活動報告

国際交流活動

名城大学薬学部 臨床薬学教育・研究推進センターは、学術交流協定を結んでいる米国をはじめとする海外の大学の教員や臨床研修生を受け入れ、講義への参加、関連医療施設の見学、ディスカッションを通し、研究・教育の交流を行っています。名古屋大学医学部附属病院における研修では、名城大学薬学部 臨床薬学教育・研究推進センターサテライトセミナー室を拠点として、当部門のアドバンスト学生や配属学生と共に臨床研修を行います。また、アドバンスト学生は病棟・薬剤師外来や関連医局での活動を中心に、臨床研修・症例や研究内容を英語で紹介します。交流を深めるためにも、日米の薬学教育や文化についても議論します。

9月24日

米国アリゾナ大学薬学部から臨床研修生Adriana Carbajalさんが名古屋大学医学部附属病院および病態解析学Ⅰを訪問

名城大学薬学部では海外から数多くの薬学生や薬学臨床教員・研究者を受け入れ、教育と研究の両面で国際的な役割を果たしています。特に、教員や薬学生の国際的な視野を広げる目的で、米国の南カリフォルニア大学薬学部、サンフォード大学薬学部やアリゾナ大学薬学部との間に学術交流協定を結び、これらの協定大学を中心に国際的な研究・教育活動を実施しています。

昨年度に引き続き米国アリゾナ大学薬学部から4年生Adriana Carbajalさんが日本における臨床薬学教育研修の一環として、名城大学薬学部と関連医療施設などで、臨床研修(2024年9月16日~9月28日)を行いました

臨床研修は、名城大学の協定病院である名古屋大学医学部附属病院(名大病院)および病院内に設置された名城大学薬学部 サテライトセミナー室 病態解析学Ⅰにて臨床研修を9月24日(火)に実施しました。

〇午前

1)臨床研修Ⅰ:野田幸裕教授が宮崎雅之副薬剤部長と共に外来化学療法室を訪問しました。

2)臨床研修Ⅱ(薬学教育、大学・当室・メンバー紹介):最初にサテライトセミナー室にて野田幸裕教授、𠮷見 陽准教授が日本の薬学部のカリキュラムや当室の活動や研究内容についてスライドで説明しました。臨床研修生は、6年制に変わった日本の薬学教育などについて興味深く聞いていました。その後、当室のメンバーがそれぞれ自己紹介しました。名大病院のアドバンストコース5年生3名は自己紹介の中で今までの病棟実習で関わった症例についても紹介しました。

臨床研修生にもアリゾナ大学薬学部での薬学教育やキャンパスライフについて紹介してもらいました。アリゾナ大学はツーソンのメインキャンパスに加えフェニックスキャンパスにも薬学部が設置されており、異なる場所に居ても同じ講義を同時に通信システムにて受講できることに大変驚きました。臨床研修生からは化学療法による悪心・嘔吐の制吐治療についての症例報告を行なってもらいました。催吐性リスクに応じた制吐薬の使い分けやフルオロウラシルで治療中の患者さんに対してどのような制吐剤が使用されるのかについて説明して頂き、日本における制吐療法との相違点を学ぶことができ、大変興味深く拝聴することができました。

 

〇午後

3)日本文化(和食):昼食には臨床研修生に和食文化の紹介として、おにぎりやたこ焼きなどを用意し、和食文化について理解を深めてもらいました。実際におにぎりを握ってもらいましたが、初めての経験だったため、少し苦戦している様子でした。臨床研修生は嬉しそうに「美味しい」と舌鼓を打ちながら、和気あいあいと款談しました。臨床研修生は、明太子のふりかけを混ぜたおにぎりが一番のお気に入りとのことでした。

 

4)臨床研修Ⅲ:(薬剤部見学):アドバンストコースの学部5年3名と野田幸裕教授、𠮷見 陽准教授、溝口博之准教授と共に薬剤部の見学を行いました。調剤室・製剤室・麻薬室・試験室・注射室・薬務室を見学しました。製剤室では薬剤部の宮崎雅之副薬剤部長に抗がん剤混合調製ロボットについて説明を受け、とても興味を示していました。注射室にある注射薬自動支出システムに対しても目を見張る様子でした。

当室で行っている薬剤師外来(吸入療法支援)について、実際の練習用吸入器を用いて説明しました。臨床研修生は吸入器の知識は豊富でしたが、当室で使用している吸入指導の資料を見せながら説明し、吸入指導ついてより理解を深めて頂きました。臨床研修生と意見を交わすことで、吸入器(デバイス)や吸入指導は日米において大差がないことを学びました。

 

5) 臨床研修Ⅳ:(病棟見学):病棟薬剤師の業務内容や各病棟の特徴を紹介するために眼科病棟と精神科/親と子どもの心療科を担当病棟薬剤師と共に見学しました。眼科の一般病棟では、一般病棟の特徴、麻薬、毒薬および向精神薬の管理方法を説明し、病棟薬剤師の業務内容を紹介しました。精神科/親と子ども病棟ではホールや中庭にて作業療法として塗り絵やストレッチ、卓球などを行うこと、一般病棟とは異なる設備や保護室があることを説明しました。病棟やナースステーションなどの入り口は施錠されており、一般病棟との違いを感じていました。

 

今回、海外臨床研修生と日米の病院薬剤師業務について意見交換を行うことで、双方の相違点について学ぶことができました。積極的に会話することや患者個々に合わせた医療を提供することなど、改めて薬剤師に必要な態度・知識・能力について考える良い機会となり、刺激を受けた1日となりました。

 

(報告者:井指孝一)

2024年9月15~16日

The 9th Nagoya / Gifu / Nanjing / Shenyang Symposium of Pharmaceutical Sciences(名古屋)

「The 9th Nagoya / Gifu / Nanjing / Shenyang Symposium of Pharmaceutical Sciences」が、名古屋市立大学大学院薬学研究科 田辺通キャンパスにて開催されました。本薬学学術シンポジウムは、名城大学が学術協定を結ぶ中国薬科大学および瀋陽薬科大学との学術交流を目的として開催されました。2日間で、基礎から臨床研究まで多岐にわたる口頭発表33演題、ポスター発表74演題があり、演題ごとに活発な討論が行われました。

当室からは野田幸裕教授が名城大学実行委員として、座長を務められました。当室より𠮷見 陽准教授、研究員の中村真理子先生、博士課程1年の加納正暉先輩、学部6年の加藤朱莉、深見彩乃、雄谷拓海、川合竣也、五十住優弥、森川和那、木村天音および加藤拓真の計11名がポスター発表を行いました。いずれの発表においても、発表終了後まで実験方法や結果の質疑ならびに研究の考察について意見交換があり、大変貴重な交流をすることが出来ました。

中国薬系大学の口頭発表では、非アルコール性脂肪肝炎モデルマウスを用いた薬剤の有効性を検討した発表を拝聴しました。モデルマウスを作製して病態生理や治療薬の有効性を検討するという当室の研究と共通した研究発表であり、興味深く拝聴することができました。国際的な視野を持った研究の必要性を再認識するきっかけとなりました。日中間の幅広い薬学系分野の研究発表を聴講することで、当室とは違う研究分野・デザインについて触れ、視野も広げることができ大変有意義な機会となりました。

(報告者:雄谷拓海)

【座長】
野田幸裕(9月15日)
「Oral session 8」
【ポスター発表】
𠮷見 陽(9月15日)
「Spatial brain proteomic analysis using a schizophrenia-like model mouse treated with clozapine」
中村真理子(9月15日)
「Involvement of serotonin transporter in chronic orofacial pain with depressive symptoms before and after duloxetine treatment」
加納正暉(9月15日)
「Inhalation therapy for patients with bronchial asthma during the COVID-19 pandemic: appropriate instructions amidst infectious disease spread」
深見彩乃(9月15日)
「Involvement of adrenaline beta2 receptors in clozapine-induced lipid droplet accumulation in 3T3-L1 cells」
五十住優弥(9月15日)
「Involvement of TNF-α/TNFR1 signaling in microglia and glutamatergic neurotransmission of mice exposed to social defeat stress as juveniles」
加藤朱莉(9月15日)
「Effect of lithium on hematopoietic toxicity induced by clozapine in HL-60 cells」
加藤拓真(9月15日)
「Mice with deficiency in Pcdh15, a gene associated with bipolar disorders (BD), exhibit BD-like behaviors and monoaminergic properties」
川合竣也(9月15日)
「Effect of clozapine on cognitive behaviors function and neurotransmitters in a schizophrenia-like mouse model」
木村天音(9月15日)
「Influence of environment adversity during neurodevelopment on future behavioral responses and neuromorphogenesis in astrotactin2 (ASTN2) heterozygous mice」
森川和那(9月15日)
「Involvement of nicotinic acetylcholine receptor α7 subunit in the impairment of social behaviors in mice exposed to social defeat stress as juveniles.」
雄谷拓海(9月15日)
「Comprehensive gene expression analysis of lymphoblastoid cell lines from schizophrenia patients and blood and brain samples from a schizophrenia-like mouse model.」

2024年1月10日〜16日

米国アリゾナ大学薬学部から臨床研修生Jason Soldatenkovさんが名古屋大学医学部附属病院および病態解析学Ⅰを訪問

米国アリゾナ大学薬学部4年生Jason Soldatenkovさんが日本における臨床薬学教育研修の一環として、名古屋大学医学部附属病院(名大病院)および病院内に設置された名城大学薬学部 サテライトセミナー室 病態解析学Ⅰにて臨床研修を実施しました。新型コロナウイルス感染症が5類感染症へと移行されたことで規制が緩和され、約5年ぶりの訪問となりました。

 

〇10日午前

1)臨床研修Ⅰ(薬学教育、大学・当室・メンバー紹介):最初にサテライトセミナー室にて野田幸裕教授、吉見 陽准教授が当室の活動や研究内容、日本の薬学部のカリキュラムについてスライドで説明しました。臨床研修生は、6年制に変わった日本の薬学教育などについて真剣に聞いていました。その後、当室のメンバーがそれぞれ自己紹介しました。臨床研修生にもアリゾナ大学薬学部での薬学教育やキャンパスライフについて紹介してもらいました。アリゾナ大学はツーソンのメインキャンパスに加えフェニックスのキャンパスにも薬学部が設置されており、衛星通信にて異なる場所に居ても同時に同じ講義を受講できることに、大変驚きました。

午後からは八事キャンパスにおいて病院薬学 亀井浩行教授の1年生のキャリア形成の授業に参加しました。

 

〇11日午前

  • 臨床研修Ⅱ(病院内見学):総合診療科の病棟およびCKD外来を見学しました。総合

診療科の病棟では全室個室でゆったりと過ごすことが出来る病室を見てもらいました。CKD外来では医師・薬剤師・栄養士が連携することでCKDの患者に対して医学的・薬学的な介入のみならず、食塩摂取量の管理などの栄養療法も行うため、こうした多職種との連携の様子を知ることができました。その後、名大病院の薬剤部や外来棟を見学し、薬剤部の宮崎雅之副薬剤部長に外来化学療法室における薬剤師や多職種との連携について説明を受けました。薬剤部の見学では、調剤ロボットによる注射剤の自動払い出し、バーコードによる調剤監査システム、試験室での薬物血中濃度モニタリング(TDM)業務、麻薬の取り扱いなどについて説明しました。臨床研修生は特に製剤室内にある抗がん薬混合調製ロボットであるChemoRo(ケモロ)には強く興味を示していました。午後からは、八事キャンパスにて拡大教授会で自己紹介を行った後、日本文化Ⅰに参加しました。

〇11日午後

2)日本文化Ⅰ(大須散策・東山動物園):大須観音にておみくじを引いたり、日本の典型的な商店街である大須商店街にて唐揚げの食べ歩きをしながら散策し、大須の街並みを堪能しました。その後、東山動物園にて、レッサーパンダやイケメンゴリラのシャバーニなど、日本の数多くの動物を観ました。臨床研修生は動物たちの生き生きとした姿を写真に収めて楽しんでいました。

 

〇12日午前

1)臨床研修Ⅲ(アドバンスト活動紹介):名大病院のアドバンストコース5年生3名が精神科/親と子どもの心療科、血液内科と総合診療科の病棟の特徴、各病棟での活動内容、および症例報告を行いました。その後、臨床研修生からも白血病患者の症例を報告してもらいました。米国では公的医療保険制度が高齢者や障害者に限定されていることから、国民の医療保障の大部分は民間医療保険によって担われています。加入している保険が個々で異なるため、加入保険に応じて医療費を考慮して治療や治療薬を選択しなくてはいけないことを学びました。

2)臨床研修Ⅳ(病棟見学):精神科/親と子どもの心療科、眼科および消化器外科の病棟を見学しました。各病棟の特徴や他の病棟との運用の違い、救急カートや定数配置薬などの説明を通して、病棟薬剤師の業務内容を紹介しました。特に、精神科病棟では患者ごとに薬の管理方法が異なり、医療従事者によって厳重に薬が管理されている場合が多いことなどを説明しました。臨床研修生は、病棟やナースステーションに入るには鍵が必要となることやモニターで様子を確認できる病室があることなど、他の病棟との違いに興味をもったようでした。

〇12日午後

3)日本文化Ⅱ(ちらし寿司):臨床研修生に和食文化を体験してもらうために、昼食にちらし寿司やお味噌汁を用意し、ご飯にちらし寿司の素や細かく刻んだ具材を入れて混ぜてもらいました。臨床研修生は自身で作ったちらし寿司の味に感動し、和気あいあいと和食を楽しみました。

4)臨床研修Ⅴ:薬剤部の研究室を訪問し、薬剤部・医療薬学の溝口博之准教授に薬剤部で実施している臨床・基礎研究の概要を説明してもらいました。

5)臨床研修Ⅵ(体験実験):当室において研究の一環で行っているジェノタイピング(遺伝子型判定)について、当室の学部生が概要を説明し、慣れない実験操作に苦戦しながらも、DNAバンドの検出、遺伝子型の判定を体験してもらいました。その後、八事キャンパスでの歓迎会に参加しました。

 

〇16日午前

1)臨床研修Ⅶ(病棟見学・薬剤師外来):早朝から感染制御専門薬剤師である名城大学薬学部 実践薬学Ⅰ 稲垣孝行准教授の引率のもと、外科系集中治療室(SICU)にてカンファレンスに参加し、薬剤師の役割や多職種との連携、集中治療室(ICU)やNICUとの違いについて説明を受けました。集中治療領域では,集中治療を要する患者の薬学的管理に加えて集中治療室退室後の患者に対する薬学的管理も重要であることを日米で情報交換ができたことに満足のようでした。HIV薬剤師外来を見学した後、当室における薬剤師外来(吸入療法支援)の活動について説明を受けました。臨床研修生と意見を交わすことで、吸入器(デバイス)や吸入指導は日米において大差がないことを知ることができました。

〇16日午後

2)日本文化Ⅲ(お弁当):本日で名大病院での研修が最後であることから、臨床研修生の送別会を兼ねて、昼食に日本文化の“お弁当”として海苔弁当を用意しました。臨床研修生は嬉しそうに「美味しい」と舌鼓を打ちながら、4日間の研修を振り返っていました。終始、和やかな雰囲気のまま楽しい時間を過ごすことができ、お腹も心も満たされた送別会としての昼食となりました。

3)日本文化Ⅳ(書道):日本文化の一環として書道を体験してもらいました。学部生が横で手本を見せながら臨床研修生に漢字の意味を教え、気に入った漢字を書いてもらいました。臨床研修生は器用に筆を使って「名古屋」や「薬」などの漢字を書き、日本人顔負けの素晴らしいお手並みを披露しました。作品完成後は記念撮影を行い、楽しい時間を過ごしました。

 

今回、臨床研修生が来室した4日間は臨床研修生と当室のメンバーが多くの時間を共有してお互いに有意義な時間を過ごすことができたと思います。臨床研修生と日米の病院薬剤師業務や診療ガイドラインの内容などについて意見を交わし合い交流を深めることで、双方の相違点について学ぶことができました。

(報告者:雄谷拓海、深見彩乃)

2019年2月15日

米国アリゾナ大学薬学部から臨床研修生Mark Hoffmanさんが名古屋大学医学部附属病院および病態解析学Ⅰを訪問

米国アリゾナ大学薬学部4年生 Mark Hoffmanさんが日本における臨床薬学教育研修の一環として、名古屋大学医学部附属病院(名大病院)および病院内に設置された名城大学薬学部 サテライトセミナー室 病態解析学Ⅰにて臨床研修を実施しました。

〇午前

1)当室・メンバー紹介:最初に、野田幸裕教授、吉見 陽助教が当室の活動や研究内容、日本の薬学部のカリキュラムについてスライドで説明しました。その後、和やかな雰囲気の中で当室のメンバーがそれぞれ自己紹介しました。臨床研修生からは、高血圧についての症例報告を行ってもらいました。副作用として末梢浮腫を引き起こす可能性のあるCa拮抗薬での治療中に下肢に浮腫が発現したため、チアジド系利尿薬へ変更したという内容でした。また、米国での高血圧の患者数は約7500万人に上り、日本と同様に医療費を圧迫していることが問題となっているとの説明もありました。

2)日本文化Ⅰ:日本文化として書道と折り紙を行いました。臨床研修生に「日本」や「亜米利加」などの漢字を、見本を見ながら書いてもらいました。その後、臨床研修生の研究テーマだという「大麻」を書いてもらいました。初体験にもかかわらず上手に漢字を書くことができました。折り紙は以前に経験しており、箸置きや鶴を器用に作っていました。日本文化を親しむことができたようで、作成後は記念撮影を行い、楽しい時間を過ごしました。

 

〇午後

3)日本文化Ⅱ(ウェルカムパーティ):臨床研修生に和食文化を楽しんでもらうために、昼食にちらし寿司やお味噌汁を用意しました。普段は食べない和食に臨床研修生は、「美味しい」と感動していました。アニメ、声優、ゲームなどの日本の分化についての雑談に花が咲き、和気あいあいと和食を楽しみました。

4)臨床研修Ⅰ(体験実験):当室における基本的な研究の一つであるジェノタイピング(遺伝子型判定)について、学部5年生が概要を説明し、実際に手技を体験してもらいました。臨床研修生は慣れないピペット操作に苦戦しながらも、DNAバンドを検出することができました。また、セルカウントと細胞継代を見学しました。

5)臨床研修Ⅱ(病院内見学):名大病院の薬剤部や外来棟、外来化学療法室などを見学しました。薬剤部の見学では、調剤ロボットによる注射剤の自動払い出し、バーコードによる調剤監査システム、試験室での薬物血中濃度モニタリング(TDM)業務について説明しました。外来化学療法室の見学では、医師・薬剤師・看護師などの病院スタッフが、その日の化学療法施行予定患者について早朝からカンファレンスを行っており、薬剤師が常時配属されていることなど説明しました。

また、精神科/親と子どもの心療科および血管外科/歯科口腔外科/皮膚科/総合診療科、消化器外科/移植外科の病棟を見学しました。各病棟の特徴や違い、救急カートや栄養剤など説明を通して、病棟薬剤師の業務内容を紹介しました。精神科病棟では、患者ごとに薬の管理方法が異なり、医療従事者によって厳重に薬が管理されている場合が多いことや、モニターで様子を確認できる病室があること、病棟やナースステーションなどに入るためには鍵が必要となることに興味を示しており、一般病棟との違いを感じていました。

6)日本文化Ⅲ(ショッピング・夕食):ショッピングセンターの100円ショップに行き、ウィンドウショッピングを楽しみました。その後、矢場町の味噌カツ専門店にて名古屋めしを堪能しました。一緒に夕食をとりました。臨床研修生は、大変喜んでいました。

今回、臨床研修生による症例報告を通して、糖尿病を合併している場合に血圧の目標値が違うことなど、臨床における日米間の差異を学びました。積極的にコミュニケーションをとり交流を深めることで、日本の薬剤師の在り方について考える良い機会となりました。

(報告者:溝口莉菜・蛯江裕美)

 

2018年5月15~16日

米国サンフォード大学薬学部から臨床研修生William Jeffrey Honeaさん、John Andrew Soldnerさんが名古屋大学医学部附属病院および病態解析学Ⅰを訪問

米国サンフォード大学薬学部4年のWilliam Jeffrey Honeaさん、John Andrew Soldnerさんが、日本における臨床薬学教育研修の一環として、名古屋大学医学部附属病院(名大病院)および病院内に設置された名城大学薬学部 サテライトセミナー室病態解析学Ⅰにて臨床研修を実施しました。

〇15日午前

1)当室・メンバー紹介:サテライトセミナー室にて、野田幸裕教授、吉見 陽助教が当室の活動や研究内容、日本の薬学部のカリキュラムについてスライドで説明しました。その後、和やかな雰囲気の中で当室のメンバーがそれぞれ自己紹介しました。

2)臨床研修Ⅰ(臨床研修生によるサンフォード大学の紹介):サンフォード大学薬学部での薬学教育やキャンパスライフについて、臨床研修生に紹介してもらいました。授業は全て録画され、オンラインでいつでも視聴できるというシステムに驚きました。広大なキャンパスには11もの薬局があり、サンフォード大学では日本の薬学生よりも長時間にわたり薬剤師業務に関わることの出来る環境が整備されていることを知りました。

3)臨床研修Ⅱ(薬剤師外来):当室で行っている薬剤師外来(吸入療法支援)について、実際の練習用吸入器を用いて説明しました。臨床研修生は吸入器の知識は豊富でしたが、インチェック(吸気流速の測定に用いる器具)は初めて目にしたようで、興味深く実践していました。吸気力に応じてドライパウダー吸入器が使用できるかどうか、簡易的に判定することができることを説明し、理解していただきました。

4)日本文化Ⅰ(折り紙):日本の伝統文化の紹介として、折り紙を行いました。鳥や手裏剣を実際に作成してもらいました。細かい折り込み作業は苦戦の連続でしたが、きれいに作成できた折り紙に感動して何度も写真を撮り、楽しい時間となりました。

5)日本文化Ⅱ(ウェルカムパーティ):昼食には臨床研修生に和食文化の紹介として、おにぎりやたこ焼きなどを用意し、和食文化について理解を深めてもらいました。臨床研修生は、ツナマヨのおにぎりが一番のお気に入りでしたが、納豆やたくあん、梅干など独特のニオイや酸味を持つ日本特有の食材全てに挑戦し、顔をしかめながらも「面白いよ」と楽しんでいました。食事中には日米における医療システムの違いの話題になりました。薬局で調剤薬を受け取るまでの待ち時間を短縮する工夫として、米国では病院スタッフが薬局への処方箋情報の送付をすると教えてもらいましたが、日本では患者自らが送付することを説明すると、臨床研修生は驚いていました。

 

〇15日午後

6)日本文化Ⅲ(坊主めくり・福笑い・書道):日本の伝統文化の紹介として、坊主めくり、福笑い、書道を行いました。特に書道では大変盛り上がり、学部生が横で手本を見せながら臨床研修生に気に入った漢字を書いてもらいました。最後に臨床研修生と学部生が名前を平仮名や漢字で書き、出来上がった作品と共に記念撮影を行いました。

7)臨床研修Ⅲ(病院内見学):病院内の外来棟や薬剤部、外来化学療法室などを見学しながら、名大病院の概要や薬剤師の役割について説明しました。臨床研修生は日本の診療に係る医療費に興味を示していました。日本は国民皆保険制度であり、患者の医療費の自己負担は3割以下であることを説明しました。名大病院のような特定機能病院や一般病床500床以上の地域医療支援病院を受診するには市中病院やクリニックなどからの紹介状が必要であり、持っていない場合は5000円以上の特別料金を支払う必要があることを説明しました。

 

〇16日午前

1)臨床研修Ⅳ(アドバンスト活動紹介):アドバンストコースの学部6年3名が名大病院の精神科/親と子どもの心療科、血管外科/歯科口腔外科/皮膚科/総合診療科および呼吸器内科/呼吸器外科の病棟の特徴、各病棟での病棟薬剤師の活動内容として薬物治療の効果や副作用のモニタリングやカンファレンス参加などについて説明しました。その後、各病棟における症例発表を行いました。口腔がんの症例について、米国では噛みたばこが発症の原因になることが多いことに対し、噛みたばこの習慣がない日本の発症原因に興味を持っていました。日本における口腔がんの発症原因として、飲酒、虫歯の放置などを挙げ、中でも喫煙が最も多いことを説明しました。

2)臨床研修Ⅴ(体験実験):当室の医薬統合研究の重要性を理解してもらうために、ジェノタイピング(遺伝子型判定)を体験してもらいました。アガロースゲルへのマウスDNAサンプルの注入を行いました。今回の臨床研修生は、ウェスタンブロッティング(タンパク質の検出)の技術を習得していた経験があり、難なく手技を実践することができ、想定していた結果を完璧に再現しました。実験の合間には、お互いのこれまでの基礎研究実績について情報交換し、研究技術・研究に対する飽くなき探求心は世界共通であることを実感しました。

3)臨床研修Ⅵ(病棟見学):病棟薬剤師の業務内容や各病棟の特徴を紹介するために精神科/親と子どもの心療科および血管外科/歯科口腔外科/皮膚科/総合診療科を見学しました。病棟での麻薬、毒薬および向精神薬の管理方法を説明しました。米国も日本と同様に薬剤師や看護師が定期的に在庫確認していることを教えてもらいました。精神科/親と子どもの心療科では、悪性症候群や重症度の高い摂食障害患者の様子を確認することができる心電図や監視モニターに興味を示していました。状態が変化した際に迅速に対応することができるよう、厳重に管理がなされていることを説明しました。

今回、臨床研修生と交流している中で、薬剤師業務や診療ガイドラインの内容など日米における医療の共通点を改めて認識することができました。症例発表等を通して客観的な意見を聞くことができ、今後のアドバンスト活動へのモチベーションアップにも繋がりました。臨床研修生の豊富な知識や積極的な学びに刺激を受けた2日間となりました。

(報告者:林 千裕、溝口莉菜)

2018年4月17~18日

米国アリゾナ大学薬学部から臨床研修生Daniel Shyh-Shyun Lokさんが名古屋大学医学部附属病院および病態解析学Ⅰを訪問

米国アリゾナ大学薬学部4年の Daniel Shyh-Shyun Lokさんが日本における臨床薬学教育研修の一環として、名古屋大学医学部附属病院(名大病院)および病院内に設置された名城大学薬学部 サテライトセミナー室 病態解析学Ⅰにて臨床研修を実施しました。

〇17日午前

1)当室・メンバー紹介:サテライトセミナー室にて当室のメンバーがそれぞれ自己紹介しました。最初に、野田幸裕教授が当室の活動や研究内容、日本の薬学部のカリキュラムについてスライドで説明しました。臨床研修生は、4年制から6年制に変わった日本の薬学教育のシステムなどについて熱心に聞いていました。臨床研修生からは、米国の薬学教育のカリキュラムについての説明がありました。アリゾナ大学の他学部との多職種連携教育(IPE:Interprofessional Education)や医療に関する授業や臨床経験が低学年から多くの機会があるようでした。お互いの紹介が終わった後の休憩時に、日本の文化やテレビ番組、アニメ、ゲームなどの話題についての雑談に花が咲き、緊張も少しずつほぐれていきました。

2)臨床研修Ⅰ(薬剤師外来):実際に吸入支援で使っている資料に基づいて吸入方法を説明しながら練習用吸入器を操作してもらい、当室における薬剤師外来での吸入支援の活動を紹介しました。日本ではスピリーバレスピマットを使用することが一般的ですが、米国では国民皆保険制度がないため価格が安いスピリーバハンディヘラーが使われていることなど、ディバイスの違いを知ることができました。

〇17日午後

3)日本文化Ⅰ(ウェルカムパーティ):臨床研修生に和食文化を楽しんでもらうために、昼食に手巻き寿司を用意しました。海苔にご飯をのせ、用意した刺身や卵、キュウリなどから好きな具材を巻いてもらいました。臨床研修生は自分で作った手巻き寿司の味に満足し、和気あいあいと和食文化を楽しみました。

4)臨床研修Ⅱ(アドバンスト活動紹介):アドバンストコースの学部6年2名が血管外科/歯科口腔外科/皮膚科/総合診療科および呼吸器内科/呼吸器外科の病棟の特徴、各病棟での病棟薬剤師の活動内容として薬物治療による効果や副作用のモニタリングやカンファレンス参加などについて説明し、その後、症例発表を行いました。抗菌薬の副作用のアナフィラキシー、下痢への対応についての質問があり、臨床研修生との活発な議論が交わされました。

5)臨床研修Ⅲ(病院内見学):名大病院の外来棟や薬剤部、外来化学療法室などを見学しました。薬剤部の見学では院内で処方される薬剤の監査、患者ごとの薬剤のセットについて説明しました。外来化学療法室の見学では、薬剤師や看護師などの病院スタッフの化学療法への関わりとして、早朝から化学療法施行中の患者の病状や検査値から確認し、治療を実施するかどうか、化学療法施行中のアナフィラキシー症状や血管痛の予防の必要性などについて検討していることを説明しました。臨床研修生も化学療法でのチーム医療に興味をもったようでした。

6)日本文化Ⅱ:日本文化として書道を行いました。臨床研修生は「薬」や「夢」といった画数の多い漢字も見本を見せると、器用に筆を執りました。作品完成後は記念撮影を行い、日本文化に親しむことができ、楽しい時間を過ごしました。

7)日本文化Ⅲ(夕食):名古屋の繁華街、矢場町駅にある味噌カツ専門店にて一緒に夕食を摂りました。初めて見る大きな味噌カツを興味深そうにスマートフォンで撮影し、名古屋飯を堪能し、お腹も心も満たされた夕食となりました。

 

〇18日午前

1)臨床研修Ⅳ(アドバンスト活動紹介):アドバンストコースの学部6年2名が精神科/親と子どもの心療科および消化器外科/移植外科の各病棟での病棟薬剤師の活動内容として薬物治療による効果や副作用のモニタリングやカンファレンス参加などについて説明し、その後、症例発表を行いました。消化器外科の症例発表において患者での血中のナトリウム、カリウムの検査値確認や栄養管理についての説明がありました。症例発表後に臨床研修生は「輸液製剤を組み合わせて投与設計をしたことがない」と話しており、興味を示していました。

2)臨床研修Ⅴ(臨床研修生による症例発表):臨床研修生による症例報告は、ミラー・フィッシャー症候群についてでした。疾患に対して免疫グロブリン療法が行われることやその療法における血圧や心機能のモニタリングをすることで、副作用の発現に対する支持療法が必要なことを学びました。今後も様々な疾患における治療やモニタリングの必要性について、より深く理解して学びたいと改めて思いました。

3)臨床研修Ⅵ(実験見学):当室における研究の一環で行っているジェノタイピング(遺伝子型判定)について、学部6年生による概要を説明し、手技を体験してもらいました。アリゾナ大学においても学生が同様の手技を学ぶ機会はあるようで、お互いの手技の確認を通じて手技の上達を感じました。

〇18日午後

4)日本文化Ⅳ:日本の伝統文化について理解を深めてもらうために、かき氷の試食と福笑い・坊主めくりを行いました。それぞれの発祥のルーツや概要を紹介しました。かき氷は食後のデザートとしておいしくいただき、福笑いでは出来上がった滑稽な表情に腹を抱えて笑いました。坊主めくりでは臨床研修生が全勝し、大いに盛り上がりました。

5)臨床研修Ⅶ(病棟見学):精神科/親と子どもの心療科および消化器外科/移植外科の病棟を見学しました。各病棟の見学を通じ、病棟の設備、病室の違いや特徴、病棟薬剤師の業務内容を紹介ました。精神科病棟の見学を行い病室に鍵をかけられるようになっている点や、モニターで病室の様子が見られるようになっている点など、一般病棟との違いを感じていました。

臨床研修生を招いた2日間では、臨床研修生と当室のメンバーが多くの時間を共有し、また日本の医療を紹介することで改めて自国の医療を見つめ直すことができました。

(報告者:山口修外・髙木修平)

2018年3月29~30日

米国サンフォード大学薬学部から臨床研修生Taylor Baileyさん、Paige A. Mooreさんが名古屋大学医学部附属病院および病態解析学Ⅰを訪問

米国サンフォード大学薬学部4年生Taylor Baileyさん、Paige A. Mooreさんが、日本における臨床薬学教育研修の一環として、名古屋大学医学部附属病院(名大病院)および病院内に設置された名城大学薬学部 サテライトセミナー室病態解析学Ⅰにて臨床研修を実施しました。

○29日午前

1)当部門・メンバー紹介:サテライトセミナー室にて、野田幸裕教授、吉見 陽助教がそれぞれ当部門の活動や研究内容、日本の薬学部のカリキュラムについてスライドで説明し、当部門のメンバーがそれぞれ自己紹介しました。臨床研修生はそれぞれの紹介内容にとても興味を持って聞いておりました。

2)日本文化Ⅰ(ウェルカムパーティ):臨床研修生に和食文化を理解してもらうため、昼食にちらし寿司やお味噌汁などを用意しました。慣れない日本食であったと思いますが、美味しいと食べてもらえました。日本の好きな食べ物や日本滞在中の出来事などで会話が盛り上がりました。

○29日午後

3)臨床研修Ⅰ(病棟見学):病棟薬剤師の業務内容や各病棟の特徴を紹介するために、消化器外科2/移植外科、精神科/親と子どもの心療科および呼吸器内科/呼吸器外科の病棟を見学しました。消化器外科2/移植外科および呼吸器内科/呼吸器外科では、病棟での薬剤の管理方法について説明しました。注射剤の管理方法について実際に注射カートを見ながら説明し、また服薬指導にて使用しているパンフレットも見てもらいました。精神科/親と子どもの心療科では、面談室や興奮状態にある患者を一時的に隔離する保護室があること、また作業療法を行うためのホールや中庭があり、ホールでは患者が揃って食事をとるなど他の病棟とは異なる設備や病室があることを説明しました。病棟を巡ることで日本の病棟薬剤師の役割や各病棟の特徴について、理解してもらえました。

4)臨床研修Ⅱ(アドバンスト活動紹介): アドバンストコースの学部5年生4名が名大病院の精神科/親と子どもの心療科、血管外科/歯科口腔外科/皮膚科/総合診療科、消化器外科2/移植外科および呼吸器内科/呼吸器外科の病棟の特徴、薬物治療の効果や副作用のモニタリング、カンファレンス参加など病棟薬剤師の活動内容を説明しました。その後、各病棟での症例発表を行いました。特に入院患者に提供される食事の内容や発熱性好中球減少症患者に対する薬剤師の関わりについて、興味をもってもらえました。

5)日本文化Ⅱ(花見・ショッピング・夕食):鶴舞公園の桜が満開を迎えたため、当部門のメンバーとともに記念撮影を行いました。当日は晴天でお花見日和であり、臨床研修生は沢山の写真や動画を撮影しながら、日本でのお花見を満喫してもらいました。その後、ショッピングセンターの雑貨売り場や靴売り場、100円ショップなどに行き、ゲームセンターにてプリントシール写真を撮りました。日本のプリントシール機に興奮した様子で様々な決めポーズをし、楽しそうに写真をデコレーションしていました。夕食はフードコートにて炒飯や天ぷらなどを食べ、蕎麦の試食にも挑戦してもらいました。蕎麦を食べるのは初めてでしたが、美味しいといいながら完食してもらえました。箸にも熱心に挑戦しており、あっという間に上達していく姿が印象的でした。米国での薬学教育や趣味などについて細かく説明してもらい、終始和やかな雰囲気でした。

 

30日午前

1)臨床研修Ⅲ(臨床研修生による症例発表):臨床研修生より出血性膵炎患者やアセトアミノフェンを過量服用した患者の症例報告を行ってもらいました。米国の病院薬剤師が抗生物質の選択や栄養管理、疼痛コントロールなど多岐に渡って活躍していること、また適切な治療方針の選択に寄与していることを改めて実感しました。また、過量服用に対する解毒について、日本の臨床研修では実際の症例を用いて学ぶ機会はほとんどありませんが、米国の臨床研修生は実際の症例を経験していたことが印象的でした。今後も薬学的な視点から積極的に活躍できるよう学び続けたいと思いました。

2)日本文化Ⅲ(福笑い・坊主めくり・かき氷作り):日本の伝統的な遊びとして、福笑い・坊主めくりを紹介しました。ルールとともに発祥の由来も説明し、終始大変盛り上がり、楽しむことができました。特に、坊主めくりに使用した百人一首の絵札に興味津々の様子でした。昼食後には、かき氷を作り、臨床研修生はかき氷を食べるのは初めてであったようですが、美味しそうに食べてもらえました。

○30日午後

3)臨床研修Ⅳ(病院内見学):病院内の外来棟や薬剤部、検査部門、外来化学療法室などを見学しながら、名大病院の概要や薬剤師の役割について説明しました。薬剤部の見学では、投与量の調節が難しい薬剤の血中濃度を薬剤師が測定していることに興味を持っていました。外来棟の見学においては、外来患者の薬の受け取り方について説明をしました。日本では事前に医療機関から発行される処方箋をファックスで送付することで、薬局は処方薬を用意しておくことができ、店頭で待つ時間を短縮することができます。米国でも薬局に処方箋をファックスやメールであらかじめ送付することがありますが、患者ではなく病院のスタッフが送付することが多く、日本との違いに驚いていました。短い時間でしたが、日本の病院施設や制度、薬剤師の業務について理解してもらえたと思います。

4)臨床研修Ⅴ(体験実験):当部門の医薬統合研究の重要性を理解してもらうために、細胞継代(細胞の系統維持)の見学、ジェノタイピング(遺伝子型判定)を体験してもらいました。ジェノタイピングでは、ゲルへのアプライに苦戦しながらも丁寧に行い、検出されたDNAバンドに感動していました。これらの基礎研究を通して、当部門のトランスレーショナルリサーチによる創薬研究について理解を深めて頂きました。

日本文化の紹介など楽しい時間を過ごし、症例発表等を通じて、米国の薬物治療に対する薬剤師の関わりについて学びました。日米のドラックストア薬剤師業務についても意見交換を行いました。米国では保険料が非常に高く所得が低い方は保険に入っていないため、患者さんは最初に病院ではなくドラックストアへ相談をすることが一般的であり、米国の薬剤師は効果的・効率的なヘルスケアの提供者として信頼されていることを学びました。2日間という短い時間でしたが、米国の薬剤師が積極的に治療に介入していることを改めて実感し、チーム医療において薬剤師が出来ることについて考える良い機会となりました。

(報告者:田代侑子、武藤利奈)

2017年5月16~17日

米国サンフォード大学薬学部から臨床研修生 John Charles Thomas Jrさんが名古屋大学医学部附属病院および病態解析学Ⅰを訪問

米国サンフォード大学薬学部4年生 John Charles Thomas Jrさんが、日本における臨床薬学教育研修の一環として、名古屋大学医学部附属病院(名大病院)および病院内に設置された名城大学薬学部 サテライトセミナー室病態解析学Ⅰにて臨床研修を実施しました。

○16日午前

1)当部門・メンバー紹介:サテライトセミナー室にて当部門のメンバーがそれぞれ自己紹介し、吉見 陽助教が当部門の活動や研究内容、日本の薬学部のカリキュラムについてスライドで説明しました。臨床研修生がそれぞれの紹介内容について気になる点を質問するなど、和気あいあいとした雰囲気の中でメンバー紹介が行われました。

2)日本文化Ⅰ(ウェルカムパーティ):臨床研修生に和食文化を理解してもらうため、昼食におにぎりやいなり寿司などを用意しました。臨床研修生は、はしを上手に使いながらいなり寿司やオードブルの唐揚げを堪能し、好きな日本のマンガやアニメ、日本滞在中の週末の予定について会話が弾みました。いなり寿司が大好評で機会があればまた食べたいと希望していました。

○16日午後

3)臨床研修Ⅰ(アドバンスト活動紹介):アドバンストコースの学部6年生4名が名大病院の精神科/親と子どもの心療科、血管外科/歯科口腔外科/皮膚科/総合診療科、腎臓内科/泌尿器科、および呼吸器内科/呼吸器外科の病棟の特徴、薬物治療の効果や副作用のモニタリング、カンファレンス参加など、病棟薬剤師の活動内容を説明しました。その後、各病棟での症例発表を行いました。

4)臨床研修Ⅱ(病院内見学):名大病院内の薬剤部や外来化学療法室などを見学しながら、名大病院の概要や薬剤師の役割について説明しました。麻薬室の見学時に、米国では突発性疼痛に対して医療用麻薬の速放性製剤であるオキノーム散が使用されるのは稀であり、一般的に錠剤や注射剤を使用するということを知りました。オキノーム散に関わらず米国では粉末製剤を使用することが稀であることを学びました。

 

○17日午前

1)日本文化Ⅱ(書道と和菓子):日本の伝統文化の紹介として、書道を行いました。臨床研修生に漢字の意味を教え、学部生が横で手本を見せながら、気に入った漢字を書いてもらいました。臨床研修生の名前も気に入った当て字を選んで書いてもらい、学部生はそれぞれ自分の名前を書いて記念撮影を行いました。臨床研修生は小筆で漢字の意味やサインを書くなど、楽しそうに書道に取り組んでいました。その後、数種類の和菓子から気に入ったものを選んでもらい、急須で淹れた緑茶と和菓子を楽しみました。

○17日午後

2)臨床研修Ⅲ(臨床研修生によるサンフォード大学の紹介):サンフォード大学薬学部での薬学教育やキャンパスライフについて、臨床研修生にヘルスケアイベントの写真などを提示しながら紹介してもらいました。1年次から医薬品情報学や病態生理学などを学び、高学年になるにつれて内容がより臨床的になると言っていました。臨床研修生の所属するクラブ活動の一環として、薬学生が血圧値や血糖値の測定を行う健康診断などに参加しており、大学の講義以外にも積極的に臨床経験を積んでいました。

3)臨床研修Ⅳ(病棟見学):臨床研修生は米国での長期の病院実習を行う前であり、より詳細に病棟薬剤師の業務内容や各病棟の特徴を紹介するために、血管外科/歯科口腔外科/皮膚科/総合診療科の混合病棟および精神科/親と子どもの心療科の病棟を見学してもらいました。血管外科/歯科口腔外科/皮膚科/総合診療科の混合病棟では、病棟での注射剤の管理方法について実際に注射カートを見せながら説明しました。精神科/親と子どもの心療科では、ホールや中庭にて作業療法として、塗り絵やストレッチ、卓球などを行うこと、興奮状態にある患者は、一時的に保護室に隔離されることがあり、他の病棟とは異なる設備や病室があることを説明しました。短い時間ではありましたが、日本の病棟薬剤師の活動や各病棟の特徴について病棟を回ることで理解してもらえた様子でした。

2日間という短い期間でしたが、日本文化の紹介などを楽しみながらも、臨床研修生による米国の薬学教育の紹介などを通して薬物治療や米国の薬学教育について学びました。臨床研修生のように積極的に実習や研究活動に取り組み、今後の学生生活をより一層充実させていきたいと感じました。

(報告者:磯村優希)

2017年4月18~19日

米国アリゾナ大学薬学部から臨床研修生Sierra K. Fungさん、Jackie Huさんが名古屋大学医学部附属病院および病態解析学Ⅰを訪問

米国アリゾナ大学薬学部4年生 Sierra K. Fungさん、Jackie Huさんが、日本における臨床薬学教育研修の一環として、4月10日~5月4日まで来日しました。4月10日~4月14日の5日間、神戸学院大学薬学部での臨床研修後、4月17日~5月2日の15日間、名城大学薬学部にて臨床研修を行いました。4月18日~4月19日の2日間、名古屋大学医学部附属病院(名大病院)および病院内に設置された名城大学薬学部 サテライトセミナー室病態解析学Ⅰにて臨床研修を実施しました。

〇18日午前

1)当部門・メンバー紹介:サテライトセミナー室にて当部門のメンバーがそれぞれ自己紹介し、野田幸裕教授、吉見 陽助教がそれぞれ当部門の活動や研究内容、日本の薬学部のカリキュラムについてスライドで説明しました。米国の薬学部(Pharm Dコース)のカリキュラムにまで会話は拡がりました。その中でも米国の薬学部では1~3年目には長期療養施設(45時間)、病院(120時間)、薬局(120時間)でのIPPE(Introductory Pharmacy Practice Experiences)、4年目には様々な臨床施設(42週間)でのAPPE(Advanced Pharmacy Practice Experience)が実施されます。この様に、米国では日本よりも実務実習期間が長く、より臨床を重視した薬学教育のもとで知識・技能・態度を深めていることを知りました。

2)日本文化Ⅰ(ウェルカムパーティ):臨床研修生に和食文化を理解してもらうため、昼食におにぎりやいなり寿司などを用意しました。おにぎりについて英語で説明しながら、実際に握ってもらいました。また、日本で流行しているキャラクター弁当を知ってもらうために、いなり寿司をチーズや昆布でデコレーションしてもらいました。それぞれ大変楽しんでもらえた様子でした。アリゾナでの和食に関するエピソードやこれまで日本で堪能した和食について和やかな雰囲気で、和食文化について理解を深めてもらいました。

〇18日午後

1)臨床研修Ⅰ(体験実験):当部門の医薬統合研究の重要性を理解してもらうために、ジェノタイピング(遺伝子型判定)やウェスタンブロッティング(タンパク質の検出)を体験してもらいました。ジェノタイピング体験では、アガロースゲルへのマウスDNAサンプルの注入を行い、最初はピペット操作に苦戦していました。体験していく中で次第に手技は上達し、結果を判定することができました。日本の薬学部のカリキュラムにおいて、このような実験実習が必須科目であり、薬剤師の資格を取得するために、実験実習の知識が必要であることを紹介しました。米国の薬学部(Pharm Dコース)の入学要件や授業において、実験実習が必須科目ではないことから、日本の薬学部との薬学教育制度の違いについて理解を深めてもらいました。

2)臨床研修Ⅱ(病院内見学):名大病院内の薬剤部や外来化学療法室などを見学しながら、名大病院の概要や薬剤師の役割について説明しました。薬剤部の見学において、米国では注射剤や輸液を薬剤師ではなくテクニシャンが調製するため、日本では薬剤師が調製していることに驚いた様子でした。米国の薬剤師が日本の薬剤師以上に患者面談など患者に直接関わる時間に重点を置いていることを改めて実感しました。

3)臨床研修Ⅲ(アドバンスト活動紹介):アドバンストコースの学部6年生4名が名大病院の精神科/親と子どもの心療科、血管外科/歯科口腔外科/皮膚科/総合診療科、腎臓内科/泌尿器科、および呼吸器内科/呼吸器外科の病棟の特徴、薬物治療の効果や副作用のモニタリング、カンファレンス参加など病棟薬剤師の活動内容を説明しました。その後、各病棟での症例発表を行いました。高カリウム血症の治療に関して、米国ではポリスチレンスルホン酸カルシウムの散剤または錠剤で治療を行うため、日本で使用されているゼリー製剤に興味をもっていました。

4)日本文化Ⅱ(ショッピングと夕食):名古屋駅に新しくできたJRゲートタワー内の服屋やキャラクターグッズの専門店などをウィンドウショッピングし、かわいいキャラクターグッズに癒されていました。夕食は臨床研修生念願の味噌カツや台湾ラーメン、きしめんなど名古屋めしを堪能し、大変喜んでいました。

 

〇19日午前

1)臨床研修Ⅳ(臨床研修生による症例発表):臨床研修生より膵炎の既往を持つ糖尿病患者に対するGLP-1(glucagon-like peptide-1)受容体作動薬の使用および小児の感染性心膜炎に対する抗菌薬の使用についての症例報告を行ってもらいました。ガイドラインに基づいた治療の重要性や自ら情報収集し、吟味して患者の治療に取り入れていくことの重要性を実感しました。今後も情報に敏感に、貪欲に学び続けたいと思いました。

〇19日午後

1)日本文化Ⅲ:臨床研修生をリーダーにしたチーム対抗にて、日本の伝統文化や和菓子、建物などに関するクイズ当てゲームや折り紙を行いました。出題の題材となった「かりんとう」や「金平糖」などは実際に試食してもらい、折り紙は鳥や手裏剣、鶴などを実際に作製してもらいました。細かい折り込み作業に苦戦しながらも、きれいに作製できた折り紙を手に集合写真を撮り、楽しい時間を過ごしました。

2)臨床研修Ⅴ(病棟見学):サテライトセミナー室にて、名大病院の電子カルテについて説明しました。その後、精神科/親と子どもの心療科にて、病棟施設や病棟での薬剤師の仕事を紹介しました。名大病院では精神科病棟内に大人と小児が一緒に入院していますが、Banner University Medical Center Tucsonでは別々の病棟に入院していること、名大病院と同様に年齢に応じた専門医による治療が行われていることを学びました。DIEPSS(薬原性錐体外路症状評価尺度)に基づいた錐体外路症状のモニタリングや処方された薬の説明などの患者面談を行っている様子を臨床研修生に見学してもらいました。面談した患者には、睡眠改善のために使用されるクエチアピンが処方されていましたが、その処方の代わりにジフェンヒドラミンはどうかなど薬剤選択について話し合いました。常に患者に対する処方薬の妥当性を吟味し、他者と意見を交えることが、様々な観点から患者に最適な薬物療法を考え、提供することに繋がります。これはチーム医療においても重要であり、今後活かしていきたいと思いました。

今回、海外臨床研修生と日米の教育制度、薬物治療、および病院薬剤師業務について意見交換することで、米国の薬学部(Pharm Dコース)では日本の薬学部以上に実務実習に重きを置いた薬学教育であることを知りました。米国の薬剤師業務は患者面談など患者と向き合う時間が多いことを学び、将来、患者とどのように関わっていけばよいか改めて考えることができた2日間となりました。

(報告者:柳本佳南)

2017年3月21~22日

米国サンフォード大学薬学部から臨床研修生Alyssa Anne Martinさん、Maryfrances K. Brownさんが名古屋大学医学部附属病院および病態解析学Ⅰを訪問

米国サンフォード大学薬学部4年生 Alyssa Anne Martinさん、Maryfrances K. Brownさんが、日本における臨床薬学教育研修の一環として、名古屋大学医学部附属病院(名大病院)および病院内に設置された名城大学薬学部 サテライトセミナー室病態解析学Ⅰにて臨床研修を実施しました。

〇21日午前

1)当部門・メンバー紹介:サテライトセミナー室にて当部門のメンバーがそれぞれ自己紹介し、野田幸裕教授が当部門の活動や研究内容、日本の薬学部のカリキュラムについてスライドで説明しました。臨床研修生は興味深そうに聞いていました。

2)臨床研修Ⅰ(体験実験Ⅰ):当部門の医薬統合研究の重要性を理解してもらうために、ジェノタイピング(遺伝子型判定)やウェスタンブロッティング(タンパク質の検出)を体験してもらいました。抗体の封入時の気泡抜きなどに苦戦しながらも丁寧に行いながら目的タンパク質を検出できました。これらの基礎研究を通して、当部門のトランスレーショナルリサーチによる創薬研究について理解を深めて頂きました。

3)日本文化Ⅰ(ウェルカムパーティ):臨床研修生に和食文化を理解してもらうため、昼食にちらし寿司を用意しました。はしを使用して種々の和食を堪能しながら、好きな和食や観光予定について和気あいあいと款談しました。明太子ドレッシングや抹茶菓子などが気に入った様子でした。

〇21日午後

1)臨床研修Ⅱ(アドバンスト活動紹介):学部5年のアドバンスト学生4名が精神科/親と子どもの心療科、血管外科/歯科口腔外科/皮膚科/総合診療科、腎臓内科/泌尿器科、および呼吸器内科/呼吸器外科の病棟の特徴、薬物治療の効果や副作用のモニタリング、カンファレンス参加など病棟薬剤師の活動内容を説明し、その後、症例発表を行いました。

米国では医療用麻薬が歯科領域や整形領域などの慢性疼痛などにも使用されており、その処方量や流通量が極めて多いため、医療用麻薬の乱用が社会問題化していると聞きました。日本では使用適用が主にがん疼痛であること、医療用麻薬として厳格に管理されていること、麻薬に対する障壁があることなどから、医療用麻薬の乱用はほとんど問題になっていないことを説明しました。日米の医療用麻薬の使用目的や考え方の違いに驚きました。

2)臨床研修Ⅲ(病棟見学Ⅰ):精神科/親と子どもの心療科および血管外科/歯科口腔外科/皮膚科/総合診療科を見学しながら、病棟薬剤師は各病棟に1人配置されていること、病棟での薬剤の管理方法などを説明しました。注射剤の管理方法について実際に注射カートを見ながら説明し、米国では抗MRSA薬のテイコプラニンが承認されていないことを聞き、日米で使用される薬剤が異なることを学びました。

3)臨床研修Ⅳ(病院内見学):病院の外来や検査部門を見学しながら、病院の概要や薬剤師の役割について説明しました。薬剤部の見学では、米国では資格をもったテクニシャンが調剤を行いますが、日本では薬剤師が行っていたため、臨床研修生は日米の薬剤師の業務の違いに驚いた様子でした。

4)日本文化Ⅱ(ショッピングと夕食):ショッピングセンターのペットショップや100円ショップなどに行き、ゲームセンターにてプリントシール写真を撮りました。日本のプリントシール機の大きさに驚いていましたが、楽しそうに写真をデコレーションしていました。夕食は回転寿司に行き、回転レーンから運ばれる寿司に興奮した様子でした。最後にスイーツを食べ、和やかな雰囲気で談笑しました。

 

〇22日午前

1)臨床研修Ⅴ(臨床研修生による症例発表):臨床研修生より消化管出血による胃痛を有する患者や高血圧、糖尿病など様々な疾患を有する患者の症例報告を行ってもらいました。日米では選択薬が異なること、その相違には患者個々の身体的、経済的な背景が大きく影響することを学ぶことができました。

2)臨床研修Ⅵ(体験実験Ⅱ):当部門の医薬統合研究の重要性を理解してもらうために、継代(細胞の系統維持)やトリパンブルー染色(セルカウント)を体験してもらいました。生細胞より死細胞が多く観察されたときは少し残念そうでしたが、核が分葉した血液細胞や脂肪滴を蓄えた成熟脂肪細胞を顕微鏡で確認でき、非常に興味を持っていました。患者が安全に治療を遂行できるような、当部門のトランスレーショナルリサーチによる医療薬学研究について理解を深めて頂きました。

〇22日午後

3)日本文化Ⅲ:臨床研修生をリーダーにしたチーム対抗にて、日本の伝統文化や食事、建物などに関するクイズ当てゲームをしました。出題の題材となったカステラやかりんとう、金平糖などは実際に試食してもらい、折り紙は鳥や手裏剣、鶴などを実際に作成してもらいました。器用に作成した折り紙を手に集合写真を撮り、楽しい時間を過ごしました。

4)臨床研修Ⅶ(病棟見学Ⅱ):腎臓内科/泌尿器科および呼吸器内科/呼吸器外科を見学しながら、各病室の患者数や面談方法を紹介しました。米国では医師、薬剤師、看護師などがチームとなり一緒に面談に行き、情報を共有するということを知り、日本では薬剤師や医師などがそれぞれ個別に面談に行き、後から情報を共有してチーム医療を行うため、米国では自然に患者を取り囲んだチーム医療が行われていることを学びました。その後、サテライトセミナー室にて名大病院の電子カルテについて説明しました。米国ではレントゲンやCT画像などを見ることができるのは医師だけですが、日本では薬剤師もそれらを見ることができることに臨床研修生は驚いた様子でした。日本は薬剤師が米国と比較してより多くの患者情報を収集できる分、積極的に治療に介入していく必要があると感じました。

5)臨床研修Ⅷ(薬剤師外来):当部門で行っている薬剤師外来(吸入療法支援)について実際の吸入練習器を用いて説明しました。臨床研修生は吸入薬の使用経験があり、興味深く説明を聞いていました。

今回、海外臨床研修生と日米の病院薬剤師業務について意見交換を行うことで、双方の相違点について学ぶことができました。積極的に会話することや患者個々に合わせた医療を提供することなど、改めて薬剤師に必要な態度・知識・能力について考える良い機会となり、刺激を受けた2日間となりました。

(報告者:内田美月)

2016年5月17~18日

米国サンフォード大学薬学部から臨床研修生 Van Hook Hayley Katherineさん、O’Neal Juliet Anastasiaさんが名古屋大学医学部附属病院および病態解析学Iを訪問

米国サンフォード大学薬学部4年生 Van Hook Hayley Katherineさん、O’ Neal Juliet Anastasiaさんが、日本における臨床薬学教育研修の一環として、名古屋大学医学部附属病院(名大病院)および病院内に設置された名城大学薬学部 サテライトセミナー室病態解析学Ⅰにて臨床研修を実施しました。

○17日午前~

臨床研修①:名大病院内を見学し、病院の概要を説明し、米国との相違点について話し合いました。その後、サテライトセミナー室にて当部門内での活動や研究内容についてスライドで説明しました。

ウェルカム・パーティ:ピザやお寿司、お菓子を食べながら、臨床研修生が滞在期間中に観光を予定している東京や大阪、京都などのおすすめスポットの話で盛り上がりました。パーティーの始まりと終わりには日本の食事の挨拶である「いただきます」と「ごちそうさま」について説明し、一緒に手を合わせました。

○17日午後~

臨床研修②:学部6年のアドバンスト学生4名より、病棟の特徴や病棟薬剤師の役割、患者との関わり方について説明し、症例発表を行いました。当部門で行っている薬剤師外来(吸入療法指導)について紹介し、実際に吸入操作を体験してもらいました。その後、血管外科/歯科口腔外科/皮膚科/総合診療科の病棟を見学しながら、各科の特徴や病棟薬剤師の業務内容を紹介しました。

実験体験・見学①:体験実験としてジェノタイピング(遺伝子型判定)のためのポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction:PCR)法の原理やピペット操作を含む手順を説明しました。その後、反応試薬の調製を体験してもらいました。

ショッピング:名古屋駅にて日本の小物ショップをまわり、夕食には名古屋めしである味噌カツを食べました。初めて食べる味噌カツに臨床研修生は、「美味しい」と感動していました。帰りの駅構内では、視覚障害者誘導用ブロックを紹介し、臨床研修生は「今まで見たことがない」と驚いていました。

○18日午前~

臨床研修生による症例発表:臨床研修生よりイソニアジド誘発性てんかん重積および尿路感染症の症例発表を聞き、それぞれの病態、診断法、疾患分類、それに伴う薬物治療法を学ぶことができました。米国の薬学生の病棟実習内容も詳細に知ることができ、今後の病棟実習や研修に活かして行きたいと思いました。

実験体験・見学②:前日の17日に引き続いてジェノタイピングを行いました。臨床研修生は、昨日PCR法で増幅させた産物を慣れないピペット操作に苦戦しながらも作製したゲルに電気泳動によって目的とするDNAバンドを検出することができました。

昼食:嵐山や清水寺、名古屋城、東京駅など、日本の有名な観光スポットをスライドショーで紹介しながらお弁当を食べ、日本と米国の文化について話し、交流を深めました。

○18日午後~

日本文化紹介:日本の伝統文化として、書道を行いました。臨床研修生に漢字の意味を教え、気に入った漢字を書いてもらいました。とめ、はね、はらいなどの書道の筆づかいをジェスチャーも交え、一画一画に集中して筆を運んでいました。出来上がった作品をフレームに入れ、プレゼントしました。その後、日本の伝統的な遊びである福笑いも行い、出来上がった顔に全員が笑顔になりました。

臨床研修③:呼吸器内科/呼吸器外科および精神科/親と子どもの心療科の病棟を見学しました。前日に見学した血管外科/歯科口腔外科/皮膚科/総合診療科とのナースステーョンの設備や病室の違いや特徴、病棟薬剤師の業務内容を紹介し、日本と米国の違いについて話し合いました。

以上のように、2日間臨床研修生と積極的にコミュニケーションをとり、交流を深めることで、米国の病院実習の内容、教育制度、および薬剤師の役割について知ることができました。日本の薬剤師の在り方について考える良い刺激となりました。

(報告者:中川芹菜、河合早紀)

2016年3月15~16日

米国サンフォード大学薬学部から臨床研修生 Alesha Loveさん、Hillary Estrightさん、およびGabrielle Williamsさんが名古屋大学医学部附属病院および病態解析学Iを訪問

米国サンフォード大学薬学部4年生 Alesha Loveさん、Hillary Estrightさん、およびGabrielle Williamsさんが、日本における臨床薬学教育研修の一環として、名古屋大学医学部附属病院(名大病院)および病院内に設置された名城大学薬学部 サテライトセミナー室病態解析学Ⅰにて臨床研修を実施しました。

○15日午前~

臨床研修①:薬剤部の各部署を見学しながら、名大病院の調剤業務の流れ、TDMやチーム医療について説明を受け、名大病院の薬剤師の職務について学びました。その後、サテライトセミナー室にて当部門内での活動や研究内容についてスライドで説明しました。

ウェルカム・パーティ:手巻きずしや赤飯、おにぎりなどの日本食を紹介しました。英語のレシピを見ながら一緒に作って試食し、来日早々の臨床研修生にも好評でした。臨床研修生と好きな日本食や米国の日本食レストランの話で盛り上がりました。

○15日午後~

臨床研修②:学部5年のアドバンスト学生4名より、病棟の特徴や病棟薬剤師の役割、患者との関わり方について説明し、症例発表を行いました。当部門で行っている薬剤師外来(吸入療法指導)について紹介し、指導方法を説明しました。その後、呼吸器内科/呼吸器外科および精神科/親と子どもの心療科の病棟を見学しながら、各科の特徴や病棟薬剤師の業務内容を紹介し、日米の違いについて話し合いました。

日本文化紹介①:日本の伝統文化として、書道を行いました。臨床研修生に漢字の意味を教え、気に入った漢字を半紙に書いてもらいました。筆づかいはジェスチャーを交え、一緒に書いて練習しました。3名の臨床研修生は、初めてにもかかわらず、上手に漢字を書くことができました。

ボーリング大会:日米で人気のあるボーリングを行いました。チーム対抗戦で、臨床研修生もそれぞれのチームメンバーとしてゲームに参加しました。どのチームも、ストライクやスペアが取れた時に全員で喜びを分かち合い、非常に盛り上がりました。

○16日午前~

臨床研修生による症例発表:臨床研修生より高血圧症および心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症例発表を聞き、それぞれの米国の患者に対し、検査値、バイタルサイン、および患者背景を考慮した薬学的介入方法を学ぶことができました。症例から新たな病態や治療法の知見を深める良い機会となり、今後の病棟実習や研修に活かして行きたいと思いました。

日本文化紹介②:日本の伝統文化として名前の手彫りスタンプを作り、前日の書道半紙に押印しました。出来上がった作品をフレームに入れ、臨床研修生にプレゼントしました。その後、かるたを行い、日本の伝統的な遊びに触れてもらいました。

昼食:2日間の思い出をスライドショーとして眺めながら、臨床研修生とお弁当を食べ、日米の医療、薬学教育、および学生生活について話し合い、相違点を理解しました。

○16日午後~

高齢者向けくすり教室:高齢者に対する服薬指導およびアドヒアランス向上の活動として、デイサービスセンターにおける高齢者向けの「くすり教室」を見学してもらいました。最後に、臨床研修生も日本語で高齢者に自己紹介を行い、高齢者と交流することができました。

以上のように、日米の薬剤師業務や薬学教育の違いについて共有することで理解が深まり、将来の薬剤師像や学生としてすべきことを考えることができました。国際交流の必要性や楽しさを実感し、有意義な2日間でした。

(報告者:河合早紀)

2015年5月21~22日

サンフォード大学薬学部から臨床研修生Amber Millerさん、Martha Ann Dancyさん、Sarah Caty Wilsonさん、臨床研修にて病態解析学Ⅰを訪問

2015年5月21日、22日の2日間、米国サンフォード大学薬学部 4年生 Amber Millerさん、Martha Ann Dancyさん、Sarah Caty Wilsonさんが、日本における臨床薬学教育研修の一環として、名古屋大学医学部附属病院(名大病院)内に設置された名城大学薬学部 病態解析学Ⅰにて、臨床研修を実施しました。

○21日午前~

・臨床研修:薬剤部の各部署を見学しながら、名大病院の担当薬剤師やアドバンスト学生から調剤業務の流れ、TDMやチーム医療について説明を受け、名大病院の薬剤師の職務について学びました。その後、当部門内での活動や研究内容について担当学生がスライドで説明しました。

・昼食:桜や紅葉といった日本の四季折々の風景や日本各地の写真を紹介しながら和風お弁当を食べ、交流を深めました。

○21日午後~

・臨床研修:腎臓内科、泌尿器科、整形外科、NICU・GCU、精神科の病棟見学や緩和ケアチームの活動を見学しながら、各病棟の特徴、病棟や緩和ケアチームにおける薬剤師の役割を各担当薬剤師などに紹介してもらいました。実際に薬剤師がどのように患者と関わっているのかシャドーウィングもしました。最後に、当部門にて行っている薬剤師外来について紹介しました。

・ウェルカム・パーティ:実習を終えた5年生や新しく配属された4年生も参加し、ピザやお寿司、お菓子を食べながら、留学生と談笑しました。趣味やペット、両国における流行などの話題で盛り上がり、楽しい時間を過ごすことができました。

○22日午前~

・IPE(Interprofessional Education):薬学5年生と名古屋大学の医学5年生のIPEを見学しました。教員とアドバンスト学生がIPEプログラムについて説明し、日本と米国におけるIPEの相違点について話し合いました。留学生からは、「医学生、薬学生が互いに協力し合っている様子がすばらしい」と感想を述べていました。

・症例発表:6年生のアドバンスト学生4名より、病棟の特徴や病棟薬剤師の役割、患者との関わり方について再度説明し、症例検討を行いました。

・昼食:名古屋めしとして代表的な「みそかつサンド」を食べながら日本と米国の文化について話し、交流を深めました。

○22日午後~

・日本文化紹介:箸を使った豆つかみゲームをチーム対抗で行い、日本文化に触れてもらいました。

・サンフォード大学の紹介:サンフォード大学での薬学教育やキャンパスライフについて紹介してもらい、両大学の相違点を知る良い機会となりました。特に、1年次に薬局実習(週1日)、2年次に病院実習(2週間)、3年次にワクチン接種実習(2週間)、4年次に9カ所での実習(5週間ずつ)と、低学年のうちから継続して、また、高学年では全45週もの長期間に渡って、臨床研修・実習ができるサンフォード大学の臨床研修・実習制度は魅力的でした。

・フェアウェル・パーティ:サンドウィッチや砂肝、わらびもちなどを食べながら交流を深めました。砂肝やわらびもちの触感は初体験で、日本の食文化独特の触感に驚いていました。最後に皆で写真を撮り、明るく3人を送り出しました。
以上のように、米国の薬学教育制度や薬剤師業務について学ぶことで、日本の薬学生としてすべきこと、できることを改めて考える機会となり、国際的な人間関係を築くこともでき、充実した2日間を過ごすことができました。

(報告者:河合早紀、浅井美穂)

2014年11月14日

A Scottish and Japanese experience of patient centred interprofessional diabetic education開催 

2014年11月14日、名古屋大学医学部にて「A Scottish and Japanese experience of patient centred interprofessional diabetic education」が開催され、当部門から博士課程1年次の後藤 綾、学部4年生の伊藤貴博、河合早紀が参加しました。本プログラムでは、多職種連携教 育(Interprofessional education:IPE)の一環として、スコットランドのAberdeen大学とWebを通して症例検討会を行いました。日本では、名古屋大学医学部 5・6年生3名とともにチームを組み、事前に糖尿病模擬患者との面談を通してケアプランを作成しました。当日は世界糖尿病デーということもあり、日本チー ムはシンボルである青色の「はっぴ」を着て団結し、症例に対するアセスメントやプラン、チーム医療の重要性についてスコットランドの学生と活発な意見交換 を行いました。各国で治療方針、医療制度、医療分業に対する考え方の相異があり、新たな知見を得ることが出来、大変有意義でした。今回の経験を今後の臨床 活動に生かしていきたいです。(報告者:後藤 綾)

2014年4月10~11日

サンフォード大学薬学部留学生来室

2014年4月10日~11日の2日間、米国サンフォード大学薬学部 4年生Abby Jeskeさん、Michelle Simmonsさん、Meredith Schaferさんが、日本における臨床薬学教育研修の一環として、名古屋大学医学部附属病院(名大病院)内に設置された名城大学薬学部 サテライトセミ ナー室 病態解析学Ⅰにて、臨床研修を実施しました。
○10日午後~:
・臨床研修:薬剤部や呼吸器内科病棟を見学しながら、担当薬剤師や学生からTDMなどの特徴ある活動や病棟・緩和ケアチームの薬剤師の役割、チーム医療の重要性について学びました。その後、当部門内での活動や実験風景を担当学生が説明しながら、部門内を見学しました。
・ウェルカム・パーティ:研修後には鶴舞公園で花見を行い、春の風物詩である桜と色とりどりのチューリップを観賞し、屋台で味噌串カツや名古屋ソース焼き そば、たません部門を食べ、日本の文化を紹介しました。ウェルカム・パーティでは、ピザを食べながら、当部門の野田幸裕教授、毛利彰宏助教が当部門につい て説明し、次いで大学院生・学部生(アドバンスト研修生8名を含む)の総勢21名が各自の研究内容や病棟でのアドバンスト研修内容について自己紹介を交え ながら説明しました。また、私たちがよく使う日本語を教える日本語教室を行うなど終始盛り上がりました。
○11日午前~:
・臨床研修:学部6年生のアドバンスト研修生3名による病棟の特徴や日本の病棟薬剤師の仕事内容、患者さんとの関わり方について紹介し、症例検討を行いま した。米国と日本との相違点を知るよい機会となりました。また、当部門の野田幸裕教授が運営しているIPEP(多職種連携教育の実践)に参加し、名城大学 と名大と連携して実施しているIPEについて学びました。
・昼食:日本の代表的な食べ物である握り寿司を食べに行き、休憩時間には、鶴や鳥、箱などを折り紙で折って、日本伝統の遊びについても触れてもらいました。
○11日午後~
・臨床研修:学部6年生と大学院生の研究内容や当部門で行っている薬剤師外来(吸入指導)の紹介し、実際の吸入指導方法を実践しました。指導方法について意見交換しました。
・研修生による症例報告:サンフォード大学での薬学教育やAbby Jeskeさん、Michelle Simmonsさん、Meredith Schaferさんの臨床活動について紹介してもらいました。特に症例を基にしたAKI(急性腎不全)、卵巣腫瘍、菌血症や骨髄炎の病態、診断法、疾患分 類、それに伴う治療方法を学ぶことができました。米国の薬剤師は疾患に基づいた治療薬の評価を行っている点が日本よりも進んでおり、非常に興味深かったで す。
・フェアウェル・パーティ:天むすや手羽先などの名古屋飯を食べながら、交流を深めました。最後に皆で写真を撮り、花道を作ってお見送りしました。
以上のように、米国の研究内容・薬剤師業務を知り、意見交換することで新たな発見をすることができ、将来の薬剤師の役割を考える上で大変有意義な2日間となりました。
(報告者:大口裕美、竹内美緒)

2014年1月20~21日

留学生Duc Nguyenさん、臨床研修にて病態解析学Ⅰを訪問

2014年1月20~21日の2日間、米国南カリフォルニア大学薬学部 5年生Duc Nguyenさんが、名古屋大学医学部附属病院(名大病院)内に設置された名城大学薬学部 サテライトセミナー室 病態解析学Ⅰにて、日本における臨床研修を受けました。
20日午前:名大病院や薬剤部内の見学後、野田幸裕教授が名城大学薬学部や当部門について説明し、続いて毛利彰宏助教、博士課程2年生の肥田先輩、学部5年生を中心に4年生の総勢17名が英語で研究内容や病棟でのアドバンスト研修内容について紹介しました。
20日午後:薬剤部での遺伝子解析、TDMやがんプロなどの特徴ある活動について担当薬剤師が説明を行い、その後、呼吸器内科、小児科や腎臓内科病棟、外来化学療法室を見学しながら、病棟・外来薬剤師の役割について学びました。さらに、緩和ケアチームにも同行し、チーム医療の重要性について説明しました。最後に名大病院 鶴友会館にて行われた第1回喘息アドヒアランスセミナーに参加し、名大病院での薬剤師外来での吸入指導における薬剤師の役割について学んでもらいました。
21日午前:一宮市立浅井中小学校にて行われたくすり教室にDuc Nguyenさんも同行し、薬剤師や薬学生による、薬の適正使用を推進するための活動に参加し、小学生と共に体験実験も行いました。
21日午後:米国での薬学教育やDuc Nguyenさんの南カリフォルニア大学における臨床活動ついて紹介してもらいました。特に症例を基にした米国でのクレブシエラ・ニューモニエ感染症による肺炎の病態、抗菌薬の選択基準について、培養試験を踏まえた米国薬学生の活動内容についての内容が非常に興味深く、米国での抗菌薬の適正使用を学ぶことができました。フェアウェル・パーティでは、会話は途切れることなく、終始盛り上がりました。(報告者:森下真由)

2012年8月19日~9月1日

名城大学薬学部 米国南カルフォルニア大学薬学部海外臨床研修

名城大学薬学部 後援会海外臨床研修が、南カルフォルニア大学薬学部にて、開催されました。
当部門からは、野田幸裕が研修生11名(男性1名、女性10名:いずれも5年生)の臨床研修に引率しました。8月29日には小嶋学部長とともに南カルフォルニア大学薬学部 副薬学部長Ronald L. Alkana先生(左写真右側)、Kathleen Hill-Besinque先生(左写真右2番目)、Michael Z. Wincor先生(左写真右3番目)と、1)博士課程学生の臨床研修を中心とした新規受入、2)学部生の臨床研修内容のさらなる充実、3)南カルフォルニア大学薬学部の学生の積極的な派遣について会談を行いました。その後、薬学部長R. Pete Vanderveen先生(右写真)とも両大学の交流をさらに充実させていくことで会談は締めくくられました。
(報告者:野田幸裕)

2012年4月9~13日

名城大学薬学部 アリゾナ大学薬学部海外臨床研修

2012年4月9~13日の5日間、日本における臨床薬学教育研修の一環として、米国アリゾナ大学薬学部からAshlee Dawn Gerfenさんが名古屋大学医学部附属病院(名大病院)における名城大学薬学部 サテライトセミナー室 病態解析学Ⅰに滞在し、名大病院のアドバンスト学生を中心に当室の配属学生と共に名古屋大学医学部附属病院での臨床研修を行いました。
初日の9日には、名大病院内のスカイレストラン『ソレイユ』にて親睦を深めるために当室の配属学生と共に昼食をとりました。14階からは桜満開の鶴舞公園が一望でき、その素晴らしい景色が、一段と会話を盛り上げました。
研修期間の5日間、病棟(婦人科、呼吸器内科、ICUなど)、外来化学療法室、喘息外来や薬剤部(各部門や遺伝子解析、がんプロなど)や医局の見学を行いました。また、名大病院における当部門の役割を野田先生が説明し、その後、当部門での活動紹介として、各医局との臨床研究内容や病棟でのアドバンスト研修内容について、毛利先生、大学院生・学部生(アドバンスト学生を含む)の総勢13名が英語で説明しました。
最終日の13日には、Ashleeさんの臨床活動内容、米国の薬学教育やアリゾナ大学についての発表会を行い、我々も米国の薬学教育やアリゾナ大学について多くの事を学ぶことができました。その後、研修終了ピザ・パーティを開催しました。その後、名大病院薬剤部の石川副部長をはじめ薬剤師レジデント6名も加わり、会話は途切れることなく、終始盛り上がりました。
(報告者:山下加織)

2011年3月14~17日

米国サンフォード大学薬学部から研修生訪問

米国サンフォード大学薬学部のGary A. Perkins君が、名城大学薬学部 サテライトセミナー室にて、臨床研修を実施しました。
名古屋大学医学部附属病院と連携している当部門での活動紹介として、学部5・6年の学生が各医局との共同研究における研究内容について英語で発表を行いました。また、外来化学療法や喘息教室、各研究先の医局を見学しました。Gary君からも自己紹介、研究内容の発表が行われ、米国と日本の臨床や研究の相違点について深く考えることができました。Gary君は日本語や日本のライフスタイルにも興味を持っており、短期間でありましたが、様々な会話を通して交流を深めることができました。
(報告者:後藤 綾)

2010年4月13日

米国マーサー大学、テネシー大学薬学部研修生訪問

マーサー大学、テネシー大学薬学部研修生5名が名城大学薬学部 サテライトセミナー室にて臨床薬学研修を実施しました。
名古屋大学医学部附属病院と連携している当部門の修士課程2年、学部5年の学生が各医局での研究および各病棟における臨床研修について紹介しました。研修生からはマーサー大学、テネシー大学薬学部での教育カリキュラムやアメリカの医療現場における薬剤師の役割について説明し、野田幸裕教授の助言の元、日米の現状の相違について活発な意見交換を行いました。短い時間ではありましたが、相互に交流を深めることができ、非常に有意義な時間でした。
(報告者:桑原宏貴)