活動報告
- 研究活動
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基礎・臨床研究で得られた成果は、積極的に国内外の精神神経薬理学、神経科学および医療薬学関連の学会や研究会にて報告し、世界を見据えて広く社会に発信しています。また、招待講演やシンポジウムなどにおいても多数発表を行っています。
2026年8月24日〜26日
- APSN-FAONS-HKSN 2026 Neuroscience Conference(香港)
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「APSN-FAONS-HKSN 2026 Neuroscience Conference」が「United for Advancing Neuroscience in Asia-Pacific」をテーマに、アジア太平洋地域におけるさらなる神経科学の発展を目的として、香港大学医学部のCheung Kung Hai Conference Centreにて開催されました。本学会は、第19回アジア・太平洋神経化学会(APSN)、第6回アジア・オセアニア神経科学会連合(FAONS)シンポジウム、および香港神経科学会(HKSN)年次学術集会を兼ねた、アジア・太平洋地域の神経科学分野における合同学会です。第一線で活躍する研究者によるプレナリーレクチャーや学術シンポジウムに加え、若手研究者によるポスター発表など、神経科学に関する基礎研究から応用研究まで幅広い内容で構成された充実したプログラムが実施されました。
当室からは野田幸裕教授、𠮷見 陽准教授、博士課程3年の加納正暉が一般演題(ポスター)にて発表を行いました。報告者は、「Effect of α7 nicotinic acetylcholine receptor stimulation in social behaviors in juvenile mice exposed to social defeat stress」と題して発表を行いました。発表では様々な国の研究者の先生方からご質問をいただき、α7ニコチン性アセチルコリン受容体作動薬の投与時間や、α7ニコチン性アセチルコリン受容体サブユニットと恐怖記憶との関係性など、研究のデザインから薬物治療の機序まで活発な議論を交わしました。聴講したシンポジウムでは、パーキンソン病、多系統萎縮症およびレビー小体型認知症など、神経変性疾患に関与することが報告されているα-シヌクレインについて学びました。α-シヌクレインタンパク質の発現パターンおよび構造・形状は、各疾患によって異なることが示されており、これらの違いが生じる原因を追究することは、診断バイオマーカーや新たな治療法の開発に繋がる可能性があることを学びました。
国際学会への参加は今回が初めてでしたが、世界各国の研究者と直接討論する機会を得ることができ、その研究に対する姿勢や活発な議論に大きな刺激を受けるとともに、非常に貴重な経験となりました。本学会を通して精神疾患をはじめとする神経精神疾患の病態解明や新たな治療法の開発は世界共通の課題であることを改めて認識しました。今後は、本学会での講演や研究者との討論を通じて得られた知見や課題を今後の研究活動に活かしていきたいと思います。
なお、本学会において、加納正暉はトラベルアワードを受賞しました。今回の受賞は、日頃の研究成果が評価され、大変喜ばしい成果となりました。
(報告者:加納正暉)【ポスター発表】
野田幸裕
「Involvement of α7 Nicotinic Acetylcholine Receptor-Signaling in Social Behavior Impairments in the Stressed Mice」
𠮷見 陽
「Neuroprotective Effects of Clozapine Against Phencyclidine-Induced Cytotoxicity in SH-SY5Y Cells」
加納正暉
「Effect of α7 nicotinic acetylcholine receptor stimulation in social behaviors in juvenile mice exposed to social defeat stress」
2026年8月22日~23日
- 第11回日本薬学教育学会大会(大阪)
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「第11回日本薬学教育学会大会」が大阪医科薬科大学薬学部(阿武山キャンパス)にて、「いまこそ薬学の再興、そして最高‼︎ ~みんなで薬学教育の基軸を語り合おう~」をテーマに開催されました。薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)では、習得した知識を課題解決に活用できる総合的な能力を有する学生の育成が求められており、シンポジウムや一般演題において、これに関連する多くの発表がありました。1日目には、薬学教育・研究におけるがん疾患をテーマとした演題が多数発表され、今後の薬学教育および薬剤師教育を考える上で大変参考となりました。
2日目の一般演題では、「2025年度 第17回 薬学共用試験OSCEの結果解析および薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)に対応したOSCEへの取組」と題してポスター発表を行いました。改訂コアカリの導入に伴い、薬学共用試験の内容も変更されることから、現行のOSCEとの違いを比較しながら説明し、今後の対応や準備について情報共有および意見交換を行いました。また、改訂コアカリでは多職種連携が推進されていることから、学部教育にとどまらず、医療現場における教育機関と医療機関との連携・協力体制を構築していくことが重要であると感じました。今回の学会参加を通して、今後求められる薬学教育の方向性について理解を深めることができ、有意義な学会となりました。
(報告者:野田幸裕)【一般演題】
野田幸裕(8月23日)
「2025年度 第17回 薬学共用試験OSCEの結果解析および薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)に対応したOSCEへの取組」
2026年7月17日
- 令和7年度助成研究発表会(東京)
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京王プラザホテルにて開催された「令和7年度助成研究発表会」において、当研究室の野田幸裕が令和7年度の研究成果を発表しました。また、「喫煙と精神機能・行動 E-2」セッションでは座長を務めました。
小児期のいじめや虐待などのストレス経験が青年期における精神疾患の発症リスクを高める一方で、既存の抗うつ薬では抑うつ症状に対して十分な治療効果が得られない場合があるという課題があります。本研究では、この課題の解決に向けた新たな治療戦略として、脳内のニコチン性アセチルコリン受容体α7サブユニット(α7nAChR)を標的とした研究成果を報告しました。
発表後の質疑応答では、「モデルマウスにおける精神行動障害の持続期間」や「炎症性サイトカインとα7nAChRとの関連性」について活発な議論が行われました。
本年度は本研究の最終年度にあたります。今後は、モデルマウスを用いて神経炎症とα7nAChRとの関連性およびその分子機序をさらに明らかにし、α7nAChRを新たな治療標的として応用する可能性について検討を進めていく予定です。
(報告者:野田幸裕)【口頭発表】
野田幸裕「幼若期ストレスによる脳内炎症におけるニコチン関連分子・神経回路の関与:創薬への可能性」
【座長】
野田幸裕「喫煙と精神機能・行動E-2」
2026年7月5日
- 日本病院薬剤師会東海ブロック・日本薬学会東海支部 合同学術大会2026(名古屋)
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「日本病院薬剤師会東海ブロック・日本薬学会東海支部 合同学術大会2026」が名城大学天白キャンパスにて、「薬学の未来をつむぐ−基礎と臨床の協働から−」をテーマに開催されました。本学術大会には、東海地区を中心とする薬局・病院の臨床薬剤師をはじめ、大学や企業の研究者が多数参加し、基礎・臨床の両分野から活発な討論が行われ、盛会のうちに終了しました。
当室からは野田幸裕教授が専門領域シンポジウム①「精神科領域における薬剤師の取り組みと今後の展望」にシンポジストとして発表しました。精神疾患患者の増加や向精神薬の多剤併用・長期投与などが課題として取り上げられているなかで、精神科領域では薬剤師の専門性がますます求められています。野田教授は「薬学6年制における精神科領域の専門教育」と題し、名城大学薬学部で実践している精神疾患の特徴的な症状を学ぶ映像教材や、模擬症例を用いた処方提案演習など、実践的な精神科薬学教育について紹介しました。シンポジウムでは、精神科領域における多くの症例報告を拝聴し、臨床現場では教科書通りに対応できない症例が少なくなく、患者ごとに状況を判断しながら柔軟に対応することの重要性を改めて学びました。また、精神科領域に対する興味・関心を一層深める貴重な機会となりました。
一般演題では、学部6年の内山智絵及び学部5年の大原万宗が口頭発表を行いました。内山は「手術・検査・処置前の休薬忘れ事例の要因分析と再発防止に向けた検討」と題して発表しました。休薬忘れが発生した薬剤の種類ごとの要因の違いや、薬剤師の介入による休薬忘れ発生件数の変化などについて質問をいただき、今後の再発防止策を検討する上で重要な課題を再認識する機会となりました。一方、大原は、「ストレス負荷マウスに認められる社会的認知機能における海馬α7ニコチン性アセチルコリン受容体の役割」と題して発表しました。社会的認知が認知機能全体の中で果たす役割や、マウスの社会性行動における神経認知と社会的認知の関連について質問をいただき、社会性の形成と認知機能の関わりについて理解をさらに深めることができました。両発表とも、多くの臨床薬剤師や研究者の先生方から活発なご質問・ご意見をいただき、有意義な討論を行うことができました。
本学術大会を通して、基礎・臨床の両分野の研究者や医療従事者から貴重なご意見やご助言をいただき、自身の研究課題や今後取り組むべき課題を改めて認識することができました。今回得られた知見を今後の研究活動に活かし、より一層研究に励んでまいります。
(報告者:内山智絵、大原万宗)【シンポジウム】
野田幸裕
専門領域シンポジウム①:精神科領域における薬剤師の取り組みと今後の展望
「薬学6年制における精神科領域の専門教育」
【一般演題(口頭発表)】
内山智絵
「手術・検査・処置前の休薬忘れ事例の要因分析と再発防止に向けた検討」
大原万宗
「ストレス負荷マウスに認められる社会的認知機能における海馬α7ニコチン性アセチルコリン受容体の役割」
2026年3月26~29日
- 日本薬学会第146年会(大阪)
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「日本薬学会第146年会」が、「ファーマシンフォニーが奏でる未来〜やってみぃひん?薬学イノベーション!〜」をテーマに、関西大学 千里山キャンパスで開催されました。本年会では、異なる部会、学会、国、業種、研究手法、世代などの様々な垣根を超え、お互いの情報を交換し、お互いをよく理解し、お互いの繋がりを強く・深くすることで、従来の垣根を超えたさらなる異分野連携を推進することを目的としています。8,000名を超える参加者があり、活発な討論・議論が行われ、盛会裏に終了しました。
当室からは野田幸裕教授、学部5年の福岡万紘と安田彩乃が一般演題(ポスター)にて発表を行いました。いずれの発表でも発表時間の終了まで多数の質問を受け、大変盛況でした。福岡と安田は、今回初めて学会にて発表しました。いずれの発表でも、研究に使用した細胞の特徴や、クロザピンの使用濃度、臨床用量との関連性、臨床応用などについて多くのご意見をいただくことができました。特に、クロザピン使用患者の血球数や血糖値などのモニタリング状況、研究の今後の展望などについて、意見交換を行うことができました。一方で、他研究室の同期との交流も刺激となり、お互い励まし合う機会となりました。
一般ポスター発表(医療系)の「医療薬科学③病態生理学(薬理活性・その他)」では、短期間のストレスがストレス環境での対処行動であるコーピングを積極化させること、短期間のストレスは腹側海馬でのERKのリン酸化を有意に増加させること、コーピングへの相反作用には、腹側海馬のp38 MAPK-ERKシグナルが関わることが報告されました。このような反応は、既存の抗うつ薬よりも早く効果を示すため、新規抗うつ薬の開発につながる可能性に強い関心を持ち、今後の研究の発展に期待を抱きました。低下したシグナルも回復させることができるかという質問に対する回答でも、より理解を深めることができました。
本年会で得られた知見を今後の研究・臨床活動に活かし、より一層精進したいと思います。
(報告者:福岡万紘、安田彩乃)【一般演題(ポスター)】
野田幸裕(3月28日)
「2024年度薬学共用試験OSCEの解析結果と2025年度OSCEの結果速報、および 薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)に対応したOSCEへの取組」
福岡万紘(3月27日)
「HL-60細胞でのクロザピンによる血液毒性における小胞体ストレス誘導性アポトーシス経路の関与」
安田彩乃(3月27日)
「3T3-L1前駆脂肪細胞でのクロザピンによる脂肪滴蓄積におけるアドレナリンβ受容体の関与」
2026年3月16~18日
- 第99回日本薬理学会年会(宮城)
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「第99回日本薬理学会年会」が「薬理学白寿―先進性と深化の追求―」をテーマに東北大学川内キャンパスにて開催されました。本会は薬物の効果・副作用の評価のみならず、疾患の成因解明や治療法的の発見など新たな治療法の創出に貢献することを目的として開催されております。
当室からは博士課程2年の加納正暉が一般演題(ポスター)にて「Role of α7 nicotinic ACh receptor signaling in social behaviors in mice exposed to social defeat stress as juveniles」と題して発表を行いました。発表では大学・企業を問わず多くの先生方から多数の質問をいただきました。社会的敗北ストレスの負荷方法やα7ニコチン性アセチルコリン受容体作動薬とニコチンとの作用面での相違点など、実験方法から薬物治療の機序まで活発な議論を交わすことができました。
シンポジウムでは、社会的敗北ストレスにより社会性行動障害の発現のみならず排便回数の増加といった過敏性腸症候群様症状が発現し、社会的敗北ストレスによる中枢神経系以外への影響について知ることができました。この症状は、雌雄によって異なることから、性差で異なる神経系が関与している可能性があると学びました。
今回得られた知見は、今後の研究活動に活かし、益々精進していきたいと思います。
(報告者:加納正暉)
【一般演題(ポスター)】
加納正暉(3月17日)
「Role of α7 nicotinic ACh receptor signaling in social behaviors in mice exposed to social defeat stress as juveniles」
2026年3月15日(日)
- 第35回神経行動薬理若手研究者の集い(宮城)
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「第35回神経行動薬理若手研究者の集い」が「飛べ」をテーマとして、東北医科薬科大学・小松島キャンパスにて開催されました。本会は若手研究者の育成を目的に、神経行動薬理学を志す若手研究者が一堂に会し、自由闊達な議論と交流を通じて各々の専門性を磨くための議論の場として提供されています。
当室からは博士課程2年の加納正暉が一般演題にて「幼若期社会的敗北ストレス負荷マウスにおける社会性行動にα7ニコチン性アセチルコリン受容体シグナル伝達が及ぼす影響」と題して口頭発表を行いました。発表後には幼若期と成体期では社会的敗北ストレスに対する抗うつ薬の反応性の違いについてなどの質問があり、活発に議論が行われました。
AIを駆使した行動学的解析についての発表では、マウスのひっかき行動の回数や痛みを知覚した際の表情をAIが解析することで観測者のバイアスを抑え、客観的でより詳細に行動解析が可能になると学びました。
本会を通して既存の実験手法にAIなどの最新の技術を応用することで、客観的な解析が困難であった行動も解析可能となり、行動薬理学の更なる深化についての知見を広めることができました。本会で得た学びを今後の自身の研究活動に活かしていきたいと思います。
(報告者:加納正暉)
【一般口頭演題】
加納正暉(3月15日)
「幼若期社会的敗北ストレス負荷マウスにおける社会性行動にα7ニコチン性アセチルコリン受容体シグナル伝達が及ぼす影響」
2026年1月22日
- 日本社会薬学会東海支部・第27回講演会(名古屋)
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「日本社会薬学会東海支部・第27回講演会」が名城大学八事キャンパス薬学部にて開催されました。薬学生を対象として、名城大学名誉教授 飯田耕太郎先生が座長を務め、「知っておきたい認知症の基本:病態生理から治療・地域連携~自分らしく前向きに生きるために~」と題して、野田幸裕が講演しました。認知症の病態生理と薬物療法について歴史的背景から最新の知見に至るまでの解説と、本学部の地域における認知症患者との取り組みについて紹介しました。現在日本で承認されている認知症治療薬は、新薬のドナネマブやレカネマブを含めると6種です。これらの薬は、認知症の症状進行を緩やかにする効能がありますが、完全に止めることはできません。認知症患者の社会参加は症状の軽減をもたらすばかりでなく、認知機能の維持を目指すことが可能です。その一環として多くの地域で認知症カフェが開催され、本学部の学生が地域ボランティア活動として参加しています。薬学生がその重要性を認識して、地域医療に貢献できるようになればと思います。
(報告者:野田幸裕)【招待講演】
野田幸裕(1月22日)招待演者
「知っておきたい認知症の基本:病態生理から治療・地域連携~自分らしく前向きに生きるために~」











