活動報告
- 研究活動
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基礎・臨床研究で得られた成果は、積極的に国内外の精神神経薬理学、神経科学および医療薬学関連の学会や研究会にて報告し、世界を見据えて広く社会に発信しています。また、招待講演やシンポジウムなどにおいても多数発表を行っています。
2022年11月30日〜12月3日
- 第96回日本薬理学会年会/第43回日本臨床薬理学会学術総会(Japan Basic and Clinical Pharmacology Week:JPW2022, 横浜)
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第96回日本薬理学会年会/第43回日本臨床薬理学会学術総会が、パシフィコ横浜にて「つなげよう、つながろう」をテーマに開催されました。本会は、2学会の連携をコアとして基礎から臨床に至る幅広い学問領域に渡る学会との連携を深め、本邦の創薬研究基盤の確立への貢献を目指すため、Japan Basic and Clinical Pharmacology Week(日本薬理学関連学会週間)として開催されました。2,000名を超える基礎・臨床薬理学研究者が一堂に会し、いずれのセッションでも活発な討論が行われました。
当室からは、博士課程2年の吉田樹生が、「幼若期社会的敗北ストレス負荷が脳内免疫系および神経形態に与える影響」と題してポスター発表を行いました。近年、統合失調症や大うつ病性障害など、様々な精神疾患の病態に脳内の免疫系の活性化や神経炎症が関与していることが報告されており、精神疾患の神経炎症仮説が大きな注目を集めています。幼少期におけるストレス曝露が脳内免疫系や神経形態に影響を及ぼす可能性を報告した本発表は、示説の時間の終了後も多数の研究者から質問を受け、大盛況でした。本発表に際し、多数の薬理学研究者とディスカッションでき、貴重なコメントもいただくことができ、今後の研究を客観的に見つめ直すことができました。
本会は、薬理学会及び臨床薬理学会の合同年会であったこともあり、基礎・臨床の両視点から、病態解明や新規治療ターゲットの探索、さらには創薬を目指した研究成果の発表を多数拝聴することができました。このような機会から基礎と臨床の間のギャップを埋めるための橋渡し研究(トランスレーショナル研究・リバーストランスレーショナル研究)の重要性を再確認しました。患者へ研究成果が届けられることを目指して、日々奮闘していきたいと思います。
(報告者:吉田樹生)
【一般ポスター発表】
吉田樹生(12月1日)
「Exposure to social defeat stress as juveniles leads to activated brain immune systems and impaired neuronal morphology」
2022年11月4日~6日
- 第44回日本生物学的精神医学会年会/第32回日本臨床精神神経薬理 学会年会/第52回日本神経精神薬理学会年会/第6回日本精神薬学会総会・学術集会 合 同年会(BPCNPNPPP4学会合同年会)(東京)
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「第44回日本生物学的精神医学会年会/第32回日本臨床精神神経薬理学会年会/第52回日本神経精神薬理学会年会/第6回日本精神薬学会総会・学術集会 合同年会」が『「心」につながる基礎と臨床の架け橋』をテーマに、都市センターホテルおよびシェーンバッハ・サボーを主会場とした現地とオンラインでのハイブリッド形式で開催されました。本合同年会では、「心」の病に対する薬物療法を始めとする治療法や診断法に関する基礎研究から臨床研究まで幅広く、精神神経疾患の原因解明、診断法および薬物療法などの治療の進歩につながる研究発表が行われました。本合同年会において、野田幸裕教授がワークショップ3「抗精神病薬の減薬・減量のワークショップ」のコーディネーターを務められました。2020年度と2021年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりオンライン開催でしたが、実に3年ぶりの対面での開催となりました。今回初めて参加させていただき、現場で働く薬剤師の先生方の討論を拝聴して減薬・減量を行う上での着眼点や症状を多面的に診る重要性など、多くのことを学ぶ機会となりました。本ワークショップが、薬剤師主導での抗精神病薬に関する減薬・減量ガイドライン作成の繋がればと思います。博士課程3年の中村真理子先輩、博士課程2年の吉田樹生先輩、および学部5年の吉原 希が一般演題(ポスター)にて発表を行いました。名古屋大学医学部附属病院における統合失調症入院患者の減薬・減量状況の実態調査に関する吉原の発表では、Safety correction of high-dose antipsychotic polypharmacy(SCAP)法と比較した減量速度の速さについてご指摘をいただき、対象を入院患者に限った減薬・減量法の確立の必要性を感じました。また、拝聴したシンポジウム22の「クロザピン治療に対する薬剤師の関わりについて考える」では、クロザピン治療に注力する病院の地域連携やクロザピン血中濃度に影響する因子について、知見を深めることができました。本学会で得られた知見を今後の研究・臨床活動に活かし、より一層精進したいと思います。
(報告者:吉原 希)【ワークショップ3】
野田幸裕(コーディネーター)、吉見 陽(ファシリテーター)、肥田裕丈(ファシリテーター)、堀田彰悟(ファシリテーター)、中村真理子(ファシリテーター)、吉田樹生(ファシリテーター)、吉原 希(アシスタント) (11月6日)
「抗精神病薬の減薬・減量のワークショップ」
【一般演題(ポスター)】
中村真理子(11月5日)
「うつ症状を併存する口腔内慢性疼痛患者における血小板セロトニントランスポーターの関与」
吉田樹生(11月4日)
「グリア誘導性ニューロン移動関連分子アストロタクチン2(ASTN2)の欠失が高次脳機能と神経構築に与える影響」
吉原 希(11月4日)
「名古屋大学医学部附属病院における統合失調症入院患者の減薬・減量状況の実態調査:有効かつ安全な減薬・減量法の確立に向けて」
2022年10月8日
- 第87回医療薬学公開シンポジウム
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「第87回医療薬学公開シンポジウム」が「がんと在宅医療−ポストコロナを見据えた薬薬学連携−」をテーマに名城大学八事キャンパス薬学部のライフサイエンスホールにてWEB開催(ライブ配信)されました。本シンポジウムは名城大学総合研究所クリニカルオミクス基盤TRセンターと共催で行われました。
当室の野田幸裕教授がシンポジウムの座長を務められ、シンポジストとして「がん医療の問題点と現状:Overview」と題した発表もなされました。シンポジストは薬学部教員に加えて、病院薬剤師や薬局薬剤師がそれぞれの立場でがん医療への参画について講演されました。がん疾患に対して高度な医療が薬薬学連携によって提供できることを実感し、今後さらに発展すべき取り組みであることを再認識しました。
特別講演では、名古屋大学腫瘍病理学の榎本 篤先生より最先端のがん研究に関する講演がありました。「ファーマシスト・サイエンティスト」には、現場での臨床・学術的な研究、どちらの知識・技術も不可欠であり、改めて妥協せず、取り組んでいきたいと奮起する機会となりました。
(報告者:中村真理子)【座長】【シンポジウム】
野田幸裕
「がん医療の問題点と現状:Overview」
2022年9月23日〜25日
- 第32回日本医療薬学会年会
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「第32回日本医療薬学会年会」が「知の融合で織りなすSociety 5.0の医療薬学」をテーマにGメッセ群馬・高崎芸術劇場を主会場とした現地開催とWEB開催を併用するハイブリッド形式で開催されました。当室からは、野田幸裕がシンポジウム49「精神科薬物療法の処方適正化による患者支援~精神科領域の薬薬連携によるポリファーマシー対策に向けて~」にて「多角的な視点で捉えるポリファーマシー対策:教育におけるポリファーマシー対策」と題して発表しました。
発表では、ポリファーマシーに伴う薬物相互作用や有害事象リスクの上昇の問題を回避するために、治療効果や副作用を薬剤の薬理学的特性から考慮し、向精神薬の適正使用とポリファーマシーの是正の進展に寄与する必要があることを概説しました。今後の精神科薬物療法に対する薬学教育が果たすべき役割について質問があり、学部教育・卒後教育で向精神薬の効果と副作用を多角的に理解し、医療スタッフと連携に努める重要性を学ぶことであると回答しました。
本学会は病院薬剤師、薬局薬剤師、薬系大学の教員や学生など、参加者は多岐に渡っていたことから、さまざまな視点からどのように医療薬学の分野において先進技術を用いて医療へ還元しているのか・していくのかについて興味深く拝聴できました。
(報告者:野田幸裕)【シンポジウム】
野田幸裕(9月24日)
シンポジウム49「多角的な視点で捉えるポリファーマシー対策:教育におけるポリファー
マシー対策」
2022年7月23日〜24日
- 医療薬学フォーラム2022/第30回クリニカルファーマシーシンポジウム
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「医療薬学フォーラム2022/第30回クリニカルファーマシーシンポジウム」が北陸大学薬学キャンパス 薬学別館(アネックスファーム)にて「枝葉が伸び、花が咲き続ける医療を支える根幹たる医療薬学の新たな挑戦」をテーマに開催される予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の再拡大により現地開催を中止し、WEB開催へ変更となりました。
当室からは、野田幸裕教授がシンポジウム3「アカデミアと臨床薬剤師との連携:リバーストランスレーショナル研究の展開」にて「クリニカルオミクスとrTR研究」と題して発表し、シンポジウム12「認知症の研究・治療から地域医療における薬剤師の役割」の座長も務められました。シンポジウム3の発表では、「教育」・「研究」・「臨床」のそれぞれに知識・技術の偏重がない医療人である「ファーマシスト・サイエンティスト」の育成についての質問があり、2006年の当室開設以来、野田教授が尽力して構築されてきた環境や体制について概説しました。
本学会は病院薬剤師、薬局薬剤師、薬系大学の研究者や学生、および製薬会社の研究・開発・医薬品情報担当者など、参加者は多岐に渡っていたことから、さまざまな視点からどのように医療へ還元しているのか・していくのかについて興味深く拝聴できました。どのような立場であっても、研究者マインドを忘れずに医療に貢献できる薬剤師でありたいと奮起しました。
(報告者:中村真理子)
【シンポジウム】
野田幸裕(7月23日)
シンポジウム3「クリニカルオミクスとrTR研究」
【座長】
野田幸裕(7月24日)
シンポジウム12:「認知症の研究・治療から地域医療における薬剤師の役割」
2022年7月1日
- 第141回日本薬理学会近畿部会(香川)
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「第141回日本薬理学会近畿部会」は新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し、オンラインでの開催となりました。今回は一般演題(口演)のみのプログラムであり、オンライン開催のメリットを活かし、第146回関東部会(2022年6月18日開催予定)との共催で、両部会の聴講が可能でした。そのため、関東部会や近畿部会の多数の薬理学、薬物治療学、臨床薬学の大学、企業、あるいは医療関係の研究者が参加していました。
当室からは、野田幸裕が一般演題-1「中枢」(口頭)のコメンテーターを務め、研究員の肥田裕丈が優秀発表賞候補演題-1「中枢1」(口頭)にて「新生仔期プロスタグランジンE2投与による若年・成体期の情動性・情報処理機能と遺伝子発現に及ぼす影響」と題して発表しました。70名以上が視聴者しており、遺伝子発現変化とシナプス形成やグルタミン酸作動性神経に関連した神経化学的異常との間には相関性は認められたのか、精神行動障害が発現したメカニズムとして脳内のどの細胞の関与を考えているのかなどの多くの質問を頂きました。本学会で発表することで、研究の課題が見つかり、今後の研究に活かしていきたいと思います。
(報告者:肥田裕丈)
【コメンテーター】
野田幸裕(7月1日)
一般演題-1「中枢」(口頭)
【一般演題(口頭)】
肥田裕丈(7月1日)
「新生仔期プロスタグランジンE2投与による若年・成体期の情動性・情報処理機能と遺伝子発現に及ぼす影響」
2022年6月30日(木)〜7月3日(日)
- 第45回日本神経科学大会/第65回日本神経化学会大会/第32回日本神経回路学会大会:NEURO2022(沖縄)
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「第45回日本神経科学大会/第65回日本神経化学会大会/第32回日本神経回路学会大会:NEURO2022」が沖縄方言で助け合いを意味する「ゆいまーる ― つながる脳科学 ―」をテーマに、沖縄コンベンションセンター・宜野湾市立体育館・ラグナガーデンホテルでの現地とオンラインでのハイブリッドで開催されました。発表言語が英語であることに加え日本を代表とするリゾート地での開催であることから、アジアや欧米からの参加者も見受けられました。
当室からは、吉見 陽がシンポジウム1S03m「異分野融合による精神神経疾患の新規治療標的に基づいた創薬研究」にて「オミックス技術による統合失調症の病態関連分子の探索とバイオマーカー開発」と題して発表しました。発表後には、リンパ芽球様細胞株のプロテオーム解析で同定された統合失調症マーカーの候補分子が神経系にどのように影響するのか、中枢神経系における局在について検討しているのかなど、多くの質問がありました。予備検討において細胞質や小胞体に局在するMX1タンパク質の過剰発現がERストレス応答を介した細胞脆弱性に関与することから、中枢神経系細胞(ニューロン、グリア)において同様の機能的変化を示す可能性があり、細胞培養系や動物モデルを用いた機能解析と病態生理との関連解析が重要であることを説明しました。
神経・精神疾患の病態解明・創薬に関する先端研究が数多く報告されており、精神医学、神経化学、および薬理学のみならず、タンパク構造解析学やケミカルバイオロジーなどの専門家が活発な議論を交わしていました。日本においても異分野融合による多面的・多角的な研究が進められていることを知る良い機会となり、今後の研究に活かしていきたいと思います。
(報告者:吉見 陽)
【シンポジウム】
吉見 陽(6月30日)
「オミックス技術による統合失調症の病態関連分子の探索とバイオマーカー開発」
2022年6月30日〜7月2日
- 第49回日本毒性学会学術年会(札幌)
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「第49回日本毒性学会学術年会」が「One Healthと毒性学」をテーマに札幌コンベンションセンターにて開催されました。毒性学はさまざまな専門家やステークホルダーの集うトランスディシプリナリティの領域であり、ヒトの健康の実現のために、ヒト、動物、環境/生態系の健康を一つの健康として捉えるOne World One Healthの概念で多数のシンポジウムがありました。
当室からは、野田幸裕がシンポジウム 44「毒性試験では検出が困難な臨床副作用―非臨床からの新たなアプローチ その2(各論)」にて、「行動薬理学から自殺企図を考える:向精神薬との関連性」と題して発表しました。発表後には、向精神薬の有効性だけでなく、オフターゲット作用の評価についてはどのように考えたらよいか、向精神薬による自殺関連行動の予測にはモデル動物への影響を検討する必要があるのかなど、多くの質問がありました。自殺関連行動として衝動性がひとつの指標となると思われるため、正常動物での衝動性に対する化合物の影響を検討し、その後、モデル動物において衝動性が増強されるかどうか検討することが重要であることを説明しました。
北海道は初夏に入り、とてもさわやかな気候でした。本学会で発表する機会から、新たな研究の課題も見つかり、今後の研究の発展に活かしていきたいと思います。
(報告者:野田幸裕)
【シンポジウム】
野田幸裕(7月2日)
「行動薬理学から自殺企図を考える:向精神薬との関連性」
2022年6月9日~13日
- 第33回国際神経精神薬理学会:The International College of Neuropsychopharmacolgy(CINP2022)(台北)
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「第33回国際神経精神薬理学会:CINP2022」が台北での現地とオンラインでのハイブリッドで開催されました。日本とは1時間の時差がありますが、日本からのオンライン参加も容易でもあり、学会後にはオンデマンド視聴も可能でした。最新のテクノロジーを利用して仮想視聴者にプレゼンテーションをライブストリーミングすることで、すべての参加者にすばらしい機会が提供されていました。
当室からは、野田幸裕が一般演題(e-ポスター発表)「Nicotinic acetylcholine receptor subtypes regulate social and cognitive behaviors in mice administered phencyclidine repeatedly」と題して、博士課程2年の吉田樹生が一般演題(e-口頭発表)「The ameliorating effect of memantine on the impairment of social behaviors induced by single social defeat stress as juveniles via regulating the GluN2–ERK1/2 signaling pathway」と題して発表を行いました。オンライン上ではありますが海外の研究者も閲覧しており、研究内容の説明なども行いました。台湾デジタル大臣で新型コロナウイルス感染症の蔓延を見事に抑えられたオードリ・タン大臣の基調講演も楽しく視聴し、精神科医、薬理学者、その他の基礎科学者、および研究心理学者など2,000名以上の参加がありました。
2023年度はカナダのモントリオールで、2024年には東京で開催されますが、次回は海外の研究者と対面で活発な討論ができる日を楽しみにしていきたいと思います。
なお、本学会において、博士課程2年の吉田樹生がJSNP Excellent Presentation Award for CINP
を受賞しました。(報告者:野田幸裕)
【一般演題(e-ポスター発表)】
Yukihiro Noda
「Nicotinic acetylcholine receptor subtypes regulate social and cognitive behaviors in mice administered phencyclidine repeatedly」
【一般演題(e-口頭発表)】
Mikio Yoshida
「The ameliorating effect of memantine on the impairment of social behaviors induced by single social defeat stress as juveniles via regulating the GluN2–ERK1/2 signaling pathway」
2022年3月26日~28日
- 日本薬学会第142年会(名古屋)
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「日本薬学会第142年会(名古屋)」は、主管校として名城大学薬学部が担当し、東海地区での11年ぶりの開催となりました。「創薬イノベーションが切り拓く新時代の医療」をテーマに名古屋国際会議場で開催予定でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い全面オンライン形式にて開催されました。本年会は創薬から医療にわたる最新の研究成果や急速に進展する革新的技術などについて情報を共有し、薬学領域の教育研究が貢献すべき次代の医療との関わりについて積極的に議論することを目的としています。本年会は、7,000名を超える参加者があり、盛会のうちに終了しました。
当室からは、野田幸裕教授、博士課程4年の内田美月先輩、博士課程1年の吉田樹生先輩、学部5年の松本あおい、平野結奈および内野里香が一般演題(ポスター)にて発表を行いました。全面オンライン形式での開催ではありましたが、バーチャル会場「oVice」を使用することにより実際に現地にいるような感覚で発表を行うことができました。発表後には、研究の成果をどのように臨床へ還元していけばよいかなど、多数の質問をいただき活発に意見交換を行うことができました。
ポスター発表において、現在の薬薬連携状況や連携するために不足している情報について、病院薬剤師・薬局薬剤師それぞれの立場からの意見を拝聴することができました。退院時にはおくすり手帳に患者の体表面積、薬剤を減量している場合にはその理由など、薬局薬剤師にも情報提供すべき内容をしっかり記載する必要性を学び、アドバンスト実習でも薬薬連携に繋げていけるように努めていきたいと思いました。
なお、本学会において博士課程4年の内田美月先輩と学部5年の内野里香が学生優秀発表賞(ポスター発表の部)を受賞しました。
(報告者:内野里香)
【ポスター発表】
野田幸裕(3月26日)
「2020年薬学共用試験OSCEの結果解析報告と2021年度OSCE結果の速報」
内田美月(3月26日)
「児童に対する薬物乱用防止への取り組み:参加体験型学習の学習効果」
吉田樹生(3月28日)
「脳内免疫系及び神経形態における幼若期の心理社会的ストレス負荷の影響」
松本あおい(3月26日)
「統合失調症入院患者における抗精神病薬の処方状況と減量・減薬の実態調査:多剤併用療法の解消に向けて」
平野結奈(3月27日)
「薬剤師外来における吸入療法の再指導を必要とする患者の特性」
内野里香(3月28日)
「がん化学療法に伴う消化器症状の発現と遺伝子多型の関連性」
2022年3月7日〜9日
- 第95回日本薬理学会年会
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「第95回日本薬理学会年会」が、「イノベーション・コモンズ〜その知の創成と継承」をテーマに、福岡国際会議場および福岡サンパレスを主会場としてオンサイトとオンラインのハイブリッドで開催されました。
当室からは、博士課程2年の中村真理子が「Association between effect of duloxetine on chronic orofacial pain and expression of platelet serotonin transporter in patients with burning mouth syndrome and atypical odontalgia」と題してオンサイトにて、ポスター発表を行いました。ディスカッションタイムには、細胞膜画分でのタンパク質の定量からデュロキセチンの臨床効果についてまで、幅広くご意見・ご助言をいただきました。また、分野を超えて多数の方々が足を運んでくださり、対面でディスカッションできる楽しさも実感しました。講演やシンポジウムでは、iPS細胞を利用した最新の研究技術やケタミンの光学異性体の有用性に関する知見に加え、研究者間のディスカッションを通して神経以外にも着目して考察する重要性を学ぶことができました。大学機関だけでなく研究所や企業において、アカデミアの第一線として活躍される研究者を拝見できて、大変刺激となりました。本学会で得たことを最大限に吸収し、今後の研究活動に活かしていきます。
(報告者:中村真理子)
【口頭発表】
中村真理子
「Association between effect of duloxetine on chronic orofacial pain and expression of platelet serotonin transporter in patients with burning mouth syndrome and atypical odontalgia」
2022年3月6日
- 第31回神経行動薬理若手研究者の集い
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「第31回神経行動薬理若手研究者の集い」が、「題名のない研究会」をテーマに、九州大学を主会場としてオンサイトとオンラインのハイブリッドで開催されました。本テーマには、「あえてテーマを掲げずに各若手研究者の興味ある研究を自由に発表し活発に討論することで、各々の研究と神経行動薬理学分野をさらに発展させ将来に繋げていきたい」という大会長の気持ちが込められています。
当室からは、博士課程2年の中村真理子が一般演題にて、「口腔内慢性疼痛におけるデュロキセチンの効果と血小板セロトニントランスポーターの発現との関連」と題して発表を行いました。発表後には、核のない血小板の発現変化について質問をいただき、新しい視点から考えるきっかけとなりました。池谷裕二先生の特別講演「その日話したいことを話します」では、行動と感情に競合性を求めるという「認知的不協和理論」について、大変興味深く拝聴しました。海外研究者シンポジウムでは、海外で活躍する先生方から「熱意と人脈によって、人生はいくらでも切り拓ける」というメッセージをいただきました。今後も夢を持って、様々なことへ挑戦していきたいと思います。
なお、本研究会において中村真理子は優秀発表賞を受賞しました。
(報告者:中村真理子)
【口頭発表】
中村真理子
「口腔内慢性疼痛におけるデュロキセチンの効果と血小板セロトニントランスポーターの発現との関連」
2022年2月11日~13日
- The 21st Asian Conference on Clinical Pharmacy(名古屋)
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「The 21st Asian Conference on Clinical Pharmacy(ACCP 2022 in Nagoya:https://site2.convention.co.jp/accp2022-ng/video/)」は名城大学薬学部 亀井浩行教授を大会長として、「The Next Stage of Clinical Pharmacy from Asia」をテーマに開催されました。ACCP 2022 in Nagoyaは、名城大学薬学部八事キャンパスで行われる予定でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、全面オンライン形式にて開催され、当室の野田幸裕教授は実行委員長、吉見 陽助教は組織委員として企画から運用・運営に携わりました。ACCPはアジア各国の13か国以上が集い、アジアにおける臨床薬学の発展を目指して国情の異なる互いの研鑽の場として毎年開催されており、ACCP 2022 in Nagoyaは、2001年に日本(名古屋)で開催以来21年ぶり2回目となりました。
当室からは、シンポジウム1の「Problem of psychiatric therapy」において、野田幸裕教授が座長を務められ、野田幸裕教授、吉見 陽助教、研究員の肥田裕丈先生、堀田彰悟先生、および博士課程1年の吉田樹生先輩が発表を行いました。また、研究員の加藤博史先生、佐治凪帆先生、博士課程4年の内田美月先輩、博士課程2年の中村真理子先輩、学部5年の内野里香、松本あおい、および平野結奈がe-posterにて発表を行いました。
初めての国際学会ではありましたが、オンラインでの開催により開催期間中ポスターが掲示されていたため、時間をかけ様々な分野の発表を拝見し、臨床現場においての薬物治療の現状や副作用への対策を理解することができました。また、シンポジウムなどを拝聴し、新型コロナウイルス感染症によるパンデミックの中、アジアの国々の薬剤師を取り巻く状況の変化や薬剤師によるワクチン接種などの取り組みを知ることができました。
本学会に参加して、海外の方との討論や情報共有のために、さらに語学力を高めたいと思える良い機会となりました。今回の経験や得られた知見を今後の研究に繋げていけるように努めていきたいと思います。
なお、本学会において博士課程4年の内田美月先輩と学部5年の内野里香がBest Poster Presenter “Student”、博士課程1年の吉田樹生先輩がBest Oral Presenter “Student”を受賞しました。
(報告者:平野結奈)
【座長】
野田幸裕(2月11日)
シンポジウム1:「Problem of psychiatric therapy」
【シンポジウム1】
野田幸裕(2月11日)
「Overview: Problem of psychiatric therapy」
吉見 陽(2月11日)
「A survey of antipsychotic polypharmacy in outpatients」
肥田裕丈(2月11日)
「A survey of antidepressant polypharmacy in outpatients」
堀田彰悟(2月11日)
「Study of long–term users of benzodiazepines in inpatients」
吉田樹生(2月11日)
「Association between situation of sleeping and prescribed hypnotics in outpatients taking hypnotics」
【ポスター発表】
加藤博史(2月11日~2月13日)
「A Retrospective Study for the Identification of Risk Factors Leading to Uncontrolled Breakthrough Pain in Patients Treated with Fentanyl Sublingual Tablets」
佐治凪帆(2月11日~2月13日)
「Perception and Attitudes of Pharmacy Students Toward People with Mental Disorders: A Survey to Hospital Practical Training Student」
内田美月(2月11日~2月13日)
「Participatory Learning Effects in Drug Abuse Prevention Education of Pupils」
中村真理子(2月11日~2月13日)
「Usefulness of Classes and Practices Regarding Medicine for Promoting Appropriate Drug Use Among the Local Community Residents」
内野里香(2月11日~2月13日)
「Gene Polymorphisms in Association with Chemotherapy-Induced Gastrointestinal Symptoms(CIGSs)」
松本あおい(2月11日~2月13日)
「A Survey of Antipsychotic Polypharmacy and the Dose Reduction in Inpatients with Schizophrenia to Promote the Optimization of Pharmacotherapy」
平野結奈(2月11日~2月13日)
「Characteristics of Outpatient Requiring Re-Counseling of Inhalation Techniques in a Pharmaceutical Outpatient Clinic」