活動報告
活動報告の紹介
- 研究活動
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基礎・臨床研究で得られた成果は、積極的に国内外の精神神経薬理学、神経科学および医療薬学関連の学会や研究会にて報告し、世界を見据えて広く社会に発信しています。また、招待講演やシンポジウムなどにおいても多数発表を行っています。
- 大学・研究室行事
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大学行事として、学生フォーラム、ソフトボール大会、オープンキャンパス、卒論発表や卒業式などが開催され、こうした行事には積極的に参加しています。研究室行事として、鶴舞公園での花見、ゼミ旅行、スポーツフェスティバル、新年会など、1年を通して楽しいイベントを開催し、メンバー同士の親睦を深めています。
- 国際交流活動
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名城大学薬学部 臨床薬学教育・研究推進センターは、学術交流協定を結んでいる米国をはじめとする海外の大学教員や臨床研修生を受け入れ、講義への参加、関連医療施設の見学、症例検討を通し、研究・教育の交流を行っています。 名古屋大学医学部附属病院での臨床研修は、名城大学薬学部 臨床薬学教育・研究推進センターサテライトセミナー室を拠点として、当部門のアドバンスト学生や配属学生が薬剤部と協力して実施しています。アドバンスト学生は病棟・薬剤師外来や関連医局での活動を中心に、臨床研修・症例や研究内容を英語で紹介します。また、日米の薬学教育や文化も紹介し、交流を深めています。
- 社会活動
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くすりを通じて社会を知ることで社会に貢献できる医療人の育成を目指して、地域での「くすり教室」や「研修」活動を積極的に実施・参加しています。中でも、特定非営利活動法人医薬品適正使用推進機構(NPO J-DO)は、国民にくすりを安全に安心して使っていただくために薬剤師や国民に対する教育講演や学会を開催しています。その活動の一つとして、小学生にもくすりのことを知ってもらう講義や体験実験(くすり教室)を行っています。2014年度からは、薬物依存に関連する講義や体験実験も行っています。
2024年8月17日~18日
- 第9回日本薬学教育学会大会
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「第9回日本薬学教育学会大会」が、東京薬科大学にて「薬学教育におけるプロフェッショナリズムとは?」をテーマに開催されました。薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)では、従来の「薬剤師としての心構え」と「患者・生活者本位の視点」が「プロフェッショナリズム」として発展されました。医療プロフェッショナリズムでは何をどう教えるか、大学や医療現場からその取り組みがシンポジウムや一般演題にて多く報告されていました。1日目は、大型で猛烈な台風7号の影響で、前日の首都圏をはじめ各地で鉄道の運休、新幹線各線の計画運休などにより、オンラインでの発表もありましたが、薬学教育に関わる参加者との交流や、薬学教育・研究についての討議を行う貴重な情報交換の機会でありました。
当室からは、シンポジウム8「これからの多職種連携教育の学修プログラムと課題を共に考える」にて、野田幸裕が「医療系学部を有さない薬学部における多職種連携教育:他施設との共同による段階的なプログラム」について発表しました。各専門職からの発表後には、情報共有・交換として総合討論が行われました。多職種が連携するチーム医療教育の課題が再確認され、学部教育だけでなく、医療現場での教育連携・協力体制やプラットフォームの構築が必要であると思いました。
(報告者:野田幸裕)
【シンポジウム】
シンポジウム8:これからの多職種連携教育の学修プログラムと課題を共に考える
野田幸裕(8月18日)シンポジスト
「医療系学部を有さない薬学部における多職種連携教育:他施設との共同による段階的なプログラム」
2024年7月6日~7日
- 医療薬学フォーラム2024/第32回クリニカルファーマシーシンポジウム(熊本)
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「医療薬学フォーラム2024/第32回クリニカルファーマシーシンポジウム」が、熊本市民会館シア
ーズホーム夢ホール/熊本市国際交流会館にて開催されました。医薬品開発や臨床業務を含む
医療において、人工知能(AI)やデジタル化(DX)などの導入により、医療環境は大きく変化してい
ます。日本の医療薬科学の歴史と伝統のある本フォーラムでは、『継続と変革の融合 ~新たな絆
で築く、地域社会に貢献する医療薬学~』をテーマに、医療薬科学・薬剤師の継続と変革につい
て議論を交わし、情報交換できた大会でした。
当室からは、野田幸裕がシンポジウム8『薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)
に対応した薬学共用試験OSCEのあり方』のオーガナイザー・座長を務め、同セッションにて発表
を行いました。多数の各専門分野の研究者や薬剤師、学部学生・大学院生がそれぞれの新しい
視点から、意欲的で対面ならではの熱気に満ちた発表と活発な議論が交わされていました。すっ
かり、コロナ禍から脱出した実りある対面での学術集会の場でした。(報告者:野田幸裕)
【オーガナイザー・座長】
野田幸裕
シンポジウム8「薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)に対応した薬学共用試
験OSCEのあり方」』
野田幸裕
「OverView:新しいコアカリに対応した薬学共用試験 OSCE」
2024年7月6日
- 第70回日本薬学会東海支部総会・大会(名古屋)
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「第70回日本薬学会東海支部総会・大会」が金城学院大学薬学部にて開催されました。本会では、化学系薬学、生物系薬学、物理系薬学、医療系薬学等に関する研究者が130名以上参加し、いずれのセッションでも活発に討論されていました。
当室からは学部6年の木村天音が一般演題(口頭発表)「Astn2遺伝子変異マウスの幼若期における社会的敗北ストレス負荷による高次脳機能と神経発達への影響」と題して発表を行いました。発表後の質疑とコメントでは、社会的敗北ストレスモデルマウスの作製方法やAstn2の機能について質問をいただき、自身の研究の本質について再考する貴重な機会となりました。
本会で得られた知見を今後の研究活動に活かせるよう、より一層の研鑽を積んでまいります。
(報告者:木村天音)
【口頭発表】
木村天音
「Astn2遺伝子変異マウスの幼若期における社会的敗北ストレス負荷による高次脳機能と神経発達への影響」
2024年3月20日
- 第144回日本薬理学会近畿部会(大阪)
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「第144回日本薬理学会近畿部会」が、大阪医科薬科大学・薬学部(阿武山キャンパス)にて開催されました。午前中は「令和6年学術評議員会・通常総会」、「第17回江橋節郎賞授賞式・受賞講演」、午後からは「第39回学術奨励賞授賞式・受賞講演」がWebとの同時開催で行われました。
当室からは、野田幸裕が一般演題(口頭)中枢神経系(1)のセッションにおいて座長を務め、同セッションにて発表を行いました。190名を超える学部学生・大学院生や若手研究者がそれぞれの専門分野での新しい視点から、意欲的で対面ならではの熱気に満ちた発表と活発な議論が交わされていました。なお、本部会にはオンライン参加者(約170名)と合わせて、約360名が参加し、盛会のうちに終了しました。
日本薬理学会近畿部会は、薬理学会地方部会の中でも歴史と伝統ある最も身近な学会であります。第143回の名古屋-第144回の大阪-第145回の広島での対面での開催を経て、コロナ禍から脱出した実りある対面での学術集会の場となっていくと思います。
(報告者:野田幸裕)
【座長】
野田幸裕
「一般演題(口頭)中枢神経系(1)」
【口頭発表】
野田幸裕
「フェンシクリジン連続投与マウスの社会性および認知行動におけるニコチン性アセチルコリン受容体の役割」
2024年9月5日
- 令和6年度 薬学部卒業論文発表会
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「令和6年度 薬学部卒業論文発表会」が名城大学薬学部 新1号館および新3号館にて開催され、前年度に引き続きすべてポスター発表でした。発表会では、当室の学部6年の加藤朱莉、深見彩乃、雄谷拓海、川合竣也、五十住優弥、森川和那、木村天音および加藤拓真が新1号館4階にて発表を行いました。約2年間の研究活動の集大成を発表することができ、6年生一同感謝しております。
当室の学部4・5年生をはじめ、副査の教員、他の研究室の学生および研究室配属前の1年生から3年生の学生が入れ替わり立ち替わりポスターを閲覧し、様々なご質問やご意見をいただきました。質問への回答だけでなく、どのような疾患のモデル動物として使用したのか、行動学的・神経化学的検討で得られた結果の捉え方など、基本的な内容についても丁寧に解説をしました。教員からは研究内容を踏まえた考察、臨床への応用について貴重なご意見やご質問をいただき、得られた結果を多方面から捉え、論理的に考察する重要性を改めて学びました。
発表会後には新3号館の1階にて学部6年生から教員、大学院生、および学部4・5年生へ感謝を込めたプレゼントを贈りました。学部4・5年生からは、手作りのキーホルダーと名前入りタンブラー、お菓子をいただきました。卒業後、薬剤師として業務・研究を進めていくにあたり、当室での研究や社会活動を通して培った経験を活かして、高度な専門知識と研究能力を有する薬剤師、すなわち「ファーマシスト・サイエンティスト」を目指したいと思います。
(報告者:森川和那、木村天音)
【ポスター発表】
加藤朱莉 (9月5日)
「統合失調症患者の有効かつ安全な減薬・減量の確立に向けて:名古屋大学医学部附属病院における処方の実態調査」
深見彩乃 (9月5日)
「3T3-L1細胞でのクロザピンによる脂質滴蓄積におけるアドレナリンβ受容体の関与」
雄谷拓海 (9月5日)
「統合失調症患者のリンパ芽球様細胞株および統合失調症様モデルマウスの血液と脳を用いた網羅的遺伝子発現解析」
川合竣也 (9月5日)
「統合失調症様モデルマウスにおける認知行動および神経伝達物質に対するクロザピンの作用」
五十住優弥 (9月5日)
「幼若期社会的敗北ストレス負荷マウスの社会性行動障害におけるミクログリアの関与」
森川和那 (9月5日)
「幼若期社会的敗北ストレス負荷マウスの社会性行動障害におけるニコチン性アセチルコリン受容体α7サブユニットの関与」
木村天音 (9月5日)
「アストロタクチン2(Astn2)ヘテロ接合体マウスの神経発達期における環境的逆境が脳機能に与える影響」
加藤拓真 (9月5日)
「レット症候群モデル神経細胞表現型スクリーニングから見出された候補化合物の行動学的・生化学的特徴」
2024年8月6、7日
- 2024年度 ゼミ旅行:山も海も大満喫!楽しい思い出尽くしの2日間(静岡・神奈川)
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「2024年度ゼミ旅行」として静岡・神奈川を訪れました。野田幸裕教授、𠮷見 陽准教授を始め、大学院生、および学部4~6年生の計29名のメンバーでの1泊のゼミ旅行となりました。
1日目:8月6日
名古屋大学医学部附属病院を出発し、車中ではレクリエーション(レク)として恒例の自己紹介に加え、イントロクイズ、企業名当てクイズ、パーセント当てクイズを行いました。レクによりメンバーの新たな一面を知ることができ、話題も増えて大いに盛り上がりました。
最初の目的地であるアクティの森では、まず草木染め体験を行いました。現地のスタッフに教えていただきながら、1枚の布にさまざまな色や模様をつけ、個性あふれる作品を完成させることができました。その後、近くに流れている川で涼みながらバーベキューを行い、野菜やお肉、焼きそばなどを堪能しました。
次の目的地である三嶋大社では小雨の中で参拝をしました。御朱印をいただいたり、周辺を散策して、お土産を買ったりする学部生の姿も見られ、旅の記録として見返す楽しみも増えました。
宿泊施設である熱海温泉・サンミ倶楽部に到着後は、温泉につかるなど各々の時間を楽しみました。夕食では、刺身やカサゴの煮付けなど、相模湾に面した熱海ならではの新鮮な海の幸を使用した料理に舌鼓を打ちました。夕食後には熱海サンビーチで手持ち花火をし、誰が一番長く線香花火を続けられるか競い合いました。その後、宴会場で教員・大学院生・学部生がチームに分かれ、夜レクとしてジェスチャーゲーム、幼少期の写真を見て誰かを当てるクイズを行いました。幼少期の写真クイズではメンバー各々の面影ある写真を見て大いに盛り上がりました。最後は全員で記念撮影を行い、教員・学年の枠を超えて交流を深めることができました。
2日目:8月7日
早朝、教員をはじめ、大学院生、活発な学部5・6年生が浜辺まで散歩に出かけ、気分をリフレッシュさせました。朝食を済ませ旅館を出発し、駅伝で有名な箱根の山道を通って、最初の目的地である桃源台港へと向かいました。桃源台港から遊覧船に乗り、心地よい風を浴びながら芦ノ湖の優雅な景色を満喫しました。箱根町港に到着した後は、カフェで休息を取ったり、箱根駅伝ミュージアムに行ったり、江戸時代交通史の重要な遺跡、箱根関所を訪れてたり、各々が楽しむことができました。最後の目的地である沼津港では各々水揚げされたばかりの新鮮な魚介類が楽しめる飲食店街で昼食をとったり、お土産を選んだりなど、自由散策を行いながら充実した時間を過ごすことができました。
今回のゼミ旅行を振り返ると、配属されたばかりの活気溢れる学部4年生や実務実習で当室を離れていた学部5年生も集まり、遊びや飲食を楽しむ時間を共有したことで、親睦を深めることができました。また、普段とは違う大自然の中で過ごすことで、心も体もリフレッシュすることができました。最後にはメンバー全員が無事に帰路に着くことができ、心に残るゼミ旅行となりました。
(報告者:金澤和桜子)
2024年8月3日~4日
- 名城大学オープンキャンパス2024
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「名城大学オープンキャンパス2024」が名城大学八事キャンパス薬学部をはじめ、各キャンパスにて開催されました。
教員の指導の下、研究員、大学院生および学部4~6年生(31名)が、衛生化学研究室のアドバンスト学生(2名)と共に来校された高校生や保護者に対して、以下の3つの企画を2日間にわたって実施しました。「医薬連携薬学教育コーナー」では、①本学部の臨床薬学教育の特色であるアドバンスト臨床研修および多職種連携教育(Inter-Professional Education:IPE)についてスライドや動画を用いて説明しました(学部6年生担当)。「薬剤師業務コーナー」では、②抗がん薬曝露対策製品(閉鎖式薬物移送システム:ファシールTM)を用いた抗がん薬注射剤調製のデモンストレーション(学部4年生担当)と③クリ-ンベンチでの一般注射剤調製の体験(2日間で約340名)を行いました(研究員、大学院生および学部5・6年生担当)。昨年度に引き続き、両日ともに多数の高校生や保護者が当室のブースを訪れ(2日間で約440名)、「薬学部での具体的な学習内容を知ることができた」「注射薬の調製も薬剤師の仕事だと初めて知った」「注射用水を吸い上げるのが難しかった」「抗がん剤曝露を防ぐ装置があるということを初めて知り、自由研究の参考になった」などの感想をいただき、好評を博しました。
実際に注射製剤の調製を体験していただくことで、高校生およびその保護者の方に無菌調製や抗がん剤曝露を防止する意義、それを薬剤師が適切かつ安全に操作する方法や重要性について理解していただくことができました。今年度のオープンキャンパスを通じて、薬学部で学んでいることや薬剤師の業務の一部を理解していただき、将来の進路選びの一助となれば幸いです。
(報告者:尾崎真優)
2024年6月22日
- 2024年度 歓迎会:ようこそ病態解析学Ⅰへ
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「2024年度 歓迎会」が、鴨と豚 とんぺら屋 金山店にて開催されました。
今年度、新たに当室に配属されました学部4年生10名(アドバンスト学生2名)と衛生化学研究室のアドバンスト学生1名の歓迎会には、野田幸裕教授、𠮷見 陽准教授をはじめ、博士課程1名、学部6年生5名、学部5年生8名、および学部4年生11名の総勢27名が参加しました。
会の始めには野田幸裕教授から、学部4年生と博士課程に進学した加納正暉先輩への歓迎の言葉を頂いた後、乾杯の音頭をとっていただきました。乾杯後は賑やかな談笑とともに、食事とお酒を楽しみつつ親睦を深めました。学部4年生は、最初こそ緊張している様子でしたが、次第に先輩達との会話を弾ませ、当室の雰囲気に馴染んでいきました。会の最後には𠮷見 陽准教授から締めの挨拶として再び歓迎と激励の言葉を頂きました。
今回の会では、先生や先輩方の新たな一面も知ることができ、4年生も今後開催されるイベントを通じて少しずつ新しい環境に慣れていくと思います。
新たに加わった仲間と共に、互いに助け合いながら、和気あいあいとした研究室生活を送れるよう努めてまいります。
(報告者:内山智絵)
2024年06月19日
- 令和6年度 第4回アドバンスト活動報告会
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「令和6年度 第4回アドバンスト活動報告会」が遠隔教育システムを利用して、愛知医科大学病院、藤田医科大学病院、名古屋大学医学部附属病院、安城更生病院、および名城大学薬学部ライフサイエンスホールにて同時開催されました。
今回は、愛知医科大学病院にて研修しているアドバンスト学生3名が症例報告を行いました。多くの学生や教員が参加し、4年生からの質疑も多く寄せられ、活発な報告会となりました。
消化管内科病棟にて研修しているアドバンスト学生は、食道がん患者の栄養管理と支持療法について報告を行いました。食道がんではがんの進行度に応じて行う術前化学療法によって、発熱性好中球減少症(febrile neutropenia:FN)が発現する場合があります。本症例ではFNに対して好中球前駆細胞の分化・増殖を促進するフィルグラスチムの使用時期の提案などを行い、FNの増悪や感染症の発症を防ぎ、安全な化学療法の継続に貢献しました。
耳鼻咽喉科病棟にて研修しているアドバンスト学生は、声門がん患者に対する化学放射線療法について報告を行いました。声門がんは腫瘍摘出術が治療の第一選択ですが、化学療法や放射線療法により摘出部位を縮小してから、喉頭を温存した摘出術が行われる場合があります。本症例では、化学放射線療法による口腔内粘膜炎の痛みが原因で食事摂取が不良のため、口腔内疼痛の軽減目的で医療用麻薬であるオキシコドンや局所麻酔作用のあるキシロカイン含嗽水の処方提案を行い、食事摂取量の回復に貢献しました。
救急集中治療室(emergency intensive care unit:EICU)にて研修しているアドバンスト学生は、敗血症性ショック患者に対するテイコプラニンの薬物血中濃度モニタリング(therapeutic drug monitoring:TDM)について報告を行いました。敗血症は感染により産生されたサイトカインが原因で臓器障害が引き起こされます。本症例では、敗血症性ショックを起こさないようにサイトカイン除去のための持続的血液濾過透析と感染症対策のための抗菌薬治療が行われています。抗菌薬のテイコプラニンのTDMを医師に依頼し投与量の調整を行いながら、効果的な抗菌薬治療に努めました。
本報告会を通して、薬剤の効果・副作用だけでなく、生活の状況や嗜好性についても確認することが、患者に寄り添った医療に重要であることを学びました。今後も患者との面談を充実させ、患者一人ひとりに合わせた医療を提供できるよう努めてまいります。
(報告者:深見彩乃)
【愛知医科大学病院】
「食道がん術前化学療法DCF療法における栄養管理・支持療法」
「化学放射線療法」
「敗血症性ショック患者に対するポリメチルメタアクリレート膜を使用した持続的血液濾過透析試行時のテイコプラニンTDMに介入した1症例」
2024年6月12日
- 令和6年度 第3回アドバンスト活動報告会
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「令和6年度 第3回アドバンスト活動報告会」が遠隔教育システムを利用して、愛知医科大学病院、藤田医科大学病院、名古屋大学医学部附属病院、安城更生病院、および名城大学薬学部3-B01教室にて同時開催されました。
今回は、名古屋大学医学部附属病院の血液内科、全科共通個室病棟、精神科・親と子どもの診療科病棟にて研修しているアドバンスト学生3名が症例報告を行いました。多くの学生や教員が参加し、報告後には多くの質疑やコメントが寄せられ、非常に有意義な報告会となりました。
血液内科にて研修している都外川眞由は、急性骨髄性白血病患者への薬学的介入について報告を行いました。同種造血幹細胞移植ではドナー由来のリンパ球がレシピエントの体を攻撃する移植片対宿主病(Graft Versus Host Disease:GVHD)を予防するための大量の抗がん剤投与が行われます。本症例の年齢や既往歴も考慮して、悪心・嘔吐に対する予防薬としてアプレピタントが投与され、発現した際の頓服薬としてメトクロプラミドとプリンペランの使用を提案しました。下痢に対しては、添付文書やガイドラインから止瀉薬としてロペラミドを提案し、症状の改善に貢献しました。
全科共通個室病棟にて研修している深見彩乃は、食道・下咽頭重複癌患者への薬学的介入について報告を行いました。食道癌・咽頭癌は腫瘍摘出術が治療の第一選択でありますが、腫瘍の大きさや位置、転移の有無によっては、化学療法や放射線療法により摘出部位を縮小してから、喉頭を温存した摘出術が行われる場合があります。本症例では術前化学療法により発現した口内炎に対して半夏瀉心湯をうがい薬として使用すること、吐き気・食欲不振に対しては、前回効果が認められたメトクロプラミドを予防的に使用することを提案し、症状の改善に貢献しました。
精神科・親と子どもの心療科病棟にて研修している加藤朱莉は、症状コントロール不良の統合失調症患者への薬学的介入について報告を行いました。統合失調症の薬物治療では精神症状を軽減し、安定後も再燃防止のために継続させることが重要です。本症例では服用歴から治療薬の効果と忍容性について再度アセスメントし、パリペリドンの忍容性を確認しながら安全に増量することで、精神症状の改善に貢献しました。さらに月に1回の投与で内服薬と同等の治療効果が期待できる持効性注射剤への変更を提案することで、アドヒアランス維持や継続的な症状の安定化にも努めました。
本報告会を通して、治療に対して適切な薬剤選択が行われているか評価すると共に、適切に支持療法が実施されているか確認することの重要性を再認識しました。残り少ない研修期間においても、患者の主訴を大切にすると共に、面談から得られた情報を適切にかつ客観的に評価し、より良い医療の提供に貢献できるよう努めてまいります。
(報告者:都外川眞由、深見彩乃、加藤朱莉)
【名古屋大学医学部付属病院】
都外川眞由(血液内科)
「急性骨髄性白血病患者における薬学的介入」
深見彩乃(全科共通個室病棟)
「食道・下咽頭重複癌患者の化学療法における薬学的介入」
加藤朱莉(精神科・親と子どもの心療科病棟)
「症状コントロール不良の統合失調症患者に対する薬学的介入」
2024年05月29日
- 令和6年度 第2回アドバンスト活動報告会
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「令和6年度 第2回アドバンスト活動報告会」が遠隔教育システムを利用して、愛知医科大学病院、藤田医科大学病院、名古屋大学医学部附属病院、安城更生病院、および名城大学薬学部ライフサイエンスホールにて同時開催されました。
今回は、地域薬局にて研修しているアドバンスト学生2名が症例報告を行いました。多くの学生や教員が参加し、4年生からの質疑も多く寄せられ、非常に有意義な報告会となりました。
地域薬局のアドバンスト学生は、睡眠薬の用量調整や排便コントロールの薬学的介入について報告を行いました。ベンゾジアゼピン系睡眠薬は過剰に服用すると、認知機能の低下、転倒やせん妄の発現のリスクが高まります。本症例では、ベンゾジアゼピン系睡眠薬の適正使用のために自作の説明カードを用いて服用の用量や回数などを繰り返し説明し、薬識の向上を図り、薬物療法全般のアドヒアランス向上に努めました。一方、慢性便秘症は高齢者に多い疾患であり、近年便秘症があると生命予後が悪いこと、心血管イベントが多いこと、慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease:CKD)発症が多いことが明らかになっています。そのため便秘症は治療すべき病気であり、症状緩和に下剤が処方されます。薬剤師は適切な下剤の種類や用量をアセスメントすることが重要です。本症例では、服用中の下剤の種類や用量を見直し、適切な用量に調節することで良好な排便コントロールに貢献しました。
本報告会を通して、在宅患者に対する薬剤師の介入として患者の症状に合わせた薬物治療を行う必要があることを学びました。効果や副作用をモニタリングしながら適切な服薬指導を行う重要性を再確認しました。今後は患者それぞれの状態に合わせた薬物療法の提案や服薬指導に努めたいと思います。
(報告者:都外川眞由)
【薬局】
「睡眠薬過剰服用の患者への薬学的介入」
「ポリファーマシーによる腹痛に対する薬学的介入」
2024年5月22日
- 令和6年度 第1回アドバンスト活動報告会
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「令和6年度 第1回アドバンスト活動報告会」が、遠隔教育システムを利用して、愛知医科大学病院、藤田医科大学病院、名古屋大学医学部附属病院、安城更生病院、および名城大学薬学部ライフサイエンスホールにて同時開催されました。
今回は、安城更正病院の耳鼻咽喉科にて研修しているアドバンスト学生2名、藤田医科大学病院の内分泌・代謝・糖尿病内科にて研修しているアドバンスト学生1名が症例報告を行いました。多くの学生や教員が参加し、報告後には多数の質疑やコメントがあり、活発な報告会となりました。
安城更正病院のアドバンスト学生は、それぞれ右頬粘膜がん患者および周術期患者への薬学的介入について報告を行いました。
頬粘膜がんでは、腫瘍の拡大によりしばしば口腔内疼痛が惹き起こされます。本症例では、夜間の痛みが原因の睡眠障害に対するアセトアミノフェン錠の用量調整において、痛みの強度・種類を数値的評価スケール(numerical rating scale:NRS)や患者の主訴等から適切に評価しました。同時に肝機能のモニタリングなどを行い、安全で効果的な用量を提案し、疼痛コントロールに貢献しました。
また、周術期には、麻酔下からの覚醒時に吐気や嘔吐(postoperative nausea and vomiting:PONV)が発現する場合があるため、その予防と発現時には作用機序の異なる薬剤を使用することが推奨されています。本症例では、PONVの予防にはオンダンセトロン注、発現時には作用機序の異なるメトクロプラミド錠を提案することで、術後の吐気の軽減に努めました。
藤田医科大学病院のアドバンスト学生は異所性ACTH産生腫瘍について報告を行いました。腫瘍は、まれに異所性に副腎皮質刺激ホルモン(adrenocorticotropic hormone:ACTH)を産生することで、コルチゾールを過剰に分泌させ、満月様顔貌や中心性肥満など特徴的な症状を示すクッシング症候群を惹き起こすことがあります。本症例では、摘出不可能な異所性ACTH産生腫瘍を起因とするクッシング症候群に対して、治療効果や副作用の発現頻度などが同様の作用機序の薬剤より優れているメチラポンが選択され、コルチゾール値の正常化を図ることができました。
本報告会を通して、患者の検査値や既往歴、文献等を考慮することが適切な医療の提供に繋がることを学びました。今後も患者の訴えに加え、検査値や評価尺度を適切に活用することで患者にとって適切な薬剤の選択を支援していきます。
(報告者:加藤朱莉)
【安城更生病院】
耳鼻咽喉科病棟
「右頬粘膜がんで入院した患者に対する薬学的考察」
「周術期の患者に対する薬学的介入」
【藤田医科大学病院】
内分泌・代謝・糖尿病内科病棟
「異所性ACTH産生腫瘍」
2024年4月5日
- 2024年度 お花見:満開の桜が新年度を祝福!
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「2024年度 お花見会」を鶴舞公園にて開催しました。
今年の桜の開花は、当初全国的に平年より早まると予想されていましたが、3月の低温などにより平年より遅れての開花となりました。そのため今年度は、昨年より遅い鶴舞公園でのお花見会となりました。
桜まつりが開催されている鶴舞公園では、満開の桜を満喫しながら、屋台の軽食を堪能する花見客で賑わいを見せていました。麗らかな春の陽光の下で花見客と同様に桜まつりを楽しみ、満開の桜を背景に笑顔あふれる記念写真を撮影しました。きっと幸多き一年になると予感しました。
今年度も引き続き親睦を深められるような機会を設け、充実した研究室生活が送れるよう精進して参ります。
(報告者:内山智絵)
2024年3月18日
- 2023年度 卒業式:博士課程修了生と学部卒業生への記念品授与
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「2023年度 名城大学卒業式」が愛知県体育館にて、「令和5年度 薬学部学位記授与式・祝賀会」が、名古屋マリオットアソシアホテルにて開催されました。
当室からは、薬学研究科博士課程(4年制)第9期修了生として1名、6年制薬学部第13期卒業生として9名が卒業しました。博士課程修了生の中村真理子先輩は、卒業式にて大学院修了生謝辞を述べ、学位記を授与されました。学部卒業生の片田ひかり先輩は研究の功績で学部長表彰を受けました。
お世話になった先輩方に今までの感謝の気持ちを込めて記念品としてアルバムを贈呈しました。先輩方が当室を去られるのは寂しいですが、先輩方から教えて頂いたことを活かし、後輩一同、精一杯当室を盛り上げていきます。先輩方が「病態解析学Ⅰ研究室」で培った経験を活かし、各方面でより一層ご活躍されることを心からお祈りしています。
(報告者:雄谷拓海)
2024年3月11日
- 新たな門出
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「2023年度 送別会:追い出しコンパ」が、SILVA 金山店にて開催されました。
今年度は、中村真理子先輩が博士課程を修了し、学位を取得されました。加えて、9名の学部6年生が卒業されます。残念ながら中村真理子先輩と学部卒業生3名は不参加でしたが、野田幸裕教授、𠮷見 陽准教授をはじめ、学部卒業生6名、5年生7名、および4年生6名の総勢21名が参加しました。野田幸裕教授、𠮷見 陽准教授の両先生からの挨拶と激励のお言葉で会が始まり、先輩方と当室での生活を振り返りながら談笑を楽しみました。終始和やかな雰囲気の中、卒業される先輩方に感謝の気持ちを伝えることができ、とても心に残る会となりました。大変名残り惜しかったですが、最後に集合写真を撮り終宴となりました。
4月からは卒業される先輩方とのたくさんの思い出を胸に、当室一同研究とアドバンスト研修活動を更に発展させていきます。お世話になった皆様の新天地でのご活躍を祈念しております。
(報告者:雄谷拓海)
9月24日
- 米国アリゾナ大学薬学部から臨床研修生Adriana Carbajalさんが名古屋大学医学部附属病院および病態解析学Ⅰを訪問
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名城大学薬学部では海外から数多くの薬学生や薬学臨床教員・研究者を受け入れ、教育と研究の両面で国際的な役割を果たしています。特に、教員や薬学生の国際的な視野を広げる目的で、米国の南カリフォルニア大学薬学部、サンフォード大学薬学部やアリゾナ大学薬学部との間に学術交流協定を結び、これらの協定大学を中心に国際的な研究・教育活動を実施しています。
昨年度に引き続き米国アリゾナ大学薬学部から4年生Adriana Carbajalさんが日本における臨床薬学教育研修の一環として、名城大学薬学部と関連医療施設などで、臨床研修(2024年9月16日~9月28日)を行いました
臨床研修は、名城大学の協定病院である名古屋大学医学部附属病院(名大病院)および病院内に設置された名城大学薬学部 サテライトセミナー室 病態解析学Ⅰにて臨床研修を9月24日(火)に実施しました。
〇午前
1)臨床研修Ⅰ:野田幸裕教授が宮崎雅之副薬剤部長と共に外来化学療法室を訪問しました。
2)臨床研修Ⅱ(薬学教育、大学・当室・メンバー紹介):最初にサテライトセミナー室にて野田幸裕教授、𠮷見 陽准教授が日本の薬学部のカリキュラムや当室の活動や研究内容についてスライドで説明しました。臨床研修生は、6年制に変わった日本の薬学教育などについて興味深く聞いていました。その後、当室のメンバーがそれぞれ自己紹介しました。名大病院のアドバンストコース5年生3名は自己紹介の中で今までの病棟実習で関わった症例についても紹介しました。
臨床研修生にもアリゾナ大学薬学部での薬学教育やキャンパスライフについて紹介してもらいました。アリゾナ大学はツーソンのメインキャンパスに加えフェニックスキャンパスにも薬学部が設置されており、異なる場所に居ても同じ講義を同時に通信システムにて受講できることに大変驚きました。臨床研修生からは化学療法による悪心・嘔吐の制吐治療についての症例報告を行なってもらいました。催吐性リスクに応じた制吐薬の使い分けやフルオロウラシルで治療中の患者さんに対してどのような制吐剤が使用されるのかについて説明して頂き、日本における制吐療法との相違点を学ぶことができ、大変興味深く拝聴することができました。
〇午後
3)日本文化(和食):昼食には臨床研修生に和食文化の紹介として、おにぎりやたこ焼きなどを用意し、和食文化について理解を深めてもらいました。実際におにぎりを握ってもらいましたが、初めての経験だったため、少し苦戦している様子でした。臨床研修生は嬉しそうに「美味しい」と舌鼓を打ちながら、和気あいあいと款談しました。臨床研修生は、明太子のふりかけを混ぜたおにぎりが一番のお気に入りとのことでした。
4)臨床研修Ⅲ:(薬剤部見学):アドバンストコースの学部5年3名と野田幸裕教授、𠮷見 陽准教授、溝口博之准教授と共に薬剤部の見学を行いました。調剤室・製剤室・麻薬室・試験室・注射室・薬務室を見学しました。製剤室では薬剤部の宮崎雅之副薬剤部長に抗がん剤混合調製ロボットについて説明を受け、とても興味を示していました。注射室にある注射薬自動支出システムに対しても目を見張る様子でした。
当室で行っている薬剤師外来(吸入療法支援)について、実際の練習用吸入器を用いて説明しました。臨床研修生は吸入器の知識は豊富でしたが、当室で使用している吸入指導の資料を見せながら説明し、吸入指導ついてより理解を深めて頂きました。臨床研修生と意見を交わすことで、吸入器(デバイス)や吸入指導は日米において大差がないことを学びました。
5) 臨床研修Ⅳ:(病棟見学):病棟薬剤師の業務内容や各病棟の特徴を紹介するために眼科病棟と精神科/親と子どもの心療科を担当病棟薬剤師と共に見学しました。眼科の一般病棟では、一般病棟の特徴、麻薬、毒薬および向精神薬の管理方法を説明し、病棟薬剤師の業務内容を紹介しました。精神科/親と子ども病棟ではホールや中庭にて作業療法として塗り絵やストレッチ、卓球などを行うこと、一般病棟とは異なる設備や保護室があることを説明しました。病棟やナースステーションなどの入り口は施錠されており、一般病棟との違いを感じていました。
今回、海外臨床研修生と日米の病院薬剤師業務について意見交換を行うことで、双方の相違点について学ぶことができました。積極的に会話することや患者個々に合わせた医療を提供することなど、改めて薬剤師に必要な態度・知識・能力について考える良い機会となり、刺激を受けた1日となりました。
(報告者:井指孝一)
2024年9月15~16日
- The 9th Nagoya / Gifu / Nanjing / Shenyang Symposium of Pharmaceutical Sciences(名古屋)
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「The 9th Nagoya / Gifu / Nanjing / Shenyang Symposium of Pharmaceutical Sciences」が、名古屋市立大学大学院薬学研究科 田辺通キャンパスにて開催されました。本薬学学術シンポジウムは、名城大学が学術協定を結ぶ中国薬科大学および瀋陽薬科大学との学術交流を目的として開催されました。2日間で、基礎から臨床研究まで多岐にわたる口頭発表33演題、ポスター発表74演題があり、演題ごとに活発な討論が行われました。
当室からは野田幸裕教授が名城大学実行委員として、座長を務められました。当室より𠮷見 陽准教授、研究員の中村真理子先生、博士課程1年の加納正暉先輩、学部6年の加藤朱莉、深見彩乃、雄谷拓海、川合竣也、五十住優弥、森川和那、木村天音および加藤拓真の計11名がポスター発表を行いました。いずれの発表においても、発表終了後まで実験方法や結果の質疑ならびに研究の考察について意見交換があり、大変貴重な交流をすることが出来ました。
中国薬系大学の口頭発表では、非アルコール性脂肪肝炎モデルマウスを用いた薬剤の有効性を検討した発表を拝聴しました。モデルマウスを作製して病態生理や治療薬の有効性を検討するという当室の研究と共通した研究発表であり、興味深く拝聴することができました。国際的な視野を持った研究の必要性を再認識するきっかけとなりました。日中間の幅広い薬学系分野の研究発表を聴講することで、当室とは違う研究分野・デザインについて触れ、視野も広げることができ大変有意義な機会となりました。
(報告者:雄谷拓海)
【座長】
野田幸裕(9月15日)
「Oral session 8」
【ポスター発表】
𠮷見 陽(9月15日)
「Spatial brain proteomic analysis using a schizophrenia-like model mouse treated with clozapine」
中村真理子(9月15日)
「Involvement of serotonin transporter in chronic orofacial pain with depressive symptoms before and after duloxetine treatment」
加納正暉(9月15日)
「Inhalation therapy for patients with bronchial asthma during the COVID-19 pandemic: appropriate instructions amidst infectious disease spread」
深見彩乃(9月15日)
「Involvement of adrenaline beta2 receptors in clozapine-induced lipid droplet accumulation in 3T3-L1 cells」
五十住優弥(9月15日)
「Involvement of TNF-α/TNFR1 signaling in microglia and glutamatergic neurotransmission of mice exposed to social defeat stress as juveniles」
加藤朱莉(9月15日)
「Effect of lithium on hematopoietic toxicity induced by clozapine in HL-60 cells」
加藤拓真(9月15日)
「Mice with deficiency in Pcdh15, a gene associated with bipolar disorders (BD), exhibit BD-like behaviors and monoaminergic properties」
川合竣也(9月15日)
「Effect of clozapine on cognitive behaviors function and neurotransmitters in a schizophrenia-like mouse model」
木村天音(9月15日)
「Influence of environment adversity during neurodevelopment on future behavioral responses and neuromorphogenesis in astrotactin2 (ASTN2) heterozygous mice」
森川和那(9月15日)
「Involvement of nicotinic acetylcholine receptor α7 subunit in the impairment of social behaviors in mice exposed to social defeat stress as juveniles.」
雄谷拓海(9月15日)
「Comprehensive gene expression analysis of lymphoblastoid cell lines from schizophrenia patients and blood and brain samples from a schizophrenia-like mouse model.」
2024年1月10日〜16日
- 米国アリゾナ大学薬学部から臨床研修生Jason Soldatenkovさんが名古屋大学医学部附属病院および病態解析学Ⅰを訪問
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米国アリゾナ大学薬学部4年生Jason Soldatenkovさんが日本における臨床薬学教育研修の一環として、名古屋大学医学部附属病院(名大病院)および病院内に設置された名城大学薬学部 サテライトセミナー室 病態解析学Ⅰにて臨床研修を実施しました。新型コロナウイルス感染症が5類感染症へと移行されたことで規制が緩和され、約5年ぶりの訪問となりました。
〇10日午前
1)臨床研修Ⅰ(薬学教育、大学・当室・メンバー紹介):最初にサテライトセミナー室にて野田幸裕教授、吉見 陽准教授が当室の活動や研究内容、日本の薬学部のカリキュラムについてスライドで説明しました。臨床研修生は、6年制に変わった日本の薬学教育などについて真剣に聞いていました。その後、当室のメンバーがそれぞれ自己紹介しました。臨床研修生にもアリゾナ大学薬学部での薬学教育やキャンパスライフについて紹介してもらいました。アリゾナ大学はツーソンのメインキャンパスに加えフェニックスのキャンパスにも薬学部が設置されており、衛星通信にて異なる場所に居ても同時に同じ講義を受講できることに、大変驚きました。
午後からは八事キャンパスにおいて病院薬学 亀井浩行教授の1年生のキャリア形成の授業に参加しました。
〇11日午前
- 臨床研修Ⅱ(病院内見学):総合診療科の病棟およびCKD外来を見学しました。総合
診療科の病棟では全室個室でゆったりと過ごすことが出来る病室を見てもらいました。CKD外来では医師・薬剤師・栄養士が連携することでCKDの患者に対して医学的・薬学的な介入のみならず、食塩摂取量の管理などの栄養療法も行うため、こうした多職種との連携の様子を知ることができました。その後、名大病院の薬剤部や外来棟を見学し、薬剤部の宮崎雅之副薬剤部長に外来化学療法室における薬剤師や多職種との連携について説明を受けました。薬剤部の見学では、調剤ロボットによる注射剤の自動払い出し、バーコードによる調剤監査システム、試験室での薬物血中濃度モニタリング(TDM)業務、麻薬の取り扱いなどについて説明しました。臨床研修生は特に製剤室内にある抗がん薬混合調製ロボットであるChemoRo(ケモロ)には強く興味を示していました。午後からは、八事キャンパスにて拡大教授会で自己紹介を行った後、日本文化Ⅰに参加しました。
〇11日午後
2)日本文化Ⅰ(大須散策・東山動物園):大須観音にておみくじを引いたり、日本の典型的な商店街である大須商店街にて唐揚げの食べ歩きをしながら散策し、大須の街並みを堪能しました。その後、東山動物園にて、レッサーパンダやイケメンゴリラのシャバーニなど、日本の数多くの動物を観ました。臨床研修生は動物たちの生き生きとした姿を写真に収めて楽しんでいました。
〇12日午前
1)臨床研修Ⅲ(アドバンスト活動紹介):名大病院のアドバンストコース5年生3名が精神科/親と子どもの心療科、血液内科と総合診療科の病棟の特徴、各病棟での活動内容、および症例報告を行いました。その後、臨床研修生からも白血病患者の症例を報告してもらいました。米国では公的医療保険制度が高齢者や障害者に限定されていることから、国民の医療保障の大部分は民間医療保険によって担われています。加入している保険が個々で異なるため、加入保険に応じて医療費を考慮して治療や治療薬を選択しなくてはいけないことを学びました。
2)臨床研修Ⅳ(病棟見学):精神科/親と子どもの心療科、眼科および消化器外科の病棟を見学しました。各病棟の特徴や他の病棟との運用の違い、救急カートや定数配置薬などの説明を通して、病棟薬剤師の業務内容を紹介しました。特に、精神科病棟では患者ごとに薬の管理方法が異なり、医療従事者によって厳重に薬が管理されている場合が多いことなどを説明しました。臨床研修生は、病棟やナースステーションに入るには鍵が必要となることやモニターで様子を確認できる病室があることなど、他の病棟との違いに興味をもったようでした。
〇12日午後
3)日本文化Ⅱ(ちらし寿司):臨床研修生に和食文化を体験してもらうために、昼食にちらし寿司やお味噌汁を用意し、ご飯にちらし寿司の素や細かく刻んだ具材を入れて混ぜてもらいました。臨床研修生は自身で作ったちらし寿司の味に感動し、和気あいあいと和食を楽しみました。
4)臨床研修Ⅴ:薬剤部の研究室を訪問し、薬剤部・医療薬学の溝口博之准教授に薬剤部で実施している臨床・基礎研究の概要を説明してもらいました。
5)臨床研修Ⅵ(体験実験):当室において研究の一環で行っているジェノタイピング(遺伝子型判定)について、当室の学部生が概要を説明し、慣れない実験操作に苦戦しながらも、DNAバンドの検出、遺伝子型の判定を体験してもらいました。その後、八事キャンパスでの歓迎会に参加しました。
〇16日午前
1)臨床研修Ⅶ(病棟見学・薬剤師外来):早朝から感染制御専門薬剤師である名城大学薬学部 実践薬学Ⅰ 稲垣孝行准教授の引率のもと、外科系集中治療室(SICU)にてカンファレンスに参加し、薬剤師の役割や多職種との連携、集中治療室(ICU)やNICUとの違いについて説明を受けました。集中治療領域では,集中治療を要する患者の薬学的管理に加えて集中治療室退室後の患者に対する薬学的管理も重要であることを日米で情報交換ができたことに満足のようでした。HIV薬剤師外来を見学した後、当室における薬剤師外来(吸入療法支援)の活動について説明を受けました。臨床研修生と意見を交わすことで、吸入器(デバイス)や吸入指導は日米において大差がないことを知ることができました。
〇16日午後
2)日本文化Ⅲ(お弁当):本日で名大病院での研修が最後であることから、臨床研修生の送別会を兼ねて、昼食に日本文化の“お弁当”として海苔弁当を用意しました。臨床研修生は嬉しそうに「美味しい」と舌鼓を打ちながら、4日間の研修を振り返っていました。終始、和やかな雰囲気のまま楽しい時間を過ごすことができ、お腹も心も満たされた送別会としての昼食となりました。
3)日本文化Ⅳ(書道):日本文化の一環として書道を体験してもらいました。学部生が横で手本を見せながら臨床研修生に漢字の意味を教え、気に入った漢字を書いてもらいました。臨床研修生は器用に筆を使って「名古屋」や「薬」などの漢字を書き、日本人顔負けの素晴らしいお手並みを披露しました。作品完成後は記念撮影を行い、楽しい時間を過ごしました。
今回、臨床研修生が来室した4日間は臨床研修生と当室のメンバーが多くの時間を共有してお互いに有意義な時間を過ごすことができたと思います。臨床研修生と日米の病院薬剤師業務や診療ガイドラインの内容などについて意見を交わし合い交流を深めることで、双方の相違点について学ぶことができました。
(報告者:雄谷拓海、深見彩乃)
2024年9月7日
- くすり教室「静岡学園中学校・高校 静岡」
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静岡学園中学校・高校にて「くすり実験教室:体験受験」の出前授業・Eプロを開催しました。240907NPO
2024年8月17日~18日
- 第9回日本薬学教育学会大会
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「第9回日本薬学教育学会大会」が、東京薬科大学にて「薬学教育におけるプロフェッショナリズムとは?」をテーマに開催されました。薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)では、従来の「薬剤師としての心構え」と「患者・生活者本位の視点」が「プロフェッショナリズム」として発展されました。医療プロフェッショナリズムでは何をどう教えるか、大学や医療現場からその取り組みがシンポジウムや一般演題にて多く報告されていました。1日目は、大型で猛烈な台風7号の影響で、前日の首都圏をはじめ各地で鉄道の運休、新幹線各線の計画運休などにより、オンラインでの発表もありましたが、薬学教育に関わる参加者との交流や、薬学教育・研究についての討議を行う貴重な情報交換の機会でありました。
当室からは、シンポジウム8「これからの多職種連携教育の学修プログラムと課題を共に考える」にて、野田幸裕が「医療系学部を有さない薬学部における多職種連携教育:他施設との共同による段階的なプログラム」について発表しました。各専門職からの発表後には、情報共有・交換として総合討論が行われました。多職種が連携するチーム医療教育の課題が再確認され、学部教育だけでなく、医療現場での教育連携・協力体制やプラットフォームの構築が必要であると思いました。
(報告者:野田幸裕)
【シンポジウム】
シンポジウム8:これからの多職種連携教育の学修プログラムと課題を共に考える
野田幸裕(8月18日)シンポジスト
「医療系学部を有さない薬学部における多職種連携教育:他施設との共同による段階的なプログラム」
2024年7月28日
- くすり教室「尾西生涯学習センター 愛知」
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尾西生涯学習センターにて、一宮市薬剤師会との 共同企画として「くすりの正しい飲み方: くすりと安全に安心して付き合う」「くすり教室:実験講座」の出前授業・E プロを開催しました。240728NPO
2024年05月13日
- くすり教室「イオン八事店 愛知」
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イオン八事店にて「くすり教室:実験講座」のEプロを開催しました。240513
2024年2月15日
- つるまい薬薬薬連携協議会 ~吸入薬関連~(名古屋)
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「つるまい薬薬薬連携協議会 ~吸入薬関連~」がアストラゼネカ株式会社の共催で、名古屋大学医学部基礎研究棟3階 第一講義室での対面(参加者数:30名)とZoom(参加者数:約20名)とのハイブリッドにて開催されました。一般講演では当室の野田幸裕が「効果的な吸入指導:陥りやすいピットフォール」と題して、特別講演では名古屋大学大学院医学系研究科 呼吸器内科学 教授 石井 誠先生が「最新ガイドラインから考えるCOPDの治療戦略」と題して講演を行いました。
本協議会には地域薬局の薬剤師を中心に、病院薬剤師など多数の参加がありました。いずれの講演後には、日常の業務における吸入療法や吸入手技に関する疑問、COPDの治療管理における非薬物療法に関する質疑があり、活発な意見交換が行われました。本協議会では、名古屋大学医学部附属病院での薬剤師による吸入療法外来の運用などに薬局薬剤師との医療連携の重要性が再確認でき、それを深める機会となりました。
今後の薬剤師吸入療法外来(喘息・COPD)をさらに充実した運用にできるようにしていきたいと思います。
(報告者:野田幸裕)
【一般講演】
野田幸裕
「つるまい薬薬薬連携協議会 ~吸入薬関連~」
2024年02月10日
- くすり教室「イオン八事店 愛知」
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イオン八事店にて「くすり教室:実験講座」のEプロを開催しました。240210NPO
2024年01月27日
- くすり教室「イオン八事店 愛知」
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イオン八事店にて「くすり教室:実験講座」のEプロを開催しました。240127NPO