島)
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「医療薬学フォーラム2017/第25回クリニカルファーマシーシンポジウム」が、鹿児島市民文化ホール、南日本新聞会館みなみホール、および鹿児島サンロイヤルホテルにて「医療薬科学を俯瞰する―領域横断的研究による基礎と臨床の融合―」をテーマに開催されました。
当部門からは、研究員の梅村 朋先生と博士課程4年の後藤 綾が一般演題のポスター発表を行いました。クロザピンの長期間曝露による細胞生存への影響に関する発表では、クロザピンの臨床濃度やクロザピンによる細胞毒性の発現機序について、病院薬剤師や大学教員から多数の質問・意見を頂きました。「地域包括ケアシステムにおける医療薬学の実践」と題した特別講演では、地域の薬局薬剤師は自己研鑽のみならず、研究能力や教育能力を身につけた上で地域住民の薬物治療に貢献することが重要であることを学びました。本学会では、医療薬学に関する基礎と臨床の橋渡しをテーマにしたシンポジウムや講演が多く、今後の自身の研究活動および臨床活動の参考になり、充実した学会でした。
(報告者:後藤 綾)
【ポスター発表】
梅村 朋(7月1日)
「3T3-L1細胞におけるインスリンとグルコースによるレプチン分泌への影響」
後藤 綾(7月1日)
「ヒト好中球に対するクロザピンの長期間曝露による細胞生存への影響」
2017年4月2日
- 平成28年度 日本精神薬学会・講習会:DIEPSSおよび論文作成のための講習会(名古屋)
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「日本精神薬学会・講習会」が、名古屋大学医学部附属病院 鶴友会館にて「DIEPSSおよび論文作成のための講習会」をテーマに開催されました。
DIEPSSは抗精神病薬の治療中に発症する薬原性錐体外路症状の重症度を評価する目的で開発されたスケールです。本講習会ではDIEPSSの開発者である名古屋大学医学部 稲田俊也准教授が各項目の重症度のアンカーポイントや評価基準について、症例ビデオ画像を用いてわかりやすく解説し、実際に評価も行ないました。
午後には当部門の野田幸裕教授による臨床研究の進め方の講演では、クリニカルクエスチョン(臨床での疑問)をリサーチクエスチョンにし、エビデンスのある薬物治療を実践するための研究・学術論文を作成することが重要であると学びました。また、学術論文の作成にあたり膨大な文献の中から必要とする文献を効率良く検索する方法や文献検索サイトの便利な機能について学ぶことができ、論文作成の留意点や実際に論文を作成した時の苦労話を聞くことができました。野田先生は閉会のあいさつも務められました。
本講習会を通して、DIEPSSの評価にはトレーニングを積み重ねることが必要であると実感しました。本講習会で学んだ臨床研究の進め方や学術論文の作成方法を今後に活かしていきたいと思いました。(報告者:内田美月、竹内佐織)
【講演】
野田幸裕
「学術論文とは-精神科の臨床疑問から研究・論文へ-」
2017年3月24~27日
- 日本薬学会第137年会(仙台)
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「日本薬学会第137年会」が、仙台国際センター・東北大学川内地区にて、「復興と発展、薬学の未来へ」をテーマに開催されました。
当部門からは、学部5年の岩田未来と加藤奈波がポスター発表を行いました。シスプラチンベースのがん化学療法に伴う消化器症状を軽減した最適な治療法に関する調査の発表では実臨床でのシスプラチン分割投与の実施状況や他の副作用も含めた検討の有無について、一方、がん化学療法に伴う消化器症状の発現におけるセロトニン関連分子の関連性の発表では制吐薬や抗がん剤の種類ごとの解析の必要性や性差の違いについて、薬学生、薬系大学教員、あるいは薬剤師など多岐に渡る研究者から貴重なご意見やご指導を頂きました。
トランスポーターのリバーストランスレーショナルリサーチに関するシンポジウムでは、尿酸排出を担うABCG2についての発表があり、培養細胞を用いたin vitro実験と臨床検体を用いた遺伝子的解析および臨床情報の結果を組み合わせることで、より効果の高い尿酸降下薬の開発を目指していることを学びました。本シンポジウムを通じて、基礎と臨床の両視点をから取り組んで行きたいと思いました。本学会では、基礎研究から臨床研究まで幅広い分野の発表があり、今後の研究活動や大学生活において大変良い刺激となりました。
(報告者:岩田未来、加藤奈波)【ポスター発表】
岩田未来(3月26日)
「シスプラチンベースのがん化学療法に伴う消化器症状を軽減した最適な治療法に関する調査」
加藤奈波(3月26日)
「がん化学療法に伴う消化器症状の発現におけるセロトニン関連分子の関連性」
2017年3月15~17日
- 第90回日本薬理学会年会(長崎)
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「第90回日本薬理学会年会」が、長崎ブリックホールおよび長崎新聞文化ホールにて、「出島に学ぶ-Therapeutic innovation from Dejima-」をテーマに開催されました。本学会は、昭和2年より開催され、薬理学の更なる発展を目指した歴史ある学会であります。
当部門からは、野田幸裕教授が一般演題の座長を、学部5年の竹内佐織と内田美月が一般演題のポスター発表を行いました。フェンシクリジン連続投与マウスの精神行動異常におけるグリア型グルタミン酸トランスポーターの機能的役割に関する発表では、神経化学的検討における実験手技やグルタミン酸作動性神経系の機能的変化について、新生仔期プロスタグランジンE2と若齢期フェンシクリジンの複合投与による精神行動異常の増強に関する発表では、プロスタグランジンE2の単独投与による高次機能への影響やその発現機序についてなど、数多くの質問・ご意見を頂きました。本学会においてはセミナーやシンポジウムに参加し、グリア細胞や免疫系の分野を専門とする研究者など、多数の研究者と活発な意見交換を行うことができました。今後の研究がより発展するように得られた知識や考え方を活かして精進していきたいと思います。
(報告書:内田美月)
【一般演題】
野田幸裕(3月16日)座長
一般演題2-O-16~2-O-20:神経細胞・情報伝達
【ポスター発表】
竹内佐織(3月15日)
「新生仔期プロスタグランジンE2と若齢期フェンシクリジンの複合投与による精神行動異常の増強」
内田美月(3月15日)
「フェンシクリジン連続投与マウスの精神行動異常におけるグリア型グルタミン酸トランスポーターの機能的役割」
2017年3月14日
- 第26回神経行動薬理若手研究者の集い(福岡)
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「第26回神経行動薬理若手研究者の集い」が、福大メディカルホールにて「LOHASな神経行動薬理学研究」をテーマに開催されました。
「第90回日本薬理学会年会」のサテライト研究会である「第26回神経行動薬理若手研究者の集い」は、若手研究者と臨床現場で活躍している薬剤師等が意見交換をすることで、基礎と臨床が融合された新しい神経行動薬理学への発展を目的として開催され、若手研究者の発表討論の場となっています。
当部門からは、学部5年の内田美月と竹内佐織が一般演題にて口頭発表を行いました。新生仔期プロスタグランジンE2と若齢期フェンシクリジンの複合負荷が精神機能に与える影響に関する発表では、プロスタグランジンE2が神経細胞・グリア細胞に与える影響について、フェンシクリジン連続投与によるグルタミン酸トランスポーターの発現増加が精神神経機能に与える影響に関する発表では、行動障害を緩解させる薬の標的についてなど、多くの質問とご意見を頂くことができました。本大会を通じて精神疾患の病態や発症機序の究明に対するアプローチの方法、どのような手法を用いるのが妥当なのかの検討の仕方について新たな知見を得ることができ、今後の研究に対する良い刺激になりました。なお、本大会口頭発表において、竹内佐織が最優秀発表賞、内田美月が優秀発表賞を受賞しました。
(報告者:竹内佐織)【口頭発表】
竹内佐織
「新生仔期プロスタグランジンE2処置マウスにおける若齢期フェンシクリジン連続投与による精神行動への影響」
内田美月
「フェンシクリジン連続投与によるグルタミン酸トランスポーターの発現増加が精神神経機能に与える影響」
2017年3月11日
- 一般社団法人 日本精神薬学会 創立記念講演会・祝賀会(東京)
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「一般社団法人 日本精神薬学会 創立記念講演会・祝賀会」が、青山学院大学 青山キャンパス17号館にて「精神科薬剤師の新たなる挑戦」をテーマに開催されました。一般社団法人 日本精神薬学会(The Japanese Society of Psychiatric Pharmacy:JSPP)は2016年9月、精神科領域の薬物治療および向精神薬開発の進展を鑑み、臨床現場の薬剤師と基礎研究に従事する薬剤師の協働により、精神科領域における薬剤師の専門性を向上させ、精神科薬物治療の適正化をはじめとした、精神薬学の進歩発展を図ることを目的として設立されました。
当部門からは、本学会の理事でもある野田幸裕がシンポジウムにて、基礎研究者の立場から発表を行いました。基礎・臨床研究を通じて精神科医療における薬学教育の役割や薬物治療への薬剤師の介入について有意義な意見交換ができました。
精神薬学領域における基礎・臨床研究の向上と専門性を発揮した臨床実務の実践と教育を目指して、精神科臨床や研究に携わる病院薬剤師、薬局薬剤師、および薬学研究者ばかりでなく、関連する多職種や学生も参加でき、有意義な討論から精神科医療を発展できるような学会にしていきたいと思っています。
(報告者:野田幸裕)【シンポジウム】
野田幸裕 シンポジスト
シンポジウム:精神科医療の発展に向けた薬剤師の役割
「これからの精神科薬剤師の役割:~専門性のさらなる飛躍に向けて~」
2017年11月19日
- 第6回スポーツフェスティバル:親睦を深め、気分爽快なスポーツの秋
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「第6回スポーツフェスティバル」が、名城大学薬学部 体育館にて開催されました。
秋深まる中、今回のスポーツフェスティバルは、毎年恒例の選手宣誓から始まりました。怪我の無いよう準備体操を行った後、参加者24名が、野田幸裕教授チーム、吉見 陽助教チーム、当部門OBである薬効解析学研究室の水野智博助教チームの3チームに分かれ、バレーボール、バドミントン、フリースロー、バスケットボールで競い合いました。今年は新たにフリースローも取り入れ、各競技で一人ひとりがベストを尽くし白熱しながらも、笑顔の絶えないスポーツフェスティバルとなりました。接戦の末、野田幸裕教授チームが優勝となりました。
思い切り体を動かした後は、八事の西遊記にて打ち上げを行いました。参加者のアンケートによって選ばれた「MVP賞」と「頑張ったで賞」の発表と記念品の贈呈を行い、「MVP賞」受賞者から乾杯の挨拶をいただきました。終始和やかな雰囲気で、楽しい時間を過ごしました。会の最後には、「頑張ったで賞」を受賞された吉見 陽助教から各学年へのお言葉を頂きました。日ごろ体を動かす機会が少ない中、スポーツで気分をリフレッシュすることができ、今後の研究、勉強、実習活動に向けた団結心を新たにしました。(報告者:平松愉加)
優勝チーム:野田幸裕教授、髙木修平、林 千裕、平松愉加、いまみゆき、岩永周子、内田鷹司、武藤利奈
MVP賞:いまみ ゆき
頑張ったで賞:吉見 陽助教
2017年9月18日
- 2017年度 6年生の卒論の慰労会:これまでの感謝の気持ちを込めた記念品の贈呈
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「2017年度 6年生の卒論の慰労会:これまでの感謝の気持ちを込めた記念品の贈呈」が、個室居酒屋 八満 名駅店にて開催されました。
最初に野田幸裕教授から学部6年生をはじめ、卒論研究・論文作成に関わった全員へ労いのお言葉などを頂き、「2017年度6年生の卒論の慰労会」が始まりました。学部4・6年生は大学講義、学部5年生は実務実習が始まっている中、久しぶりに当部門一同が集まった会となり、各テーブル話題が尽きませんでした。慰労会終盤には、学部4・5年生から学部6年生へケーキとカレンダーが贈られました。プレゼントしたカレンダーは、学部6年生10名のこれまでの当部門での生活を収めた写真入りのオリジナル作品となっておりました。受け取った学部6年生がこれまでの思い出を笑顔で振り返っている姿を見ることができ、学部4・5年生一同、大変嬉しい気持ちとなりました。続いて、卒論完成の感謝の気持ちを込めたプレゼントが学部6年生から教員や大学院生、学部4・5年生一同に送られました。最後に吉見 陽助教のお言葉で慰労会は終わりました。
これまで学部6年生にご指導を頂いたことを活かし、さらに当部門を発展させていこうと、学部4・5年生一同、気持ちを新たにしました。
(報告者:村川依代)
2017年9月7~9日
- 平成29年度薬学部卒業論文発表会
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「平成29年度薬学部卒業論文発表会」が、名城大学薬学部 新1号館ライフサイエンスホール、新3号館201教室、303教室および304教室にて開催されました。
本発表会では、当部門の学部6年の中川芹菜、岩田未来、柳本佳南、浮貝真子、藤井菜々美、加藤清香、内田美月、山田將玖郎、竹内佐織および衛生化学研究室アドバンストコースの加藤奈波が新1号館ライフサイエンスホールにて口頭発表を行いました。約2年間の研究活動の集大成として、これまでの成果を十分に発揮できた発表会でした。質疑応答では、多くの教員から幅広いご質問・ご意見を頂くことで、自分の研究を違った視点で考えることができました。本発表会では他の研究室の発表を通じて他分野の研究にも触れ、視野を広げることができました。今後、薬剤師・大学院生として業務・研究を進めていくにあたり、検討すべき課題や考慮すべき問題点を再確認する大変有意義な機会となりました。
(報告者:中川芹菜)
【口頭発表】
中川芹菜(9月7日)
「シスプラチンベースのがん化学療法におけるショートハイドレーションと有害事象に関する調査」
岩田未来(9月7日)
「シスプラチンベースのがん化学療法に伴う消化器症状に対する薬物療法に関する調査:最適な治療法の提案に向けて」
柳本佳南(9月7日)
「薬物乱用防止教育における児童参加体験型学習の有用性」
浮貝真子(9月7日)
「クロザピン反応性代謝物による細胞生存の低下におけるヒスタミンH4受容体の関与」
藤井菜々美(9月7日)
「3T3-L1細胞(脂肪細胞)における脂肪滴蓄積およびレプチンの分泌に対するクロザピンの作用」
加藤清香(9月7日)
「幼若期社会的敗北ストレス負荷マウスの社会性行動障害におけるN-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体情報伝達経路の関与」
内田美月(9月7日)
「フェンシクリジン連続投与マウスの精神行動異常におけるグリア型グルタミン酸トランスポーター(GLAST)の機能的役割」
山田將玖郎(9月7日)
「統合失調症様モデルマウスにおける精神行動に与えるニコチンの影響:セルフメディケーションとニコチン依存との関連性」
竹内佐織(9月7日)
「マウスの新生仔期プロスタグランジンE2と若齢期フェンシクリジンの複合投与が精神行動に与える影響」
加藤奈波(9月8日)
衛生化学研究室・アドバンストコース
「がん化学療法に伴う消化器症状の発現におけるセロトニン関連分子の関連性」
2017年8月1~2日
- 2017年度 ゼミ旅行:楽しく体験し、絆を深め、笑顔輝く思い出に残るゼミ旅行(長野)
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「2017年度 ゼミ旅行」で、長野県の駒ケ根市、安曇野市、小県郡、諏訪郡に行きました。
1日目:8月1日
前日までの天気予報では雨が心配されていましたが、幸い雨が降ることもなく、目的地の長野県に向かいました。
車中では、レクリエーション(レク)として、恒例の学部4年生の自己紹介、教員、大学院生、および学部5・6年生の他己紹介に加え、名前並び替えゲーム、雑学3択クイズを行いました。緊張気味の4年生も時間と共に盛り上がり、大変賑やかな移動時間となりました。
最初の目的地である駒ケ根市にあるアルプスの丘では、4つのグループに分かれ、バーベキューを行いました。限られた時間ではありましたが、学年の枠を超えて協力しながら野菜やお肉、焼きそばを調理し、楽しい昼食となりました。
昼食後は安曇野アートヒルズミュージアムに移動し、サンドブラスト体験をしました。グラスに各自デザインし、オリジナルのグラスを作りました。慣れない作業に終始真剣な面持ちで取り組み、体験後には達成感に満ち溢れた笑顔があちらこちらでみられました。
サンドブラスト体験後は安曇野ワイナリーに移動しました。ワイナリーではブドウを自社農園で栽培しており、品種やその特徴について、ブドウ畑を眺めながら解説を受けました。ワインセラーの見学やワインの熟成についても学び、試飲カウンターやショップでは各自楽しいひと時を過ごしました。ショップでは、ワインやチーズ、安曇野ワイナリーの有名商品の一つであるのむヨーグルトについて店員の説明やちゃっかり試飲・試食で吟味してから購入していました。
その後、宿泊地である大町温泉郷の黒部ビューホテルに移動しました。夕食ではりんごの天ぷらや信州そばなど、長野県の名産品をはじめとする懐石料理に舌鼓を打ちました。
夕食後は宴会場にて夜レクを行いました。今年の夜レクでは、事前アンケートによるランキング当てゲームに始まり、ジェスチャーゲーム、写真当てクイズを行いました。宴会場は終始笑いに包まれ、懇親を深めるよい時間となりました。
2日目:8月2日
早朝、教員、大学院生、アクティブな学部4~6年生が、毎年恒例の早朝ランニングへ出かけました。長野県のひんやりとした朝の空気を味わいながら、どこまでも広がる壮大な山々や田園風景を楽しむことができ、とても気持ちの良い朝となりました。
朝食後、黒部ビューホテルを出発し、2日目最初の目的地である鷹山ファミリー牧場へ向かいました。道中でのバスレクではお絵描き伝言ゲームを行い、1日目同様笑いが絶えない車中となりました。牧場では最初に、乳しぼり体験を行いました。大きな牛の迫力に圧倒されながら恐る恐る牛乳を搾っている様子が印象的でした。本来なら仔牛が飲む牛乳を、人間が食料として利用している現実に、感謝の気持ちを改めて感じました。次に、ソーセージとバター作り体験を行いました。ソーセージ作り体験では、牛肉に味付けをし、腸に詰める作業を1組2、3人に分かれて行いました。一定の太さを保つ作業に苦戦しながらも、上手に協力しながら楽しく作ることができました。バター作り体験では、牛乳のみが入った容器を8分間上下に高速で動かし、腕の痛みに耐えながら全員がバター作りを成功させることができました。できたソーセージやバターはとても新鮮で、自分で作った分、美味さも格別でした。最後の魚のつかみどりでは、川に放流されたニジマスを素手でつかみ、それをそのまま炭火で焼き、新鮮な魚の味を堪能しました。この牧場では、食材を一から準備し調理することの大変さを実感することができました。
最後の目的地のオルゴール記念館すわのねでは、事前に各自が選んだ曲でオルゴール作りを体験しました。音の調節が意外と難しく、全員が悪戦苦闘していました。完成したオルゴールの心地よい音色が心を癒しました。
帰りのバスでは、サービスエリアで休憩をはさみながら、談笑やDVD鑑賞を楽しみ、名古屋への帰路に着きました。
ゼミ旅行を振り返り、配属されたばかりの4年生も含め、全員が終始笑顔で旅行を終えることができました。全員が同じ体験をすることで、親睦が深まり、非常に楽しく過ごすことができたと思います。長野県の大自然と温泉で心も体もリフレッシュすることができ、今後の研究室活動により一層励むことができそうです。怪我やトラブルもなく、無事に名古屋に帰ってくることができ、思い出に残るとても楽しいゼミ旅行となりました。
(報告者:桒名諒美、添田光輝)
2017年7月29~30日
- 名城大学オープンキャンパス2017
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「名城大学オープンキャンパス2017」が、名城大学薬学部 八事キャンパスにて開催されました。
当部門は、教員の指導の下に、研究員、大学院生、および学部4~6年生が衛生化学研究室のアドバンスト学生と共に、来校された高校生やご父兄に対して「医薬連携薬学教育」では本学部の薬学教育の特徴を動画やポスターで説明し、「薬剤師業務の体験コーナー」では注射薬調製のデモンストレーションと実体験を2日間行いました。「医薬連携薬学教育」では、①アドバンスト臨床研修および②多職種連携教育(IPE:Inter-Professional Education)について動画やスライド、ポスターを用いて説明しました(大学院生と学部6年生担当)。「薬剤師業務の体験コーナー」では、①閉鎖式薬物移送システムによる抗がん剤調製のデモンストレーションおよび②クリーンベンチでの注射薬調製の実体験を行いました(研究員・大学院生と学部4・5年生担当)。昨年に引き続き2日とも多数(2日間で320名以上)の高校生やご父兄が参加し、「注射薬調製の体験をするのは初めてで緊張したが楽しかった」「薬剤師の仕事に興味が湧いた」「薬学部について気になっていたことを聞くことができ、参考になった」などの感想をいただき、注射薬調製の体験に再度来られる方もおり、大変好評でした。高校生にも分かりやすい説明を常に意識し、考えることで自身も成長することができました。今回のオープンキャンパスを通して、参加者が薬学部について理解を深め、将来の進路を考える上で参考になれば幸いです。
(報告者:磯村優希)
2017年6月28日
- 第11回(第51回)遠隔教育システムを利用した アドバンスト学生による活動報告会 アドバンスト症例報告会
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「第11回(第51回)遠隔教育システムを利用したアドバンスト学生による活動報告会」が、愛知医科大学病院、藤田保健衛生大学病院、名古屋大学医学部附属病院、および名城大学薬学部 ライフサイエンスホールにて同時開催されました。
藤田保健衛生大学病院の精神科外来にて研修しているアドバンスト学生が症例報告を行いました。中継施設には多くの学生や教員が参加し、多数の質疑やコメントがあり、活発な報告会となりました。
統合失調症からのリカバリー(回復)と再発防止には、服薬を継続することが重要です。クロザピン無効の治療抵抗性統合失調症では、修正型電気けいれん療法や使用経験のない抗精神病薬への切り替えなどが考慮されます。病識や薬識を改善するために、幻聴は症状の一つであり抗精神病薬の服用で改善することを繰り返し説明し、アドヒアランス向上に繋げました。客観的な評価を用いて患者の問題点を抽出し、その解決に向けた指導を行うことが大切であると学びました。今年度最後の症例報告会となり、アドバンスト活動も残りわずかとなりました。今後もアドバンスト活動で学んだことを生かし、患者に合った服薬指導や薬物療法の提案に努めていきたいと思います。
(報告者:加藤奈波)
【藤田保健衛生大学病院】
「治療抵抗性統合失調症患者の薬物療法における薬剤師の役割」
2017年6月25日
- 2017年度 歓迎会:新体制のもと親睦を深めた一日
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「2017年度 歓迎会:新体制のもと親睦を深めた一日」が、スポルト名古屋およびNIJYU-MARU鶴舞店にて開催されました。
本年度の歓迎会では、当部門の博士課程に進学した伊藤貴博先輩、新しく配属された学部4年との親睦を深めるために、第3回ボウリング大会を同時に開催しました。
ボウリング大会には、野田幸裕教授、吉見 陽助教をはじめ、研究員1名、博士課程2名、学部6年7名、学部5年7名、および学部4年9名の総勢28名が参加し、個人戦および団体戦を行いました。第1ゲームの個人戦では最初は緊張した面持ちだった学部4年生も、終盤には先生方や先輩方と声を掛け合い、ハイタッチするなど打ち解け、大いに盛り上がりました。2年連続で個人戦優勝を果たしてきた野田幸裕教授の牙城は、学部5年のダークホース桒名諒美の連続スペアにより惜しくも崩れ去りましたが、依然正確無比な投球はご健在でした。均衡を見せた上位勢における来年度のスコアに期待です。第2ゲームの団体戦は、個人戦のスコアに基づいて6チームに編成し、団体戦に増して白熱したゲームとなりました。
その後、NIJYU-MARU鶴舞店にて歓迎会を開催しました。ボウリング大会に参加できなかった学生も加わり、総勢30名が参加しました。会の始めには野田幸裕教授から各学年へ、ボウリング大会の様子を振り返ったご挨拶をいただきました。会も盛り上がった頃、博士課程に進学された伊藤先輩と新規配属学部4年生に野田幸裕教授と吉見 陽助教から歓迎状が贈呈されました。最後に吉見 陽助教から締めのお言葉をいただき、終宴となりました。ボウリング大会に引き続き、和やかな雰囲気で楽しいひと時を過ごすことができました。今回築き上げたよい雰囲気を今後の活動の発展につなげていきたいと思いました。
(報告者:桒名諒美、村川依代)
個人戦:1位 桒名諒美
2位 伊藤貴博先輩
3位 野田幸裕教授
団体戦優勝:伊藤貴博先輩、山田將玖郎先輩、田代侑子、いまみゆき、内田鷹司
2017年6月21日
- 第10回(第50回)遠隔教育システムを利用した アドバンスト学生による活動報告会 アドバンスト症例報告会
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「第10回(第50回)遠隔教育システムを利用したアドバンスト学生による活動報告会」が、愛知医科大学病院、藤田保健衛生大学病院、名古屋大学医学部附属病院、および名城大学薬学部 ライフサイエンスホールにて同時開催されました。
愛知医科大学病院の循環器内科にて研修しているアドバンスト学生が症例報告を行いました。中継施設には多くの学生や教員が参加し、多数の質疑やコメントがあり、活発な報告会となりました。
心不全の重症度を評価するNYHA分類がⅣ度の心不全患者には、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)、β遮断薬、抗アルドステロン薬、および利尿薬による薬物治療が行われます。心不全患者にARBに加え、ACE阻害薬を併用した場合の有効性と安全性に関する情報を収集し、血圧や副作用のモニタリングを行い併用の是非を検討しました。今後のアドバンスト活動において、新規薬剤導入時には、使用薬との相互作用について注視し、最適な薬物療法を提案していきたいです。
(報告者:岩田未来)
【愛知医科大学病院】
「うっ血性心不全患者に対する薬剤師の介入」
2017年6月14日
- 第9回(第49回)遠隔教育システムを利用した アドバンスト学生による活動報告会 アドバンスト症例報告会
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「第9回(第49回)遠隔教育システムを利用したアドバンスト学生による活動報告会」が、愛知医科大学病院、藤田保健衛生大学病院、名古屋大学医学部附属病院、および名城大学薬学部 ライフサイエンスホールにて同時開催されました。
藤田保健衛生大学病院の内分泌・代謝内科にて研修しているアドバンスト学生が症例報告を行いました。中継施設には多くの学生や教員が参加し、多数の質疑やコメントがあり、活発な報告会となりました。
非小細胞肺癌の病期がStageⅣの患者には化学療法、あるいはがん免疫療法が推奨されています。新規免疫チェックポイント阻害薬であるニボルマブによるがん免疫療法施行後に甲状腺機能が低下しました。甲状腺機能低下症の治療薬であるレボチロキシンナトリウムの用法・用量の妥当性、効果や副作用のモニタリングを行いました。使用薬の副作用は発現時期や頻度に関わらず、注意深くモニタリングする必要があることを学びました。今後のアドバンスト活動において、患者からの訴えなどから、症状の早期発見に努め、迅速な対応ができるように介入していきたいです。
(報告者:浮貝真子)
【藤田保健衛生大学病院】
「ニボルマブによる甲状腺機能低下症が疑われた症例」
2017年5月31日
- 第8回(第48回)遠隔教育システムを利用した アドバンスト学生による活動報告会 アドバンスト症例報告会
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「第8回(第48回)遠隔教育システムを利用したアドバンスト学生による活動報告会」が、愛知医科大学病院、藤田保健衛生大学病院、名古屋大学医学部附属病院、および名城大学薬学部 ライフサイエンスホールにて同時開催されました。
安城更生病院の神経内科・脳外科にて研修しているアドバンスト学生が症例報告を行いました。中継施設には多くの学生や教員が参加し、多数の質疑やコメントがあり、活発な報告会となりました。
脳出血および急性水頭症を併発した症候性てんかんに対する、新規抗てんかん薬:レベチラセタムの使用において、治療薬物モニタリング(TDM)の結果に基づく用法用量を提案していました。提案後も症状と血中濃度からレベチラセタムの効果を評価し、治療方針の決定に貢献していました。TDMによる最適な薬物治療の実施において、薬剤師が専門性を発揮できることを学びました。今後のアドバンスト活動において、患者に最適な薬物投与計画を立案し、個別化医療の提供に繋げていきたいです。
(報告者:岩田未来)
【安城更生病院】
「レベチラセタム服用患者における薬物動態からみた薬物投与設計の検討」
2017年5月27日
- 2017年度 ソフトボール大会:青い空の下での白熱の戦い
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「2017年度 ソフトボール大会」が、名城大学第1・第2グラウンドにて開催されました。
当部門は2年ぶりの出場であり、野田幸裕教授、吉見 陽助教をはじめ、博士課程1年の伊藤貴博先輩、学部6年7名、学部5年8名、および学部4年8名が参加しました。
前日まで雨天が続いていましたが、大会当日は天気に恵まれ、晴れやかな青空の下でソフトボールを楽しみました。1試合目は「Jack Thomas with 病薬」(病院薬学研究室)チームとの対戦でした。野田幸裕教授をはじめ、勇猛な攻めと守りで接戦となりました。2試合目は、配属されたばかりの学部4年も積極的に参加し、全員野球の試合でした。結果は残念ながら2敗のため、決勝リーグには進めませんでしたが、参加者の活躍に応援者一同も熱くなった大会でした。
終了後は、名城大学薬学部 八事キャンパスにて打ち上げを行いました。試合を振り返りながらお菓子や手作りのかき氷を食べ、疲れた体を休めて楽しい時間を過ごすことが出来ました。来年も是非出場し、当部門一丸となって勝利を目指したいと思います。
(報告者:平松愉加)
2017年5月24日
- 2017年度 談話会:配属4年生との顔合わせ
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「2017年度 談話会:配属4年生との顔合わせ」が、名古屋大学医学部附属病院内の名城大学薬学部 サテライトセミナー室にて開催されました。
2017年度、当部門配属4年生10名(研究コース4名、アドバンストコース3名、および学術研究コース3名)が決定しました。恒例の顔合わせ談話会では、初対面ながらも早速打ち解けることができました。当部門の野田幸裕教授、吉見 陽助教から歓迎の言葉と自己紹介があり、続いて学部4年生、大学院生、6年生、5年生の順に自己紹介をしました。その後、お菓子や飲み物を囲んで歓談し、本年度は歓迎用のケーキを4年生に大判振る舞いしました。会の締め括りとして集合写真を撮影しました。新たに4年生も配属され、当部門の今後の活動がより一層、活気付いていくだろうと感じられた会でした。
(報告者:山口修外)
2017年5月24日
- 第7回(第47回)遠隔教育システムを利用した アドバンスト学生による活動報告会 アドバンスト症例報告会
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「第7回(第47回)遠隔教育システムを利用したアドバンスト学生による活動報告会」が、愛知医科大学病院、藤田保健衛生大学病院、名古屋大学医学部附属病院、および名城大学薬学部 ライフサイエンスホールにて同時開催されました。
藤田保健衛生大学病院の腎内科にて研修しているアドバンスト学生が症例報告を行いました。中継施設には多くの学生や教員が参加し、多数の質疑やコメントがあり、活発な報告会となりました。
IgA血管炎は、腹痛、関節痛、および紫斑などの症状が特徴的な原因不明の全身性小血管炎です。成人では腎炎の発症が高く、重症例ではステロイドパルス療法を行います。副腎皮質ステロイド薬は高血糖、感染症、および満月様顔貌など多岐にわたる副作用が発現し、投与量や時期によって発現する副作用が異なります。副腎皮質ステロイド薬の投与時期によって発現しやすい副作用の自覚症状や対策について、患者が理解しやすいように説明書を用いて行いました。食後高血糖が発現した場合には、α-グルコシダーゼ阻害薬であるボグリボースを提案し、血糖値の変動および低血糖や消化器症状などについてモニタリングしました。副作用の発現時期を考慮した指導や症状および副作用のモニタリングを行うことの重要性を学びました。今後もアドバンスト活動において、患者の状況に合った服薬指導や薬物療法が提案できるようにしていきたいと思います。
(報告者:加藤奈波)
【藤田保健衛生大学病院】
「IgA血管炎のステロイド治療に対する薬剤師の介入」
2017年5月17日
- 第6回(第46回)遠隔教育システムを利用した アドバンスト学生による活動報告会 アドバンスト症例報告会
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「第6回(第46回)遠隔教育システムを利用したアドバンスト学生による活動報告会」が、愛知医科大学病院、藤田保健衛生大学病院、名古屋大学医学部附属病院、および名城大学薬学部 ライフサイエンスホールにて同時開催されました。
名古屋大学医学部附属病院の呼吸器内科・外科にて研修しているアドバンスト学生が症例報告を行いました。中継施設には多くの学生や教員が参加し、多数の質疑やコメントがあり、活発な報告会となりました。
非小細胞肺癌で病期がStageⅡでは、手術と化学療法が推奨されており、手術後には化学療法としてシスプラチンとペメトレキセドによる治療が行われます。シスプラチンは高度催吐性リスクに分類されるため、制吐薬適正使用ガイドラインに基づいてニューロキニン1(NK1)受容体拮抗薬、セロトニン5-HT3受容体拮抗薬、および副腎皮質ステロイド薬による制吐療法が行われます。化学療法の1コース目に悪心・食欲不振が強く発現したため、2コース目施行前に半減期の長いセロトニン5-HT3受容体拮抗薬であるパロノセトロンへの変更、制吐療法を強化しました。その結果、2コース目以降は悪心・食欲不振は軽減し、化学療法を中断することなく4コースを完遂することができました。がん化学療法では、患者が安全に安心して治療が継続できるように支持療法を強化するための治療薬を提案することの重要性を学びました。今後のアドバンスト活動において、患者が納得して薬物治療を受けられるように、副作用を軽減できる対策を積極的に提案していけるようにしていきたいと思いました。
(報告者:柳本佳南)
【名古屋大学医学部附属病院】
岩田未来
「化学療法施行中の非小細胞肺癌患者への支持療法と吸入指導」
2017年5月10日
- 第5回(第45回)遠隔教育システムを利用した アドバンスト学生による活動報告会 アドバンスト症例報告会
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「第5回(第45回)遠隔教育システムを利用したアドバンスト学生による活動報告会」が、愛知医科大学病院、藤田保健衛生大学病院、名古屋大学医学部附属病院、および名城大学薬学部 ライフサイエンスホールにて同時開催されました。
愛知医科大学病院のEICU・GICUにて研修しているアドバンスト学生が症例報告を行いました。中継施設には多くの学生や教員が参加し、多数の質疑やコメントがあり、活発な報告会となりました。
劇症肝炎は、脳浮腫・肝性脳症・肝腎症候群・腹水などの症状が現れ、様々な症状に対する対症療法や人口肝補助療法、肝移植など迅速な治療が必要とされます。劇症肝炎の治療への介入として薬剤師は経腸栄養剤や輸液などの栄養管理や抗菌薬の治療薬物モニタリングなどを行いました。栄養管理においては、高アンモニア血症となると肝性脳症が悪化するため、BTR(分岐鎖アミノ酸/チロシンモル比)を用いてアンモニア処理能力の評価を行いました。アミノ酸インバランスの是正とアンモニア処理を促進する目的で分岐鎖アミノ酸製剤を提案しました。患者の病態に合わせて最善の治療を提案していく難しさを学びました。今後のアドバンスト活動において、患者の病態を考慮した適切かつ迅速な栄養療法への介入や薬物療法を提案できるよう精進していきたいです。
(報告者:浮貝真子)
【愛知医科大学病院】
「劇症肝炎患者への薬学的介入―BTRを用いた栄養評価―」
2017年4月26日
- 第4回(第44回)遠隔教育システムを利用した アドバンスト学生による活動報告会 アドバンスト症例報告会
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「第4回(第44回)遠隔教育システムを利用したアドバンスト学生による活動報告会」が、愛知医科大学病院、藤田保健衛生大学病院、名古屋大学医学部附属病院、および名城大学薬学部 ライフサイエンスホールにて同時開催されました。
藤田保健衛生大学病院の精神科外来にて研修しているアドバンスト学生が症例報告を行いました。中継施設には多くの学生や教員が参加し、多数の質疑やコメントがあり、活発な報告会となりました。
シクレスト舌下錠(アセナピン)は、ドパミンやセロトニン受容体など様々な受容体に高親和性を示すMARTA(多元受容体作用抗精神病薬)に分類される新規抗精神病薬です。一方、オランザピンなどのMARTAに比べて、ムスカリン受容体に低親和性を示すという特徴もあります。副作用として、眠気、口の感覚鈍麻、および錐体外路症状などがあります。シクレスト舌下錠導入前より不眠症であったことを考慮し、夕食後から就寝前に用法変更を提案することで、本来副作用である眠気を睡眠改善に利用していました。副作用は治療を行っていく上で、服薬アドヒアランスを低下させる要因となりますが、上手く副作用を利用していくことが服薬アドヒアランスを向上させる手段になることを学びました。今後のアドバンスト活動において、患者の状態を聴取し、患者に合った用法も考慮した薬物療法が提案できるようにしていきたいです。
(報告者:柳本佳南)
【藤田保健衛生大学病院】
「統合失調症患者への新規抗精神病薬使用における薬剤師の関わり」
2017年4月22日
- 2017年度 第7回研究・大学活性化を目的とした学生フォーラム(名古屋)
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「名城大学 第7回研究・大学活性化を目的とした学生フォーラム」が、名城大学薬学部にて、「薬学生の未来を考える。」をテーマに開催されました。
当部門の学部6年である藤井菜々美および加藤清香が口頭発表を行いました。藤井さんの発表では使用薬物の臨床濃度と曝露濃度との相関性について、加藤さんの発表ではストレス負荷回数に対するストレス応答性についての質問や意見を頂きました。その他、名古屋大学医学部附属病院におけるアドバンスト活動についてアドバンストコースの学部6年生、薬学研究科薬学専攻博士課程について博士課程生(伊藤貴博)、および当部門の研究室活動について学部5年が紹介しました。いずれの紹介も多数の学部4年生などがブースに訪れ、大変盛況でした。今回初めての試みである学部生を講師としたモデル学生講演において、在学中に罹患した病気の経験を語った講演では入院中の心情などを聞くことができ、患者の気持ちに寄り添った薬剤師の接し方について学ぶことができました。特別企画では、「かかりつけ薬剤師の在り方」というテーマにて、かかりつけ薬剤師制度、現場での患者との接し方、あるいはこれからの薬剤師の在り方について、実際に働いている薬剤師による座談会が開催されました。本フォーラムを通して、様々な発表を聴くことにより、研究に対するモチベーションが向上するとともに、かかりつけ薬剤師の在り方について改めて考えることができ、卒業後の将来にも繋がる大変有意義な1日となりました。
(報告者:添田光輝)
【口頭発表】
藤井菜々美
「3T3-L1細胞(脂肪細胞)におけるレプチンの分泌および脂肪滴蓄積に対するクロザピンの作用」
加藤清香
「幼若期社会的敗北ストレス負荷による社会性行動障害におけるNMDA受容体シグナル伝達系の関与」
【ポスター発表】
岩田未来、柳本佳南、浮貝真子、加藤奈波
「アドバンストコース紹介 名古屋大学医学部附属病院」
桒名諒美、城間由奈、添田光輝、田代侑子、林 千裕、平松愉加、村川依代、髙木修平
「研究室紹介 病態解析学Ⅰ」
【口頭紹介】
伊藤貴博
「大学院紹介 病態解析学Ⅰ」
2017年4月19日
- 第3回(第43回)遠隔教育システムを利用した アドバンスト学生による活動報告会 アドバンスト症例報告会
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「第3回(第43回)遠隔教育システムを利用したアドバンスト学生による活動報告会」が、愛知医科大学病院、藤田保健衛生大学病院、名古屋大学医学部附属病院、および名城大学薬学部 ライフサイエンスホールにて同時開催されました。
名古屋大学医学部附属病院の腎臓内科・泌尿器科にて研修しているアドバンスト学生が症例報告を行いました。中継施設には多くの学生や教員が参加し、多数の質疑やコメントがあり、活発な報告会となりました。
生体腎移植後は拒絶反応を避けるために、タクロリムス、ミコフェノール酸モフェチル、あるいはプレドニゾロンなどの免疫抑制剤が併用されます。タクロリムスは吸収に個人差があり、有効血中濃度よりも低い場合は拒絶反応、高い場合は副作用の発現の可能性があることから、治療薬物モニタリング(TDM)による投与量の調節が必要です。タクロリムスの血中濃度、血液検査値、および患者面談から拒絶反応発現の可能性がないか、また副作用である低マグネシウム血症や高尿酸血症を確認し、副作用発現時には薬の提案など、迅速に対応しました。中止や減量が難しい免疫抑制剤による副作用の対策・対応は早期に行えるように注意深く患者をモニタリングする必要があることを学びました。今後のアドバンスト活動において、副作用に迅速に対応できるように血中濃度や検査値をモニタリングし、患者個々に合った処方提案ができるよう精進していきたいです。
(報告者:岩田未来)
【名古屋大学医学部附属病院】
加藤奈波
「腎移植における免疫抑制剤の血中濃度モニタリングによる介入」
2017年4月12日
- 第2回(第42回)遠隔教育システムを利用した アドバンスト学生による活動報告会 アドバンスト症例報告会
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「第2回(第42回)遠隔教育システムを利用したアドバンスト学生による活動報告会」が、愛知医科大学病院、藤田保健衛生大学病院、名古屋大学医学部附属病院、および名城大学薬学部 ライフサイエンスホールにて同時開催されました。
愛知医科大学病院の呼吸器内科・外科にて研修しているアドバンスト学生が症例報告を行いました。中継施設には多くの学生や教員が参加し、多数の質疑やコメントがあり、活発な報告会となりました。
非小細胞肺癌に対する遺伝子解析によりEGFR遺伝子変異があると判明したため、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬であるアファチニブによる治療が行われました。アファチニブは、下痢、皮膚障害、口内炎、あるいは爪の異常などの副作用発現頻度が高いため、有害事象共通用語基準(CTCAE) v4.0を用いて慎重にgrade評価して副作用管理を行いました。各副作用の発現時期が異なるため、継続的にモニタリングして対応していく重要性を学びました。また、がん疼痛に対して使用していたオキシコドンから、副作用発現が少ないフェンタニルテープへのオピオイドスイッチングがされ、疼痛評価尺度であるNRS(numerical rating scale)やCTCAE v4.0を用いて客観的に薬効や副作用を評価しました。今後のアドバンスト活動において、薬効や副作用を客観的に評価し、他職種にフィードバックすることによって協働して有害事象などに適切に対応できるよう精進していきたいと思いました。
(報告者:柳本佳南)
【愛知医科大学病院】
「非小細胞肺癌患者におけるアファチニブ錠の副作用管理とオピオイドによる疼痛コントロール」
2017年4月6日
- 2017年度 お花見会:桜雨降る中での盛宴
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「2017年度 お花見会」が、和洋折衷ダイニング 集にて開催されました。
当日は生憎の雨で、予定していた鶴舞公園の桜の下での集合写真撮影はできませんでした。居酒屋へ向かう道すがら、雨の滴る美しい夜桜を堪能することはできました。会は、野田幸裕教授による乾杯の挨拶から始まりました。当部門のOBでもあり、薬効解析学研究室の水野智博先生にも参加いただき、美味しい食事を囲みながら、とても楽しい時間を過ごすことができました。会の最後には、吉見 陽助教より締めの言葉をいただき、今年度も当部門一同頑張っていこうと気を引き締めることができました。
(報告者:林 千裕)
2017年4月5日
- 第1回(第41回)遠隔教育システムを利用した アドバンスト学生による活動報告会 アドバンスト症例報告会
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「第1回(第41回)遠隔教育システムを利用したアドバンスト学生による活動報告会」が、愛知医科大学病院、藤田保健衛生大学病院、名古屋大学医学部附属病院、および名城大学薬学部 ライフサイエンスホールにて同時開催されました。
安城更生病院の外科・婦人科病棟にて研修しているアドバンスト学生が症例報告を行いました。中継施設には多くの学生や教員が参加し、多数の質疑やコメントがあり、活発な報告会となりました。
卵巣癌の術後補助化学療法として用いられるベバシズマブ+パクリタキセル/カルボプラチン(BV+TC)療法における副作用として、血圧上昇、末梢神経障害、骨髄抑制、タンパク尿、および脱毛などがあります。血圧上昇はBVに特徴的な副作用であり、治療期間中は血圧値の推移を確認する必要があります。家庭血圧が高い患者の面談を通して、適切な血圧の自己管理ができるように指導しました。適切な血圧の自己管理からBVの適切な副作用評価の実施と治療の継続に繋がり、検査値の適切な評価の重要性を学ぶことができました。今後のアドバンスト活動において、使用薬による副作用とその発現時期を把握し、適切な評価や対処法が提案できるよう精進していきたいと思いました。
(報告者:浮貝真子)
【安城更生病院】
「ベバシズマブ+パクリタキセル/カルボプラチン療法を施行した卵巣癌患者との関わりを通して学んだこと」
2017年3月29日
- 第12回(第40回)遠隔教育システムを利用した アドバンスト学生による活動報告会 アドバンスト症例報告会
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「第12回(第40回)遠隔教育システムを利用したアドバンスト学生による活動報告会」が、愛知医科大学病院、藤田保健衛生大学病院、名古屋大学医学部附属病院、および名城大学薬学部 ライフサイエンスホールにて同時開催されました。
藤田保健衛生大学病院の内分泌代謝内科にて研修しているアドバンスト学生が症例報告を行いました。中継施設には多くの学生や教員が参加し、多数の質疑やコメントがあり、活発な報告会となりました。プラダー・ウィリー症候群は知的障害および過食による肥満を特徴とし、糖尿病の合併が問題となります。プラダー・ウィリー症候群患者の糖尿病治療方針としては、薬物療法を中心とした血糖コントロールを実施することを学びました。その治療に使用される糖尿病治療薬のイプラグリフロジン(SGLT2阻害薬)による尿路感染症、メトホルミン(ビグアナイド薬)による乳酸アシドーシス、およびリラグルチド(GLP-1受容体作動薬)による麻痺性イレウスなどの副作用の初期症状を患者に多職種で説明し、患者情報を共有しながら糖尿病薬物治療を行うことの重要性を学びました。今後のアドバンスト活動において、疾患や薬剤の特徴を把握し、患者の状況に最適な薬剤を提案していけるよう精進していきたいと思いました。
(報告者:岩田未来)
【藤田保健衛生大学病院】
「糖尿病治療薬による副作用が疑われたプラダー・ウィリー症候群の1例」
2017年3月28日
- 2016年度 送別会:追い出しコンパ
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「2016年度 送別会」が、名駅個室居酒屋 柚柚~yuyu~名古屋駅前店にて開催されました。
椿井 朋先生が大学院学位取得・修了し、7名の学部生が卒業されたことをお祝いするために、OBの先輩を含め総勢31名が参加しました。野田幸裕教授の挨拶から始まり、先輩方と当部門での生活を振り返りながら、談笑を楽しみました。会の中盤には在籍する一同から、昨年度、博士(薬学)を取得された薬学研究科 第一期修了生の肥田裕丈先生と椿井 朋先生へ当室オリジナルの卒業アルバムと記念品を贈呈しました。学部卒業生から野田幸裕教授と吉見 陽助教へは寄せ書き、在籍する一同へは記念品を頂きました。会の最後は、学部卒業生にお見送りされながら解散し、名残惜しくも楽しいひと時を過ごしました。
先輩方には最後まで人を慮り大切にすることを教えていただきました。これからもお元気にご活躍されることをお祈りいたします。
(報告者:山田將玖郎)
2017年3月17日
- 2016年度 卒業式:博士課程修了生と学部卒業生への記念品授与
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「2016年度 卒業式」が、愛知県体育館にて、「平成28年度学位記授与式・祝賀会」が、名古屋マリオットアソシアホテルにて開催されました。
当部門からは薬学研究科博士課程(4年制)第1、2期修了生として2名、6年制薬学部第6期卒業生として6名が卒業しました。学部卒業生の伊藤貴博は学位授与式にて学部長表彰を受けました。お世話になった先輩方が当部門を去られるのは寂しいですが、先輩方から教えて頂いたことを一つ一つ思い出し、後輩一同、精一杯当部門を盛り上げていきます。先輩方が「病態解析学Ⅰ」で培った経験を活かし、各方面でより一層ご活躍されることを心からお祈りしています。
(報告者:竹内佐織)
2017年3月8日
- 第11回(第39回)遠隔教育システムを利用した アドバンスト学生による活動報告会 アドバンスト症例報告会
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「第11回(第39回)遠隔教育システムを利用したアドバンスト学生による活動報告会」が、愛知医科大学病院、藤田保健衛生大学病院、名古屋大学医学部附属病院、および名城大学薬学部 ライフサイエンスホールにて同時開催されました。
名古屋大学医学部附属病院の皮膚科にて研修しているアドバンスト学生が症例報告を行いました。中継施設には多くの学生や教員が参加し、多数の質疑やコメントがあり、活発な報告会となりました。DIHS(薬剤性過敏症症候群)は重症の薬疹であり、薬物治療として副腎皮質ステロイド薬が用いられます。患者が副腎皮質ステロイド薬の使用に不安を持っていましたが、薬剤師が症状の予防や対策を事前に説明したことで、不安軽減や服薬継続へと繋げることができました。また、てんかんや肝機能低下のある患者の掻痒症状に対して、中枢移行性や代謝経路を考慮した抗ヒスタミン薬が選択されることを学びました。今後のアドバンスト活動において、薬の特性を深く学び、患者の不安に向き合いながら個々に合った服薬説明や処方提案ができるよう精進していきたいです。
(報告者:加藤奈波)
【名古屋大学医学部附属病院】
浮貝真子
「てんかん治療中に発症したDIHS患者におけるステロイド治療への薬剤師の介入」
2017年2月22日
- 第10回(第38回)遠隔教育システムを利用した アドバンスト学生による活動報告会 アドバンスト症例報告会
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「第10回(第38回)遠隔教育システムを利用したアドバンスト学生による活動報告会」が、愛知医科大学病院、藤田保健衛生大学病院、名古屋大学医学部附属病院、および名城大学薬学部 ライフサイエンスホールにて同時開催されました。
藤田保健衛生大学病院の精神科にて研修しているアドバンスト学生が症例報告を行いました。中継施設には多くの学生や教員が参加し、多数の質疑やコメントがあり、活発な報告会となりました。治療抵抗性統合失調症治療薬であるクロザピン投与中止後の再投与について学びました。悪性症候群が発現したため投与中止となりましたが、論文から再投与に関する情報を収集し、そのエビデンスを他職種と共有することで治療再開でき、精神症状の改善に至りました。患者に最適な薬物治療を提案するために、ガイドラインに記載がない場合でも、自ら情報収集し、新しい情報を吟味して取り入れていくことが大切であることを学びました。今後のアドバンスト活動において、今までの知識のみならず常に新しい情報にも目を向け、患者の状況に合った薬物療法の提案に活かしていけるよう精進していきたいと思います。
(報告者:柳本佳南)
【藤田保健衛生大学病院】
「治療抵抗性統合失調症のクロザピン治療における薬剤師の役割」
2017年2月17日
- 第9回(第37回)遠隔教育システムを利用した アドバンスト学生による活動報告会 アドバンスト症例報告会・多職種連携教育に関する講演会
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「第9回(第37回)遠隔教育システムを利用したアドバンスト学生による活動報告会」および「多職種連携教育に関する講演会」が、愛知医科大学病院、藤田保健衛生大学病院、名古屋大学医学部附属病院、および名城大学薬学部 サイエンスホールにて同時開催されました。
名古屋大学医学部附属病院の精神科にて研修しているアドバンスト学生が症例報告を行いました。薬剤師がDIEPSSやDAI-10を用いて副作用の発現やアドヒアランスを客観的に評価し、その情報を多職種と共有することで、患者に最適な薬物療法を提案できることを学びました。
多職種連携教育に関する講演会では、神戸市立医療センター中央市民病院院長補佐・薬剤部長の橋田 亨先生が多職種協働で活躍する薬剤師について講演を行いました。病院薬剤師が外来での服薬指導にも関わり、アドヒアランス向上に貢献していることを紹介されました。名古屋大学医学部附属病院においても、吸入療法支援や慢性腎不全薬剤師外来などアドヒアランス向上に向けた取り組みが行われています。本講演から、薬剤師はベットサイドだけでなく、自ら活躍する場を広げ、治療に対して積極的に関わることが重要であることを強く感じました。
中継施設には多くの学生や教員が参加し、多数の質疑やコメントがあり、活発な報告会・講演会となりました。今後のアドバンスト活動において、患者個々に合わせた薬物療法の提案や、外来での薬物療法支援に関わり、アドヒアランス向上に寄与できるよう精進していきたいと思います。
(報告者:浮貝真子)
●アドバンスト症例報告会
【名古屋大学医学部附属病院】
柳本佳南
「双極性障害患者におけるEPS(錐体外路症状)の発現と薬剤の最適化」
●多職種連携教育に関する講演会
橋田 亨先生
「多職種協働で活躍する薬剤師とそれを支える大学-医療連携プラットホーム」
2017年1月27日
- 2016年度 新年会:空前絶後の超絶怒涛の運試し!
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「2016年度 新年会」が、炉端焼きかぶと名駅本店にて、開催されました。
野田幸裕教授、吉見 陽助教、博士課程の先輩方、研究活動やアドバンスト活動、実務実習に取り組む学部5年、OSCE、CBT、あるいは基礎薬学総論試験を終え一息ついた学部4年が一堂に会しました。残念ながら、薬剤師国家試験に向けて、勉強されている学部6年の先輩方の参加はありませんでしたが、総勢23名で開催することが出来ました。野田先生から、乾杯の挨拶として昨年の振り返りと今年の抱負についてお話いただいた後、もつ鍋を囲み、和気あいあいと楽しい時間を過ごしました。今回は新年会ということで、学部5年の内田美月、竹内佐織、山田將玖郎が準備した「おみくじ」を全員で引き、運試しを行いました。大吉から大凶だけでなく、「犬吉」や「太吉」など一見大吉に見えるようなひっかけもあり、各々一喜一憂して楽しみました。見事大吉を引きあてた方と、残念ながら大凶を引いてしまった方には図書カードが贈呈されました。新年を迎え、すでに一か月が過ぎました。今年も気を引き締めて頑張っていきたいと思います。
(報告者:加藤清香)大吉:磯村優希
2017年5月16~17日
- 米国サンフォード大学薬学部から臨床研修生 John Charles Thomas Jrさんが名古屋大学医学部附属病院および病態解析学Ⅰを訪問
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米国サンフォード大学薬学部4年生 John Charles Thomas Jrさんが、日本における臨床薬学教育研修の一環として、名古屋大学医学部附属病院(名大病院)および病院内に設置された名城大学薬学部 サテライトセミナー室病態解析学Ⅰにて臨床研修を実施しました。
○16日午前
1)当部門・メンバー紹介:サテライトセミナー室にて当部門のメンバーがそれぞれ自己紹介し、吉見 陽助教が当部門の活動や研究内容、日本の薬学部のカリキュラムについてスライドで説明しました。臨床研修生がそれぞれの紹介内容について気になる点を質問するなど、和気あいあいとした雰囲気の中でメンバー紹介が行われました。
2)日本文化Ⅰ(ウェルカムパーティ):臨床研修生に和食文化を理解してもらうため、昼食におにぎりやいなり寿司などを用意しました。臨床研修生は、はしを上手に使いながらいなり寿司やオードブルの唐揚げを堪能し、好きな日本のマンガやアニメ、日本滞在中の週末の予定について会話が弾みました。いなり寿司が大好評で機会があればまた食べたいと希望していました。
○16日午後
3)臨床研修Ⅰ(アドバンスト活動紹介):アドバンストコースの学部6年生4名が名大病院の精神科/親と子どもの心療科、血管外科/歯科口腔外科/皮膚科/総合診療科、腎臓内科/泌尿器科、および呼吸器内科/呼吸器外科の病棟の特徴、薬物治療の効果や副作用のモニタリング、カンファレンス参加など、病棟薬剤師の活動内容を説明しました。その後、各病棟での症例発表を行いました。
4)臨床研修Ⅱ(病院内見学):名大病院内の薬剤部や外来化学療法室などを見学しながら、名大病院の概要や薬剤師の役割について説明しました。麻薬室の見学時に、米国では突発性疼痛に対して医療用麻薬の速放性製剤であるオキノーム散が使用されるのは稀であり、一般的に錠剤や注射剤を使用するということを知りました。オキノーム散に関わらず米国では粉末製剤を使用することが稀であることを学びました。
○17日午前
1)日本文化Ⅱ(書道と和菓子):日本の伝統文化の紹介として、書道を行いました。臨床研修生に漢字の意味を教え、学部生が横で手本を見せながら、気に入った漢字を書いてもらいました。臨床研修生の名前も気に入った当て字を選んで書いてもらい、学部生はそれぞれ自分の名前を書いて記念撮影を行いました。臨床研修生は小筆で漢字の意味やサインを書くなど、楽しそうに書道に取り組んでいました。その後、数種類の和菓子から気に入ったものを選んでもらい、急須で淹れた緑茶と和菓子を楽しみました。
○17日午後
2)臨床研修Ⅲ(臨床研修生によるサンフォード大学の紹介):サンフォード大学薬学部での薬学教育やキャンパスライフについて、臨床研修生にヘルスケアイベントの写真などを提示しながら紹介してもらいました。1年次から医薬品情報学や病態生理学などを学び、高学年になるにつれて内容がより臨床的になると言っていました。臨床研修生の所属するクラブ活動の一環として、薬学生が血圧値や血糖値の測定を行う健康診断などに参加しており、大学の講義以外にも積極的に臨床経験を積んでいました。
3)臨床研修Ⅳ(病棟見学):臨床研修生は米国での長期の病院実習を行う前であり、より詳細に病棟薬剤師の業務内容や各病棟の特徴を紹介するために、血管外科/歯科口腔外科/皮膚科/総合診療科の混合病棟および精神科/親と子どもの心療科の病棟を見学してもらいました。血管外科/歯科口腔外科/皮膚科/総合診療科の混合病棟では、病棟での注射剤の管理方法について実際に注射カートを見せながら説明しました。精神科/親と子どもの心療科では、ホールや中庭にて作業療法として、塗り絵やストレッチ、卓球などを行うこと、興奮状態にある患者は、一時的に保護室に隔離されることがあり、他の病棟とは異なる設備や病室があることを説明しました。短い時間ではありましたが、日本の病棟薬剤師の活動や各病棟の特徴について病棟を回ることで理解してもらえた様子でした。
2日間という短い期間でしたが、日本文化の紹介などを楽しみながらも、臨床研修生による米国の薬学教育の紹介などを通して薬物治療や米国の薬学教育について学びました。臨床研修生のように積極的に実習や研究活動に取り組み、今後の学生生活をより一層充実させていきたいと感じました。
(報告者:磯村優希)
2017年4月18~19日
- 米国アリゾナ大学薬学部から臨床研修生Sierra K. Fungさん、Jackie Huさんが名古屋大学医学部附属病院および病態解析学Ⅰを訪問
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米国アリゾナ大学薬学部4年生 Sierra K. Fungさん、Jackie Huさんが、日本における臨床薬学教育研修の一環として、4月10日~5月4日まで来日しました。4月10日~4月14日の5日間、神戸学院大学薬学部での臨床研修後、4月17日~5月2日の15日間、名城大学薬学部にて臨床研修を行いました。4月18日~4月19日の2日間、名古屋大学医学部附属病院(名大病院)および病院内に設置された名城大学薬学部 サテライトセミナー室病態解析学Ⅰにて臨床研修を実施しました。
〇18日午前
1)当部門・メンバー紹介:サテライトセミナー室にて当部門のメンバーがそれぞれ自己紹介し、野田幸裕教授、吉見 陽助教がそれぞれ当部門の活動や研究内容、日本の薬学部のカリキュラムについてスライドで説明しました。米国の薬学部(Pharm Dコース)のカリキュラムにまで会話は拡がりました。その中でも米国の薬学部では1~3年目には長期療養施設(45時間)、病院(120時間)、薬局(120時間)でのIPPE(Introductory Pharmacy Practice Experiences)、4年目には様々な臨床施設(42週間)でのAPPE(Advanced Pharmacy Practice Experience)が実施されます。この様に、米国では日本よりも実務実習期間が長く、より臨床を重視した薬学教育のもとで知識・技能・態度を深めていることを知りました。
2)日本文化Ⅰ(ウェルカムパーティ):臨床研修生に和食文化を理解してもらうため、昼食におにぎりやいなり寿司などを用意しました。おにぎりについて英語で説明しながら、実際に握ってもらいました。また、日本で流行しているキャラクター弁当を知ってもらうために、いなり寿司をチーズや昆布でデコレーションしてもらいました。それぞれ大変楽しんでもらえた様子でした。アリゾナでの和食に関するエピソードやこれまで日本で堪能した和食について和やかな雰囲気で、和食文化について理解を深めてもらいました。
〇18日午後
1)臨床研修Ⅰ(体験実験):当部門の医薬統合研究の重要性を理解してもらうために、ジェノタイピング(遺伝子型判定)やウェスタンブロッティング(タンパク質の検出)を体験してもらいました。ジェノタイピング体験では、アガロースゲルへのマウスDNAサンプルの注入を行い、最初はピペット操作に苦戦していました。体験していく中で次第に手技は上達し、結果を判定することができました。日本の薬学部のカリキュラムにおいて、このような実験実習が必須科目であり、薬剤師の資格を取得するために、実験実習の知識が必要であることを紹介しました。米国の薬学部(Pharm Dコース)の入学要件や授業において、実験実習が必須科目ではないことから、日本の薬学部との薬学教育制度の違いについて理解を深めてもらいました。
2)臨床研修Ⅱ(病院内見学):名大病院内の薬剤部や外来化学療法室などを見学しながら、名大病院の概要や薬剤師の役割について説明しました。薬剤部の見学において、米国では注射剤や輸液を薬剤師ではなくテクニシャンが調製するため、日本では薬剤師が調製していることに驚いた様子でした。米国の薬剤師が日本の薬剤師以上に患者面談など患者に直接関わる時間に重点を置いていることを改めて実感しました。
3)臨床研修Ⅲ(アドバンスト活動紹介):アドバンストコースの学部6年生4名が名大病院の精神科/親と子どもの心療科、血管外科/歯科口腔外科/皮膚科/総合診療科、腎臓内科/泌尿器科、および呼吸器内科/呼吸器外科の病棟の特徴、薬物治療の効果や副作用のモニタリング、カンファレンス参加など病棟薬剤師の活動内容を説明しました。その後、各病棟での症例発表を行いました。高カリウム血症の治療に関して、米国ではポリスチレンスルホン酸カルシウムの散剤または錠剤で治療を行うため、日本で使用されているゼリー製剤に興味をもっていました。
4)日本文化Ⅱ(ショッピングと夕食):名古屋駅に新しくできたJRゲートタワー内の服屋やキャラクターグッズの専門店などをウィンドウショッピングし、かわいいキャラクターグッズに癒されていました。夕食は臨床研修生念願の味噌カツや台湾ラーメン、きしめんなど名古屋めしを堪能し、大変喜んでいました。
〇19日午前
1)臨床研修Ⅳ(臨床研修生による症例発表):臨床研修生より膵炎の既往を持つ糖尿病患者に対するGLP-1(glucagon-like peptide-1)受容体作動薬の使用および小児の感染性心膜炎に対する抗菌薬の使用についての症例報告を行ってもらいました。ガイドラインに基づいた治療の重要性や自ら情報収集し、吟味して患者の治療に取り入れていくことの重要性を実感しました。今後も情報に敏感に、貪欲に学び続けたいと思いました。
〇19日午後
1)日本文化Ⅲ:臨床研修生をリーダーにしたチーム対抗にて、日本の伝統文化や和菓子、建物などに関するクイズ当てゲームや折り紙を行いました。出題の題材となった「かりんとう」や「金平糖」などは実際に試食してもらい、折り紙は鳥や手裏剣、鶴などを実際に作製してもらいました。細かい折り込み作業に苦戦しながらも、きれいに作製できた折り紙を手に集合写真を撮り、楽しい時間を過ごしました。
2)臨床研修Ⅴ(病棟見学):サテライトセミナー室にて、名大病院の電子カルテについて説明しました。その後、精神科/親と子どもの心療科にて、病棟施設や病棟での薬剤師の仕事を紹介しました。名大病院では精神科病棟内に大人と小児が一緒に入院していますが、Banner University Medical Center Tucsonでは別々の病棟に入院していること、名大病院と同様に年齢に応じた専門医による治療が行われていることを学びました。DIEPSS(薬原性錐体外路症状評価尺度)に基づいた錐体外路症状のモニタリングや処方された薬の説明などの患者面談を行っている様子を臨床研修生に見学してもらいました。面談した患者には、睡眠改善のために使用されるクエチアピンが処方されていましたが、その処方の代わりにジフェンヒドラミンはどうかなど薬剤選択について話し合いました。常に患者に対する処方薬の妥当性を吟味し、他者と意見を交えることが、様々な観点から患者に最適な薬物療法を考え、提供することに繋がります。これはチーム医療においても重要であり、今後活かしていきたいと思いました。
今回、海外臨床研修生と日米の教育制度、薬物治療、および病院薬剤師業務について意見交換することで、米国の薬学部(Pharm Dコース)では日本の薬学部以上に実務実習に重きを置いた薬学教育であることを知りました。米国の薬剤師業務は患者面談など患者と向き合う時間が多いことを学び、将来、患者とどのように関わっていけばよいか改めて考えることができた2日間となりました。
(報告者:柳本佳南)
2017年3月21~22日
- 米国サンフォード大学薬学部から臨床研修生Alyssa Anne Martinさん、Maryfrances K. Brownさんが名古屋大学医学部附属病院および病態解析学Ⅰを訪問
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米国サンフォード大学薬学部4年生 Alyssa Anne Martinさん、Maryfrances K. Brownさんが、日本における臨床薬学教育研修の一環として、名古屋大学医学部附属病院(名大病院)および病院内に設置された名城大学薬学部 サテライトセミナー室病態解析学Ⅰにて臨床研修を実施しました。
〇21日午前
1)当部門・メンバー紹介:サテライトセミナー室にて当部門のメンバーがそれぞれ自己紹介し、野田幸裕教授が当部門の活動や研究内容、日本の薬学部のカリキュラムについてスライドで説明しました。臨床研修生は興味深そうに聞いていました。
2)臨床研修Ⅰ(体験実験Ⅰ):当部門の医薬統合研究の重要性を理解してもらうために、ジェノタイピング(遺伝子型判定)やウェスタンブロッティング(タンパク質の検出)を体験してもらいました。抗体の封入時の気泡抜きなどに苦戦しながらも丁寧に行いながら目的タンパク質を検出できました。これらの基礎研究を通して、当部門のトランスレーショナルリサーチによる創薬研究について理解を深めて頂きました。
3)日本文化Ⅰ(ウェルカムパーティ):臨床研修生に和食文化を理解してもらうため、昼食にちらし寿司を用意しました。はしを使用して種々の和食を堪能しながら、好きな和食や観光予定について和気あいあいと款談しました。明太子ドレッシングや抹茶菓子などが気に入った様子でした。
〇21日午後
1)臨床研修Ⅱ(アドバンスト活動紹介):学部5年のアドバンスト学生4名が精神科/親と子どもの心療科、血管外科/歯科口腔外科/皮膚科/総合診療科、腎臓内科/泌尿器科、および呼吸器内科/呼吸器外科の病棟の特徴、薬物治療の効果や副作用のモニタリング、カンファレンス参加など病棟薬剤師の活動内容を説明し、その後、症例発表を行いました。
米国では医療用麻薬が歯科領域や整形領域などの慢性疼痛などにも使用されており、その処方量や流通量が極めて多いため、医療用麻薬の乱用が社会問題化していると聞きました。日本では使用適用が主にがん疼痛であること、医療用麻薬として厳格に管理されていること、麻薬に対する障壁があることなどから、医療用麻薬の乱用はほとんど問題になっていないことを説明しました。日米の医療用麻薬の使用目的や考え方の違いに驚きました。
2)臨床研修Ⅲ(病棟見学Ⅰ):精神科/親と子どもの心療科および血管外科/歯科口腔外科/皮膚科/総合診療科を見学しながら、病棟薬剤師は各病棟に1人配置されていること、病棟での薬剤の管理方法などを説明しました。注射剤の管理方法について実際に注射カートを見ながら説明し、米国では抗MRSA薬のテイコプラニンが承認されていないことを聞き、日米で使用される薬剤が異なることを学びました。
3)臨床研修Ⅳ(病院内見学):病院の外来や検査部門を見学しながら、病院の概要や薬剤師の役割について説明しました。薬剤部の見学では、米国では資格をもったテクニシャンが調剤を行いますが、日本では薬剤師が行っていたため、臨床研修生は日米の薬剤師の業務の違いに驚いた様子でした。
4)日本文化Ⅱ(ショッピングと夕食):ショッピングセンターのペットショップや100円ショップなどに行き、ゲームセンターにてプリントシール写真を撮りました。日本のプリントシール機の大きさに驚いていましたが、楽しそうに写真をデコレーションしていました。夕食は回転寿司に行き、回転レーンから運ばれる寿司に興奮した様子でした。最後にスイーツを食べ、和やかな雰囲気で談笑しました。
〇22日午前
1)臨床研修Ⅴ(臨床研修生による症例発表):臨床研修生より消化管出血による胃痛を有する患者や高血圧、糖尿病など様々な疾患を有する患者の症例報告を行ってもらいました。日米では選択薬が異なること、その相違には患者個々の身体的、経済的な背景が大きく影響することを学ぶことができました。
2)臨床研修Ⅵ(体験実験Ⅱ):当部門の医薬統合研究の重要性を理解してもらうために、継代(細胞の系統維持)やトリパンブルー染色(セルカウント)を体験してもらいました。生細胞より死細胞が多く観察されたときは少し残念そうでしたが、核が分葉した血液細胞や脂肪滴を蓄えた成熟脂肪細胞を顕微鏡で確認でき、非常に興味を持っていました。患者が安全に治療を遂行できるような、当部門のトランスレーショナルリサーチによる医療薬学研究について理解を深めて頂きました。
〇22日午後
3)日本文化Ⅲ:臨床研修生をリーダーにしたチーム対抗にて、日本の伝統文化や食事、建物などに関するクイズ当てゲームをしました。出題の題材となったカステラやかりんとう、金平糖などは実際に試食してもらい、折り紙は鳥や手裏剣、鶴などを実際に作成してもらいました。器用に作成した折り紙を手に集合写真を撮り、楽しい時間を過ごしました。
4)臨床研修Ⅶ(病棟見学Ⅱ):腎臓内科/泌尿器科および呼吸器内科/呼吸器外科を見学しながら、各病室の患者数や面談方法を紹介しました。米国では医師、薬剤師、看護師などがチームとなり一緒に面談に行き、情報を共有するということを知り、日本では薬剤師や医師などがそれぞれ個別に面談に行き、後から情報を共有してチーム医療を行うため、米国では自然に患者を取り囲んだチーム医療が行われていることを学びました。その後、サテライトセミナー室にて名大病院の電子カルテについて説明しました。米国ではレントゲンやCT画像などを見ることができるのは医師だけですが、日本では薬剤師もそれらを見ることができることに臨床研修生は驚いた様子でした。日本は薬剤師が米国と比較してより多くの患者情報を収集できる分、積極的に治療に介入していく必要があると感じました。
5)臨床研修Ⅷ(薬剤師外来):当部門で行っている薬剤師外来(吸入療法支援)について実際の吸入練習器を用いて説明しました。臨床研修生は吸入薬の使用経験があり、興味深く説明を聞いていました。
今回、海外臨床研修生と日米の病院薬剤師業務について意見交換を行うことで、双方の相違点について学ぶことができました。積極的に会話することや患者個々に合わせた医療を提供することなど、改めて薬剤師に必要な態度・知識・能力について考える良い機会となり、刺激を受けた2日間となりました。
(報告者:内田美月)
2017年9月13日
- くすり教室「名古屋市立八事小学校 名古屋」
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名古屋市立八事小学校にて「くすりの正しい飲み方:くすりと安全に安心して付き合う」、「くすり教室:実験講座」、「薬物乱用・依存」の出前授業を開催しました。170913 NPO
2017年8月6日
- くすり教室「尾西生涯学習センター 愛知」
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尾西生涯学習センターにて 、一宮市薬剤師会との 共同企画として「くすりの正しい飲み方:くすりと安全に安心して付き合う」 「くすり教室:実験講座」を開催しました。170806 NPO
2017年8月5日
- くすり教室「名城大学八事キャンパス 愛知」
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名城大学八事キャンパスにて、「名城大学公開講座 家族と学ぼう!くすり実験教室」、「くすり教室」を開催しました。170805 NPO
2017年3月18日
- くすり教室「出前実験授業 くすり教室 東浦町 愛知」
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東浦町文化センターにて、東浦町教育委員会主催で「くすりとの上手なつきあい方:高齢者を対象としたくすりの正しい飲み方・使い方」の科学実験出前授業を開催しました。170318 NPO