活動報告

大学・研究室行事

大学行事として、学生フォーラム、ソフトボール大会、オープンキャンパス、卒論発表や卒業式などが開催され、こうした行事には積極的に参加しています。研究室行事として、鶴舞公園での花見、ゼミ旅行、スポーツフェスティバル、新年会など、1年を通して楽しいイベントを開催し、メンバー同士の親睦を深めています。

2020年9月23日

アドバンスト活動報告会

本年度の「アドバンスト活動報告会」が、名古屋大学医学部附属病院内に設置された名城大学薬学部サテライトセミナー室にて行われました。例年、愛知医科大学病院、藤田医科大学病院、名古屋大学医学部附属病院、および名城大学薬学部ライフサイエンスホールにて同時開催されていた「遠隔教育システムを利用したアドバンスト学生による活動報告会」は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止となりました。そこで、名古屋大学医学部附属病院でアドバンスト研修を行った学部6年生4名のみで活動報告を行いました。報告会には野田幸裕教授、吉見 陽助教、大学院生3名、およびアドバンストの学部5年生4名と4年生4名が参加し、多くの質疑やコメントがあり、活発な報告会となりました。

皮膚科病棟で研修した河西初音は、悪性黒色腫の治療への介入について報告しました:悪性黒色腫の治療薬であるキイトルーダ®(ペムブロリズマブ)には免疫機能活性化に伴う副作用として皮膚の掻痒感があり、適正使用ガイドにおいて抗ヒスタミン剤や外用剤での対処療法が推奨されています。抗ヒスタミン薬の中には、腎機能に影響を与える薬剤があり、腎機能低下患者にも使用できる薬剤への変更を提案し、副作用発現を防止することができました。

消化器外科病棟で研修した河野彩香は、食道がんの治療への介入について報告しました:食道がんの術前術後化学療法に使用する抗がん剤(シスプラチン、ドセタキセルなど)には、末梢神経障害を発現するリスクがあります。患者面談やカルテ情報から薬剤の使用歴を確認し、末梢神経障害に対して眠気の副作用が少ないタリージェ®(ミロガバリン)を提案しました。この介入により、末梢神経障害は軽快し、アドヒアランスも向上し、化学療法を継続することができました。

精神科/親と子どもの心療科病棟で研修した佐治凪帆は、バルプロ酸の急速飽和療法への介入について報告しました:バルプロ酸による薬剤性カルニチン減少症が原因で高アンモニア血症を発現する場合があります。高アンモニア血症には、カルニチン欠乏症治療薬であるエルカルチン®(レボカルニチン)の投与やバルプロ酸を減量するためのTDMの提案があります。服薬指導では、治療薬の減量理由、減量に対する不安解消、エルカルチン内服方法の説明を行い、アドヒアランスの向上と症状改善に貢献することができました。

呼吸器内科病棟で研修した長谷川真由は、非小細胞肺がんの治療への介入について報告しました:抗がん剤治療として使用していたシスプラチンによる悪心、ビノレルビンによる血管炎、その他便秘、夜間頻尿や不眠がありました。悪心に対して追加制吐剤、血管炎に対して温罨法、不眠に対して睡眠衛生指導やゾルピデムからベルソムラ®(スボレキサント)への変薬を提案しました。夜間頻尿に対して抗がん剤や持参薬によるものではないことを確認して泌尿器科への受診勧奨し、多くの症状改善に貢献することができました。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、3月以降は病棟でのアドバンスト研修を行うことができず、非常に残念でした。しかし、実務実習から継続して名古屋大学医学部附属病院で臨床に携わっていたからこそ、入院患者へ長期にわたる薬学的介入ができ、活動を集約することができました。実務実習とアドバンスト研修での経験に加えて、自粛期間中に溜まった臨床へのフラストレーションを活力にして、患者の未来に寄り添った最高の薬剤師(アンサングヒーロー)を目指していきたいと思います。

(報告者:河西初音、河野彩香、佐治凪帆、長谷川真由)

【名古屋大学医学部附属病院】
河西初音(皮膚科病棟)
「ペムブロリズマブ治療中悪性黒色腫患者における化学療法及び支持療法への介入」
河野彩香(消化器外科病棟)
「化学療法施行患者における副作用・生活習慣病に対する介入」
佐治凪帆(精神科/親と子どもの心療科病棟)
「不安、焦燥感の強い患者にバルプロ酸を投与し高アンモニア血症となった一例」
長谷川真由(呼吸器内科病棟)
「非小細胞肺がん患者の化学放射線療法における薬剤師の介入」

2020年9月3日

2020年度 6年生の卒論の慰労会:感謝を込めた記念品の贈呈

「2020年度 6年生の卒論の慰労会:感謝を込めた記念品の贈呈」が、名城大学薬学部新3号館1階にて行われました。

例年、食事を楽しみながらの会でしたが、今年度は新型コロナウイルス感染症の影響をうけ、卒業論文発表会後の開催となりました。学部4・6年生は大学講義、学部5年生は実務実習の中ではありましたが、当室一同が久々に集まりました。最初に吉見 陽助教から学部6年生をはじめ、卒業研究・論文作成に関わった全員へ労いのお言葉を頂きました。学部4年生と学部5・6年生は8月4日以来の交流機会となり、初めて顔を合わせる学生の自己紹介の機会ともなりました。学部6年生から教員、大学院生、学部4・5年生へ、卒業論文完成の感謝を込めたプレゼントが贈られました。野田幸裕教授から今後の激励を込めた締めのお言葉を頂き、閉会となりました。

後日、学部6年生へ、昨年度の卒業生から薬剤師国家試験合格を祈願したお守りとメッセージ動画、学部4・5年生からそれぞれ携帯用アルコールジェル、先輩方のイメージカラーの名入りボールペンを贈りました。

これまでの当室での活動が先輩方に支えられていたことを改めて実感し、先輩方から引き継いだ活動や研究の更なる発展に向けて、学部4・5年生一同、気持ちを新たにして日々励みたいと思いました。

(報告者:小口智也)

2020年9月3~5日

令和2年度薬学部卒業論文発表会

「令和2年度薬学部卒業論文発表会」が名城大学薬学部新1号館2階、3階、4階、および7階にて開催されました。本年度は、口頭発表はなくすべてポスター発表でした。

発表会では、当室の学部6年の伊藤紗智子、岩見浩太郎、河野彩香、久保美穂子、佐治凪帆、および長谷川真由が新1号館4階、太田絵梨花、野口 健、吉開拓弥、および吉田樹生が新1号館7階、衛生化学研究室の河西初音が新1号館3階にて発表を行いました。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、3密の回避、手指消毒、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保など徹底した感染対策のもと、それぞれが工夫を凝らして作成したポスターには、多くの先生入れ替わり立ち代わりポスターを閲覧され、様々なご質問やご意見をされました。基礎や臨床の枠にとらわれない広い見識を持つことは、今後薬剤師・大学院生として業務・研究を進めていく上で重要であることを再認識しました。この貴重な経験を活かして、高度な専門知識と研究能力を有する薬剤師、すなわちファーマシスト・サイエンティストを目指し、問題解決能力および科学的思考力をさらに高めていきたいです。

(報告者:佐治凪帆)

【ポスター発表】
伊藤紗智子 (9月3日)
「統合失調症様モデルマウスの海馬におけるクロザピン反応性タンパク質の同定」
岩見浩太郎 (9月3日)
「統合失調症様モデルマウスの社会的認知行動におけるドパミンD3受容体の役割」
太田絵梨花 (9月3日)
「ストレス負荷マウスの社会的認知行動におけるα7ニコチン性アセチルコリン受容体の関与」
河野彩香 (9月3日)
「クロザピンによる脂肪滴蓄積におけるアドレナリンβ受容体の関与」
久保美穂子 (9月3日)
「統合失調症様モデルマウスの側坐核におけるクロザピン反応性タンパク質の同定」
佐治凪帆 (9月3日)
「病院実務実習における薬学生の精神疾患に対するスティグマへの意識調査」
野口 健 (9月3日)
「精神科外来患者における抗うつ薬および抗不安薬の処方状況に関する調査」
長谷川真由 (9月3日)
「クロザピンによる血液毒性におけるリチウムの作用」
吉開拓弥 (9月3日)
「坐骨神経結紮マウスにおけるうつ様行動と血小板セロトニントランスポーターとの関連性:うつ様行動異常の予測因子としての可能性」
吉田樹生 (9月3日)
「幼若期のストレス負荷による社会性行動異常におけるグルタミン酸作動性神経機能および神経形態の異常に関する研究」
河西初音 (9月3日)
衛生化学研究室・アドバンストコース
「クロザピン治療中の統合失調症患者における血漿リピドーム解析」

2020年8月11~12日

2020年度 ゼミ旅行:新型コロナウイルスの感染拡大に伴い開催中止

「2020年度 ゼミ旅行」は福井・京都にて開催される予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止となりました。1日目は小浜(福井)にて箸作り体験やワイナリー見学、2日目は天橋立(京都)にて散策や川下りを予定していました。当室の仲間との絆が深まる最大のイベントが中止になってしまい非常に残念です。当室のメンバーと新配属された学部4年生は顔合わせする機会がほとんどなく、心のディスタンスはまだ離れたままです。現在、コロナ禍に合わせたリモートセミナーにて、WEBカメラを通して絆を深めながら、感染症収束後には例年を超える楽しいイベントを企画し、密な結束力を築いていきたいと思います。

(報告者:高橋礼貴)

2020年8月4日

2020年度 配属4年生との顔合わせ:初めての研究室訪問

「2020年度 配属4年生との顔合わせ」が、名古屋大学医学部附属病院内に設置された名城大学薬学部 臨床薬学教育・研究推進センターサテライトセミナー室病態解析学Ⅰにて行われました。

2020年度は、当室配属4年生11名(アドバンストコース3名、研究コースA 5名、研究コースB 3名)と腫瘍分子医学研究室のアドバンストコース1名の配属が決定しました。

今年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、当室メンバー全員で顔合わせをすることはできませんでしたが、学部4年生12名は全員参加しました。当室の吉見 陽助教から自己紹介と歓迎の言葉をいただき、続いて学部6年1名、学部5年1名、学部4年の順に自己紹介をしました。お菓子や野田幸裕教授が用意してくださったジュースを頂きながら、今後の研究室活動のことを話しました。学部4年生は当室に来るのが初めてということもあり、最初は緊張している様子でしたが、和やかな雰囲気で顔合わせを終えることができました。新型コロナウイルス感染症が収束していない現在の状況では、例年のように当室メンバー全員で親睦を深めることは難しいですが、新たな仲間とともに研究室で充実した時間を過ごすことができるよう、当室一同頑張っていこうと思います。

(報告者:鎌田朋見)

2020年4月18日

2020年度 第10回研究・大学活性化を目的とした学生フォーラム(名古屋)

「名城大学 第10回研究・大学活性化を目的とした学生フォーラム」が、名城大学薬学部にて、「Compass -自分の一歩が力になる-」をテーマに開催される予定でしたが、今般の新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止となり、非常に残念でした。全学生が各研究室の行事・研究活動、各連携病院のアドバンスト活動などを直接知ることができる機会でありましたが、WEBによる研究室活動の情報提供となりました。

当室からは学部6年の岩見浩太郎が「社会的認知行動におけるドパミンD3受容体の関与」について、野口 健が「外来患者における抗うつ薬及び抗不安薬の処方状況」について発表を予定していました。また、研究室紹介のブースでは当室の熱意・魅力を学部1~4年生に向けて伝える準備も万全でした。

病態解析学Ⅰは、名大病院内に設置されていることから、八事キャンパスの学生に活動内容を身近で見ることが困難であり、学生フォーラムはその存在を知ってもらう絶好の機会であります。現在、テレワーク/リモートワークから情報の提供・獲得をする機会が増加しています。来年度、学生フォーラムが開催されるようであれば、テレワーク/リモートワークも活用しながら、当室の研究成果を発信していきたいです。

(報告者:野口 健)

【ポスター発表】
岩見浩太郎
「統合失調症様モデルマウスにおけるドパミンD3受容体と社会的認知行動」
野口 健
「名古屋大学医学部附属病院精神科外来患者における抗うつ薬および抗不安薬の処方状況に関する調査」

2020年3月17日

2019年度 卒業式・送別会:新型コロナウイルスの感染拡大に伴い開催中止

「2019年度 卒業式」が愛知県体育館にて、「令和2年度 学位記授与式・祝賀会」が名古屋マリオットアソシアホテルにて開催される予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、今年度は開催中止となりました。お世話になった先輩方にとって感慨深い思い出の一つとなる行事がなくなってしまったことは、在学生にとっても非常に残念でした。

当室からは6年制薬学部第13期卒業生として10名が卒業しました。このうち1名は博士課程に進学します。卒業される先輩方には今までの感謝の気持ちを込めてアルバムを作成し、プリザーブドフラワーとハンカチを添えて記念品としました。例年開催している送別会にて記念品を贈呈していましたが、こちらも中止となったため、今年度は郵送いたしました。また、卒業式に野田幸裕教授から卒業生へ贈呈しています記念品も、メッセージと共に郵送されました。各卒業生は、アルバムやたくさんのプレゼントを楽しまれたようです。研究室の一同が集まって先輩方を送り出すということはできませんでしたが、心に残る思い出になりました。

現在も新型コロナウイルス感染症の拡大はとどまることを知らず予断を許さない状況が続いておりますが、先輩方が当室で培った経験を糧に、各方面でのご活躍を心よりお祈り申し上げます。

(報告者:鈴木千晴)

2020年1月18日

2019年度 新年会・スポーツフェスティバル:寒さの中、体を動かし、深まる親睦

「第8回スポーツフェスティバル」が、名城大学薬学部体育館にて開催されました。
今回のスポーツフェスティバルは参加者23名が野田幸裕教授チーム、吉見 陽助教チーム、および博士課程3年の伊藤貴博先輩チームの3チームに分かれ、バレーボール、バドミントン、フリースロー、バスケットボールで競い合いました。昨年度(11月)とは違い、真冬の寒い時期の開催でしたが、試合が始まると徐々に身体は温まり、白熱した試合で汗をかくほどとなりました。最後までどのチームが優勝するかわからないほど接戦でしたが、バスケットボールの結果により、伊藤チームが僅差で優勝しました。普段は体を動かす機会が少ないですが、大きな怪我なく、全員がベストを尽くし、笑顔の絶えないスポーツフェスティバルとなりました。
スポーツで身体を動かした後は、八事の西遊記にて新年会を開催しました。会の始めに乾杯の挨拶として、野田幸裕教授から、昨年の振り返りと今年の奮起を期待するお言葉をいただきました。歓談と会食で盛り上がっている最中に、参加者のアンケ―トによって選ばれた「MVP賞」と「頑張ったで賞」、「今年一年で印象が変わった人」、「研究室を愛している人」の発表と記念品の贈呈が行われました。和やかな雰囲気の中、交流を深め、楽しい時間を過ごしました。会の最後には、吉見 陽助教から締めのお言葉をいただきました。
新年を迎えてから、はや1か月が経ちました。これから5年生は卒業研究や卒業試験・国家試験の勉強、4年生は実務実習が本格的に始まります。勉学、研究、社会活動など、実りの多い1年にしていきたいと思います。
(報告者:伊藤紗智子、久保美穂子)

優勝チーム:伊藤チーム(伊藤貴博、岩見浩太郎、佐治凪帆、長谷川真由、小口智也、鈴木千晴、細井香七)
MVP賞:細井香七
頑張ったで賞:野田幸裕
今年一年で印象が変わった人:小口智也
研究室を愛している人:野田幸裕